作品タイトル不明
その19 通信販売&通信教育
昭和◯◯年◯月◯日
漫画雑誌を眺める。
もちろん、中身も読むのだが、俺が好きだったのは、通信販売&通信教育。
なんかめちゃ楽しそうなアイテムが沢山並んでるじゃん。
便利グッス系から、ナイフやモデルガンまで。
あと、トレーニング系な。
筋肉がつくとか、握力がつくとか。
どの雑誌にも必ず載っていた、ブルーワーカーみたいな有名なものもある。
あれだけ広告を載せるってことは、それだけ売れていたってことだろう。
トレーニング系とセットで、格闘技などの通信教育の広告も多かった。
空手とかマーシャルアーツ、中国拳法などなど。
格闘技系の通信教育に申し込んだことはなかったが、中国拳法ブームのときに、本はよく買った。
色々な技が載っていて、見ているだけで楽しい。
あのときはすごかったな~。
誰も知らない拳法映画がTVで流れ、マイナーな格闘技の中継までやってたからな~。
まぁ、すぐにブームは終了したけど。
そんな格闘技系の通信教育の他に、文化系の通信教育も充実していた。
定番の書道やらペン字から始まって、ジャンルも様々。
これまた沢山の雑誌に広告が載っていた、「家出のドリッピー」という英語の通信教育。
世界的に有名な小説家が書き下ろしたストーリーで、英語が学習できるという代物。
ググると、未だに教材は売っているらしい。
ベストセラーやね。
スピリチュアル系も多かったね。
運が上がるとか、恋人ができるとか。
精神が統一できるみたいな怪しい機械とか、シャカシャカ指で弾いてるだけで字が上手くなるとか。
そんなことある?
みたいな~(笑)
通信教育の資料請求は無料なので、ハガキを送りまくった。
そうやって、やって来たパンフレットに書かれていたことでも、かなりのことが学べた。
そんな中で、親に無理して頼んで通信教育に入ったのが――。
ラジオの作り方――みたいな通信教育。
「スゲー! 自分でラジオを作れるのか~!」
当時は、まだラジオは主流だったので、ラジオを作ることにも夢があった。
今のラジオは、スポンサーがつかなかったりして、大変みたいな話もきく。
申し込んでやって来たのは、黒い表紙のテキスト本が数冊。
結構本格的なので、数式が並んでたりして、小学生が読むには難しい。
オームの法則だって、習うのは中学生だしね。
それでも、一生懸命読んで理解しようとしてた。
テキストの中に載っていたのは、バケツを使ったゲルマニウムラジオと、5石スーパーのAMラジオ。
教材にはラジオキットは入っておらず、がっかり。
キットは別に買う必要があり――しかも結構高い。
まぁ、これで儲けていたんだろうな~と、推測。
もしかして、同じ通信教育に申し込んだりした人がいれば、バケツゲルマニウムラジオでピンとくるかもしれない(笑)。
ゲルマニウムラジオというのは、電源を持たず、空を飛んでいる電波をエネルギー源として動くラジオ。
電源がないのに、聞こえるのか? といえば、ちゃんと聞こえるんですよ。
テキストのバケツラジオは作らなかったが、キットのゲルマニウムラジオは作ったことがあった。
ド田舎だったので、基地局が遠くて中々難しいのだが、都会ならもっとはっきりと聞こえたと思う。
そのあと、「ラジオの製作」や「初歩のラジオ」という、電子工作系の雑誌が売られているのを見つけて、
俺のソースは、そっちに全振りになった。
ラジオからオーディオ、出始めのワンボードマイコンのことまで載っていて、まるで夢のような雑誌だったなぁ。
そして、大量の通信販売の広告。
すごい電子キットが沢山並んでいて、そのほとんどが秋葉原だった。
「俺は絶対に秋葉原に行くんだ!」
と、子ども心に誓うのであった。