軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

生産と商売と

俺達、冒険者パーティー『リジェクテッド』の専属受付嬢を狙って、腰クネクネの受付嬢エマールが元々の専属であったフィオナさんを追い出した。

しかも、俺達はその話を聞いたのは、交代が決定した後だったのだ。全く気に入らないな〜。

色々と皆と話し合った結果……俺達はダンジョンに潜りながらも、夜中は生産をしていた。生産にはダンジョンの成果物を使い、冒険者ギルドに流さないようにした。

ミラさんはドワーフの血が入っているから、視力が無くなる前から生産をしていた。

俺は彼女に聞きながら、鍛治や調合などを試していく。まさに生産ジョブの見せ所だね。

俺が今、出来る生産系ジョブは以下の通りだ。

【生産系・その他】

豪商(商人、行商)、エンターテイナー(踊り子、歌い手、遊び人)、匠の指先(鍛冶師、木材士、細工士、大工、料理人)、肉体労働者(木こり、採掘士、採集士、労働者、村民)

〘NEW〙薬師、医師、錬金術師

これらを、駆使していく。匠の指先は器用さや細部の細かさなど、かなりの精度を再現出来る。肉体労働者は、体力の増強と疲れの軽減。豪商は、計算や演算など……

ジョブの設定により、追加効果がある。そしてユニークスキル『転生者』の着せ替えで、俺はすぐにジョブの入れ替えが出来るから生産も商売も出来るのだ。

ただ、エスナさんは過去のトラウマから、コミュ症オドオド少女だから商売も生産も出来ない。

ミラさんは生産が得意な種族でもあるドワーフだけど、盲目なのでやはり商売も生産も出来ない。

結局は俺がやる事になり、エスナさんとミラさんの二人と……アオイとアカネをお供に、ダンジョンで素材集めに分かれる事になった。

俺は現在でも、作る事の出来る物を仕上げていく。

迷宮都市ビギナリアの初級ダンジョンでも、高難易度に位置する『廃鉱山ラービィクス』。

こちらは元々は銅鉱山だったが、採掘量が減り廃山になっていたが……突然、ダンジョン化した。

ダンジョンになってからは銅はもちろん、他の鉱石まで採れるようになり再度、資源が採れるようになった。

しかし、以前の鉱山からの坑道がそのままダンジョンになったので、内部は迷路のように入り組んでる所に魔物も現れるようになっている。

この『廃鉱山ラービィクス』で採れる魔鉄と、魔物素材を掛け合わせた武器が高値で売れる。

これは故郷の村を出て来る時に、母親の遺灰から手に入れたジョブ『錬金術師』の効果で、様々な物質の分解や再構築などが出来るようになり……現代の知識を組み合わせて、新しい素材を生み出す事に成功した。

魔鉄と魔力を帯びた魔物素材を分解して、一つにまとめて再構築した。

この新素材を『魔鋼』と名付けて、商人ギルドに登録して独占生産体制を確立した。

それにより、エスナさんとミラさんは連日『廃鉱山ラービィクス』で、魔鉄の採掘をしている。魔鉄も魔力を帯びた鉄なので、魔力感知を鍛えているミラさんが見つける事が多いらしい。

盲目になっても、自分の成果を俺に自慢気に語るドワーフ少女が可愛らしいな。

俺に褒められて喜んでいる横で、少し悔しそうなコミュ症斥候少女エスナさん。

俺は二人とも、褒める事を忘れないぞ。それにアオイとアカネもな。

「キュイ、キュイ」「ピュイ、ピュイ」

おかげで俺は、ダンジョン探索から外れて生産・商売に専念する事が出来た。少し心配だけどね。

魔鋼を使った武器・防具はすぐに人気になる。

数を制限して、生産をしてはいるが……う〜ん、何とかしないとかな。

俺は商人ギルドに向かい、鍛冶屋を紹介して貰うことにした。

「すいません。信用が置ける鍛冶屋を、紹介してもらえませんか?」

俺は魔鋼を独占生産している商人でもあるので、商人ギルドでも高待遇で迎えて貰える。ありがたい事です。

そして、迷宮都市ビギナリアの隅になるが、ドワーフの親方がやる鍛冶屋を紹介してもらった。

そこに着くと……お化け屋敷?

ボロボロの建物が建っていて、今にも崩れ落ちそうな見た目。屋根や壁なんかもツギハギだらけで……まあ、商人ギルドの紹介だからな。行ってくるかな。

「すいません、商人ギルドで紹介して貰い伺ったのですが……」

「フン、ワシが認めた冒険者しか売らん」

ああ、懐かしい感じ。故郷の村付近で一番大きな都市『モラーザ』で鍛冶屋をしていた、ドワーフの頑固オヤジを思い出させるな。

「俺じゃダメなんですか?」

「見たところ、冒険者のようだが、そんなピカピカな装備をしている冒険者を信用出来んな」

なるほどね。新品同様な装備をした、冒険者成り立ての新人冒険者って見られたのかな?

まあ、間違えではないのだけどね……新人だし。

「ちょっと、これを見てもらえませんか?」

俺はアオイ分裂体から、魔鋼のインゴットを数個取り出してカウンターに乗せた。鈍色に輝くその塊を、ドワーフの親方は始めは横目で見ていたが……だんだんとワナワナしだして、

「おいおい、なんでモンを出しやがる。魔鉄に見えるが違うな。オレでも分からないとは……合金か? タダの合金じゃない。魔鉄にしっかりと馴染んで、粘りを出してるな」

流石はドワーフだね。見ただけで、ほぼ言い当ててる。

魔鋼のインゴットを持ち上げたり、光に当てたり、手で叩いて感触を確認していた。

「どうだい? オヤジさんはこの『魔鋼』で武器や防具を、作ってみたくないかな?」

「おお、コイツは『魔鋼』というのか? もちろん、やらせてくれ。ひょっとしたらお前の装備も……魔鋼だな」

新品に見えていた俺の装備は、自分で打ったモノだったんだ。信頼出来そうなオヤジさんだな。