軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

181話 カルラ、限界を迎える【前編】

神々との戦いは長時間にも及んだ。

敵のリーダーであるクトゥルーは、カルラの霊力を削ることだけに注力していた。

戦力の集中・分散を繰り返すことで、カルラの負担を増やす。

彼は布石を打ち続ける、ただ、目障りな女を排除するためだけに。

「ぜぇ……! はぁ……! ぐっ……はぁ……はぁ……はぁ……」

カルラは空中に立ってはいるものの……限界だった。

両腕、両足はぶらりと垂れ下がっている。

大粒の汗と、出血多量。

霊力、つまりカルラが現世にとどまり、肉体を動かす力が、つきようとしていた。

『いやいや、驚いた。まだ君粘るんだねぇ』

クトゥルーの余裕に満ちた声が天に響く。

顔を見ずとも、やつはこちらを見下すように笑っているだろう。

『霊力なんてもうとっくにゼロになってるはず……なるほど、アドラが霊力を削り渡しているんだね』

精霊もまた霊力を有している。

だがカルラ同様、つきれば消滅のリスクを伴う。

バーンズ夫婦は、お互いに命を燃やし、耐え忍ぶことを選択したのだ。

つまり、息子に、未来を託す選択だ。

『ほぉんとバカなヤツら。そんな粘っても無駄なのにね』

魔竜から光の雨が降り注ぐ。

カルラは不死鳥の炎を広げてそれを防ぐ。

だが、うち漏らしが増えてきており、地上に穴を開ける。

それでもカルラの防御がなければ、今頃とっくにこの星は蜂の巣だ。

『エレンが来るとでも、思ってるの? ルルのやつを、再起させて』

「あったり、めえだ……」

カルラが天をにらみつける。

すでに気力体力供に底をつきているはず……だが瞳の奥では、強い覚悟の炎が燃えている。

「うちの子なめんじゃねえ……。てめえは、負ける。うちの愛する息子と、アタシの大親友が……こんなバカな計画をぶっ潰す!」

彼女の折れぬ心に驚嘆しながらも、しかしクトゥルーは余裕を崩さない。

『健闘したようだが残念だ。終幕までのプロットは、完成したのだから』

「! ま、まさか……」

にぃ……とクトゥルーが口の端をつり上げる。

「魔竜よ。砲撃の準備だ。次で終わらせるぞ」