軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

136話 帰郷、そして修行へ

ある日のこと、ぼくは実家に帰ってきていた。

ぼくの育ての親、ジョエルおじいさんと一緒に、お昼ご飯を食べている。

「でね、この間ルルイエさんと合体したんだ! 霊装っていってね、ルルイエさんと一体化することですっごく強くなる技!」

近況をおじいさんに報告する。

全然あえてなかったから、もういっぱいおしゃべりしちゃった。

「ぼくね、名前つけたんだ」

「ほぅ、名前? そのルルイエさんと合体した姿のことか?」

「うん! 【 霊王形態(キング・フォーム) 】っていうんだ!」

おじいさんはぼくを見て、あははと笑った。

「どうしたの?」

「安心したよエレン。おまえときたら、少し見ぬ間にとても大人びてきたから、まるで別人かと思っていたんだ」

「むぅ、それって子供っぽいっていいたいのっ?」

「すまんすまん、馬鹿にしてるわけじゃないんだ。許してくれよ」

和やかにぼくたちは、おじいさんの作ったシチューを食べる。

おいしくって3杯もおかわりしちゃった!

ややあって。

「ところでエレン、どうした急に? 実家に帰ってきて」

「うん、ちょっと遠出することになったから、出発前に挨拶しようかなって」

「どこかにいくのか?」

「うん、【精霊界】ってとこなんだけど」

おじいさんは突然のことで、何が何やらというふうに、首をかしげた。

「どこなのだそこは?」

「人間の世界とはまた別の次元に存在する、精霊達の世界なんだって」

「そ、そんな異世界に何をしに行くのだ、おまえは?」

「ルルイエさんと修行しにいくんだ」

「修行?」

こくり、とぼくはうなずく。

「さっき行ったでしょ、【 霊王形態(キング・フォーム) 】。あれ、実は完全にマスターしてないんだ」

「そう言えば、戦いの後に倒れてしまったといっていた」

「うん。ルルイエさんの魂が大きすぎて、今のままだとぼくの体に入りきらないのが原因なんだって。だから精霊界へ行って修行し、完全な【 霊王形態(キング・フォーム) 】を身につけに行くんだ」

おじいさんは渋い顔をして言う。

「……目的はわかったが、なぜそれを身につけねばならぬ? 今でも十分に、おぬしは強く、勝ち続けてきたのだろう」

「うん、ぼくもそう言ったんだけど……なんだかね。ルルイエさんが言うんだ『今すぐ急いで習得しないと、次の強大な敵がまた来るかも知れないだろう』って」

現に邪神7体同時攻撃は、ルルイエさんがいなかったら退けなかった。

あれ以上に強い敵が現れたとき、不完全な霊王形態では、対処できない。

「かもしれない、であろう? ならば急ぎでなくても、そもそも習得しなくてもよいではないか」

「……おじいさん、心配してるの?」

「当たり前だろう。何を言っている。そんな得体の知らない場所へいって、おまえが帰ってこなくなったらどうするんだっ」

いつも物静かなおじいさんは席を立ち上がって、声を荒らげていた。

「ありがとう、心配してくれて。ぼくね……すごくうれしいよ」

「なら……」

「けど、ぼく行くよ」

ぼくは笑っておじいさんに言う。

「今より強くなれば、もっとたくさんの人を助けることができる。より強い敵が現れても、誰も傷つけることがなくなるから」

「なぜそこまで……?」

「だってぼくは、勇者だからさ」

おじいさんはぼくの目をジッと見る。

そして、諦めたように、小さく吐息をついた。

「……わかった。おまえの意思を尊重しよう。エレン、強くなったな」

立ち上がって、ぼくのことを抱きしめる。

「エレン。おまえは強くなった。勇者になった。けど、わしにとってエレンはエレンだ」

「うん……? どういうこと?」

抱擁をといて、静かに笑う。

「たとえおまえが何になろうと、おまえはわしの可愛い孫だ。今も昔もこの先も、ずっとずっと……な」

「おじいさん……うん! ありがとう!」

きゅーっとおじいさんの腰に抱きつくと、よしよしと頭をなでてくれた。

ほどなくして。

「ぷはー! ごちそうさまっ!」

シチューを食べ終えたぼくは、満足げに言う。

「おまえは本当にこれが好きだなぁ。4杯もおかわりしてからに」

「えへへっ、ぼくおじいさんの作るシチューが世界一大好きだからね!」

「そうか。ではまた帰ってきたときに作ってあげよう」

「うん!」

よいしょ、とぼくは立ち上がる。

ふたりで玄関までやってくる。

「それじゃあおじいさん、ぼく行くね」

「ああ、息災でな」

「うん!」

不死鳥の翼を広げて、ぼくは飛び上がる。

「あ、そうだおじいさん」

「ん? なんだい?」

「なんか今日のシチュー、いつもと味、違わなかった?」

「そんなことはないぞ?」

「そう? なんだかいつもより、味が薄かったような気がしたんだけど……」

おじいさんが目を剥いてぼくを見やる。

「え、エレン……おまえ、もしや……」

「気のせいだよね! じゃあねおじいさん! また!」

ぼくはそう言って、空へと飛び立つ。

「……ああ、カルラよ。どうかおまえの息子を、守ってやってくれ」

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あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!

エレン! エレン! えれぇん!

早く早く早く! 完全な 霊王形態(キング・フォーム) を身につけておくれよ!

今すぐ! 1秒でも早く!

盲点だった! こんなふうに望みが叶うなんて思っても居なかった!

ああ! ああ! 早く、欲しいなぁ~。

エレンとの、赤ちゃん♡

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