作品タイトル不明
133話 邪神達、協力者を得る
ルルイエによって、邪神アーカムが始末された。
白い空間にて、邪神達は沈鬱な表情で集まっている。
その場に居るのは、6名の邪神。
①ダニッチ
②ボリア
③ミスカトニック
④無名
⑤レン
⑥リームランド
「どうする……?」
6名の邪神は、みな怯えていた。
勇者エレンに対して……ではない。
「どうするもなにも、もう無理だろ」
「かなうわけないよぉ、この邪悪の化身に……」
邪神達の中心には、映像を記録しておく水晶玉がある。
そこに映し出されているのは、勇者エレンではなく、精霊王ルルイエだ。
「やべえよこいつ」
「ユゴス、カダス、アーカムもご愁傷様だよ……」
「負けた相手にこんな酷いことするなんて……」
邪神達は完全に、ルルイエに対して恐怖していた。
「主様のおっしゃっていたことは本当だったのだな」
「ああ、逆らうのは良くないな」
「大人しく精霊王の軍門に降るのが賢い選択だろう……」
と、そのときだった。
「くくく……怯える必要はないぞ、諸君!」
「「「インスマス」」」
最年長の邪神、インスマス。
青白いカエルにもにた風貌の邪神だ。
「怯える必要がない、というのは……?」
「あの邪悪の化身ルルイエに対抗する手段を、ついにわしが見つけたのだ!」
「「「対抗手段……?」」」
くくく、とインスマスが邪悪に笑う。
「あの恐るべき悪鬼めと同格の力を持つものを、協力者に取り込んだのだよ」
「る、ルルイエと同格の存在など……いるのですか?」
一同、信じられない……という表情を浮かべる。
だがインスマスだけは1人、にやりと余裕ある笑みを浮かべていた。
「うむ、スキルなどを剥奪し、時に与える恐るべき能力……それがヤツの最大の武器。しかーし! それはヤツだけが使えるわけではなかったのだ!」
「た、たしかにそんなやつがいれば心強い……」
「ルルイエにへーこら頭を下げなくても良いが……そんなやつ、いるのか?」
「なんだ、わしを疑っているのか?」
こくり、と全員がうなずく。
さもありなん、あんな規格外で、理外の存在がそう何人もいてたまるものか。
「まったく、狭いなぁ。狭い! 視野が狭すぎる。邪神ならば、わしのように世界の隅々まで見通す目がなければなぁ~」
6名の邪神達を、インスマスは見下す。
むっ、と彼らは顔をしかめる。
「そこまで言うならとっとと紹介してくれよ」
「くく……仕方ない、【彼女】を紹介してやろう」
彼女、ということは、ルルイエと同格の存在は女なのだろうか。
「出てきてよいぞ」
「……失礼いたします」
入ってきたのは、何の変哲もなさそうな、ただの人間の女だった。
特徴的なのは、【赤い眼】をしていること。
そして、【どことなく勇者エレン】に似ていることだった。
「この女が……?」
「インスマス、さすがに冗談だろう?」
ニコニコと微笑む彼女に、とても強い力を持っているとは思えない。
「冗談なものか。彼女の力は凄いぞぉ」
インスマスは口を開くと、そこから魚類の卵を吐き出す。
すぐさま孵化し、 魚人(サハギン) となる。
「そんな低級モンスターをよんで、どうするんですか?」
「まぁ見ておれ。おい、やってくれ」
「……かしこまりました」
すっ、と赤目の彼女が手を向ける。
すると、魚人はボコボコと音を立てながら、進化していった。
やがて……強大な力を持った、魔神が完成した。
「な、なんと!? 魔神を作り出した!?」
「す、すごい……! なんてやつだ!」
みな表情を一転させ、赤目の女性を見やる。
「どうだぁ諸君、彼女の凄さはこれだけじゃあないんだぞぉ」
今度は手を向けると、魔神だったそれが、再び魚人へと退化した。
「す、すごい! 進化と退化! まるであの邪悪の化身と同等のことをやってのけてるじゃないか!」
彼女は「邪悪の化身って……」と笑いを堪えていた。
「どうだぁ、こんなすごいやつを見つけてきた、わし、凄いだろぉ?」
「「「さすがインスマス!」」」
最年長だけある、とみなが尊敬のまなざしを向ける。
インスマスは得意顔でみなを見回していう。
「彼女の協力があれば、勇者エレンはもちろん、精霊王ルルイエなど恐るるに足らず!」
「「「おお!」」」
「さぁ、みなに自己紹介をするのだ」
赤い眼の女性が微笑んで、邪神達の前で頭を下げる。
「……【ふくろう】と申します。以後、お見知りおきを」
「さぁさぁ! 皆の衆! デカい顔をしているあの勇者と精霊王を、この世から葬り去ろうじゃないか!」
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いやふくろう、何してるの?
あいつ、しばらく顔を見せないと思ったら、こんなことやってたのか。
『ええ、お久しぶりですルルイエ様』
うぉ、びっくりした。
急に入ってくるなよ、キショいなおまえ……。
『申し訳ございません。ただエレン様に楯突く気はありませんし、むしろアシストのためにやっていることなので、誤解なきよう』
あ、そ。
まあいいや。
僕のやることは変わらないし、掛かってくる敵にペナルティを与えるだけだから。
別に殺しても良いんだろ?
『ええ、もちろん』
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