作品タイトル不明
冒険者活動開始
俺は、サスーニア海洋国にある迷宮都市ビギナリア……別名『新人冒険者の街』比較的攻略がしやすいダンジョンに囲まれた、街に様々な所から成人したての冒険者志望者が、この街にやってくる。
冒険者活動を開始する者達のドラマも、この街からスタートする事が多い。
それぞれ、色々な己の野望を胸に……
〘ユニークスキル『運命の輪』が発動しました。運命の輪が正位置にて回り始めます〙
迷宮都市ビギナリアに足を一歩踏み入れると、すぐにユニークスキルが反応した。
やはりここで俺の運命的な出会いや、大きな転機なんかがあるみたいだ。
俺がこの街に来たのも、勇者達みたいなウソの仲間じゃなくて、本当の冒険者仲間を得るため。
この街で出会える、可能性があるわけだな。
俺はモラーザで成人した時に登録して貰った、冒険者証を手に冒険者ギルドへ歩き出した。
さすがに、新人冒険者が集まる街だ。若者向けのお店が多く、華やかさに溢れてる。
俺のいた故郷とは、段違いだな。ここから始まるんだと思うと、やっぱりワクワクするな。
冒険者ギルドは、街のほぼ中心にあった。さすが国中から、新人冒険者が集まる街のギルドだ。四階建ての建物で多分、領主邸よりも大きいんじゃないか?
そこにフレッシュな成人達が、夢見がちな顔をしながら扉を叩いて入っている。
しかし、俺にはある意味冒険者ギルドの扉が新人冒険者を飲み込み続ける、異界への穴のように感じていた。この中の何割かは一年と待たずに……
そんなに甘い世界ではないのが、冒険者パーティー『クリムゾンダンス』メンバーから『イヤ』っというほど聞かされた。
改めて気を引き締めて、扉をくぐった。
眩しく感じたギルド内部は、まさに現代日本でいう所の休日のショッピングモールみたいだ。人が多すぎてワケがわからん。
まさに田舎者丸出しで、キョロキョロしながら受付のカウンターらしき所へと向かった。
一歩一歩とカウンターに近づいて行くと、受付嬢らしき美人さんが複数いるが……まずは俺をつま先から頭まで見る、そして無くなった左腕で視線が止まる。その後で、肩に乗るスライムのアオイを見る。
それで皆がガッカリした顔をして、顔を背ける。
ああ、ここもそうなんだ。あの故郷のヤツらを、思い出しちまう。
その中でも、一人だけ……そう一人の受付嬢だけは、人を選ばず……でも熱心に、アドバイスをしている受付嬢がいた。少し冒険者ギルドに、ガッカリしていただけに本当に嬉しかったんだ。
すぐに、その受付嬢のカウンターへと足を向けた。周りにいた受付嬢達は、嘲笑いに似た微笑みをしていた。俺は……見逃さなかったけどな。
「ちょっといいか?」
客足が無くなった所で、気を抜いていた受付嬢さんがビクッとした。なんかスマン。
この受付嬢さんは、俺よりも少し年上かな? キレイな金髪ストレートの髪が背中まであり、細身なのに出る所はしっかりと、主張している。幼い顔立ちに、すこしタレ目の下にある泣きぼくろが、少しセクシーにも見えた。
「あ〜、悪い。忙しかったか? なら別の……」
「あっ、いえ。申し訳けありませんでした。少しボーとしてました。改めまして……いらっしゃいませ。冒険者ギルドビギナリア支部へようこそ、私は受付嬢のフィオナと申します。冒険者のご登録でしょうか?」
一瞬ビックリしたような顔をしたが、すぐに性格の良さが顔に出たかのような笑顔になり、コチラを見てくれた。
「うん、登録はやって来たから所属の変更を頼むよ」
受付嬢さんは少しガッカリしていた。ああ、モラーザの冒険者ギルドでも言われたが、受付嬢さんの専属システムの事だな? ちなみにモラーザ支店では、冒険者登録だけをしてきた。それだけでも、新人発掘の特典みたいなのがあるらしい。
「……ルディ様、以上で説明終わりますが、あの……」
「あっ、そうそう。これからはフィオナさんが、俺の専属って事でいいのかな? まあ、ランクが低いウチは、関係ないだろうけどね」
受付嬢さんからは、言い出し憎いだろうからな。俺から、フィオナさんに提案した。
「はいっ、おまかせ下さいませ。ルディ様の冒険者活動のサポートを一生懸命致しますので、宜しくお願いします」
やっぱり、カワイイ娘の笑顔を見れるのは良いよね。
フィオナさんに冒険者としての道しるべになってもらい、俺は素晴らしい仲間を獲得するぞ〜。
「宜しくお願いします。早速なんですが新しく冒険者になる人で、パーティーを組みたがっている人はいませんか?」
「はい……パーティーですか? 失礼ですがルディ様はスライムをお連れですから、テイマーでいらっしゃいますか?」
「まあ、そんな所ですね。一応、剣も魔法も使えます」
「う〜ん、そうですね……一応、私の専属でパーティーを募集している方がいるにはいるのですが……」
なんだろう? テイマーが人気が無いのかな? 最悪はソロなのかな? 少し寂しいかもな……まあ、それならアオイと二人で、やって行くしかないのかな……
「……声をかけておきますので明日、またギルドにお越し下さい。新人研修会の事も、説明がありますので……」