作品タイトル不明
180話 カルラ、消耗する【前編】
神々と勇者との戦いが続く。
精霊使いカルラをリーダーに据えた勇者側は、彼女のバフもあって、神々と互角に戦えている。
だが、互角だ。
「くそっ! キリがないわね!」
ティナは極大魔法を放ちまくるが、そのたびに魔竜の背から、神々が降りてくる。
「いくら何でもオカシイわ……いったいなにが……?」
アスナの背後に近づいた神を、カルラが切り捨てる。
「にゃろぉ……相手、天使を神に存在進化させてやがる」
「天使を、神に?」
「ああ。クトゥルーのバカが、精霊王の力を使い、無理矢理天使の格を引き上げている。天使は数が多いからな……というか天使なら神が生み出せるしよ」
額の汗を、カルラが拭う。
「そんな……! それじゃ、ほぼ無尽蔵に神を作り出せるってことじゃない!」
ティナはうつむき、絶望の表情を浮かべる。
「てい」
ぴらっ。
「きゃぁあああああああああ!」
カルラはティナのスカートをめくる。
パンツ丸出し状態にされ、ティナは顔を赤らめて叫ぶ。
「なぁにすんのよぉおおおおおおおお!」
炎の魔法をぶっ放すが、しかしカルラはそれをひょいと避ける。
「わはは! そうかティナちゃんはしましまおパンツかー。子供だなぁ」
「殺す! 神と一緒にあんたも消し炭にするわよぉ!」
アスナはそれを見て、カルラがティナを元気づけようとしたのだと理解した。
……自分が、一番辛いだろうに。
すでにカルラの額には、びっしょりと脂汗が浮いている。
おそらくかなり体に負担がかかっているのだろう。
それでも、自分のことではなく、他者を気遣う。
「…………」
「どったんアスナ?」
「いいえ、似てなくても、親子だなぁって思いまして」
エレンもカルラも、外見こそ違いがあれど、しかし彼らの持つ優しい心根はそっくりだった。
エレン、愛しい旦那はきっと来る。
それまで、持ちこたえるのだとアスナは決意する。