作品タイトル不明
その17 電話
昭和◯◯年◯月◯日
小学生の頃、自宅にやっと電話がついた。
もちろんアナログで、黒いやつ。
その頃には、オラが村にも自動交換機が設置されていたので、普通にダイヤルを回すだけで繋がる。
母の実家は商売をしていたので、かなり初期から電話があった。
その頃の電話は、ボディについているハンドルをグルグル回して、交換手を呼び出し――番号を伝えて、繋いでもらう。
遠方だと、交換手→遠方の交換手につながり、そこでさらに電話番号を伝えて繋いでもらう――という、面倒なことをやっていた。
それが自動交換機で面倒フリーになったわけだ。
交換手時代は、夜中だと交換手が寝ていて、中々起きてこない――みたいなこともあった(笑)。
交換手の爺さんが、酔っ払っていて伝わらないとか。
さすが、昭和。
地元が自動交換機になっても、地方によっては、まだ交換手がいた。
ニュースでやっていたが、完全に交換手という職業がなくなったってのは、つい最近らしい。
電話がついたので、意味なく時報を聞いてみたり、天気予報を聞いてみたりもした。
電話がなかったときには、どうしていたのか?
郵便局の前にある電話ボックスに行くか、向かいの家に電話があったので、借りにいく。
その家が、ウチへの電話を受けてくれることもあったり。
マジで地域全体で、持ちつ持たれつって感じ。
そういうのが好きな人ならいいが、当然、人付き合いも増えるし、いいことばかりではない。
俺みたいな、人付き合いが嫌いな人間にとっては、中々に住みにくい時代だった。
電話がない場合、超急ぎでの連絡には電報を使う。
冠婚葬祭にも電報を読み上げる場面が普通にあった。
電話が普及し始めたってことで、学校の学級連絡網も始まる。
この電話をかけるのが嫌でな~。
男子は男子、女子は女子でかければいいのに、最初は男女バラバラだったんよ。
女の子の家に電話をかけたら、「てめぇ! なにもんだ! ウチの娘に色目使ってんじゃねぇ!」なんて怒鳴られたり(笑)。
話が通じないので、親に変わってもらったが。
面倒くせー!
そういうのがトラウマになって、電話嫌いに。
自分の時間と空間に、無粋に入り込んでくるから、マジで電話が嫌いなんよ。
今は、メールとSNSの時代になって、本当に良かったと思っている。
電話が来て変わったといえば、家に電話帳がくるようになった。
東京に住んでたときにも、クソ厚いタウンページが、毎年送られてきたり。
あんなのいらねーから、すぐに捨ててたよ。
個人情報云々で今では考えられないが、電話帳には、すべての家が載っていたな~。
最初は住所まで載っていたはず。
個人情報に大雑把なのも昭和の特徴――雑誌の柱には、「◯◯先生にお便りを出そう!」とかいって、漫画家の住所が載っていたり。
雑誌の文通コーナーや、売買コーナーにも、モロ個人情報が載っていた。
住所氏名、電話番号、全部だよ。
今じゃ考えられんよな~。
そのうち、そういう情報が犯罪や空き巣に使われることが多くなって、個人情報の大切さが広まるようになった。
とっぴんぱらりのぷぅ