軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ニセモノ家族とアカの他人

【義理姉ウルリケ視点】

私は、知りたくなかった。お母さんがお父さんを、殺したなんて……私は、お父さんの記憶があります。

多分、ルイーゼは覚えてないくらい小さかったので。非常に優しい人で、いつも笑顔でした。

そんなお父さんを……私はどうしたらいいのでしょうか。

そんなお母さんは、義理父さんと結婚する為に手段を選ばなかったのです。まるで、私の行いそのもの。

そう、始めは突然出来た義理弟が可愛くてしかたなかったはずなのに……私は裏切ってしまったの。

自分の快楽と女として必要としてくれた、ランドルフ君に依存してしまった。それまで私が大切にしてきたモノを、簡単に手放してしまったの。

それは大事な義理弟ルディちゃんが、左腕を無くして始めて気がついたのかも。でも、私は直で見ることをしなかった。

私自身の間違えを、直視出来てない。私は逃げてしまったの。弱い女なの。

ランドルフ君との接触は心地良く、それに没頭している時は忘れられました。

だから、ズルズルと関係を続けているの。

でもね……抱かれれば抱かれる程、お父さんを殺したお母さんの、血を感じてしまうの。

そして、ルディちゃんに目で、私は……親子だよなって言われているような感じになってしまうの。

もう、私を見ないで。卑しい私を、見ないで欲しいの。

私はそう思いながらも今日も、ランドルフ君との密会を続けています。

もう、私は自分では、抜ける事が出来ないでしょう。家事をやる事でしか、ルディちゃんと接点を持てなくなりました。

どこまでも落ちていく、哀れな女と笑って下さい。

【義理妹ルイーゼ視点】

私は、家族が好きでした。お父さんとお兄ちゃんは、血が繋がっていないらしいけど、ものすごく優しくて大好きです。

特にお兄ちゃんは頭を撫でてくれるし、褒めてくれるし、色々と知ってるから頼りになります。

血が繋がってないというのは、結婚も出来るんだって。やったね。

私は嬉しくて、小さい頃から『お兄ちゃんと結婚する』って言い続けてます。それは恥ずかしいけど、私の偽らざる本心なんです。

でも、お兄ちゃんは村ではモテモテ。いつも女の子達に囲まれて、デレデレしてます、もう。

それでもルイーゼを気にしてくれてる、お兄ちゃんに『ありがとう』と言えずいつも憎まれ口。

だって、恥ずかしいじゃない。

それでもお兄ちゃんは、分かってくれてると思ったのです。

私が嬉しい時も、落ち込んだ時も、優しく隣にいてくれるお兄ちゃんに、いつしか恋をしていたのです。

しかし、私の性格から素直になれず、強がってしまいます。

いつも、悪口を言う私は『お兄ちゃん、気付いて』と私の本心を隠しながらも、私を女の子として見て欲しいの。

でもね……私は分かっていなかったの。優しさというのは『有限』なんだって。お兄ちゃんの左腕を魔物が食べてしまった時は、焦りました。だけど、どこかお兄ちゃんなら、赦してくれるはず。カワイイ義理妹が言えばと……そんな事は、あるわけないのに。

お兄ちゃんに邪険に扱われた私は、ランドルフの言葉に癒されるようになり……身体の関係になったの。

本当に好きなのは、お兄ちゃんなのに。

それからは好きな人に、汚いモノを見るような目で見られ……時には罵られました。

取り返しのつかない事、だったようです。

私が泣いても、落ち込んでも、お兄ちゃんは来てくれなくて……身体ばかりを求める、ランドルフだけ。

私は、自暴自棄になってるのかも。でも、お兄ちゃんに振り向いて貰えないなら……

今日も他の女の子達とランドルフを囲む、一人になってしまっています。

【幼馴染ラウラ視点】

小さな頃から、ボクはルディが好きだった。何がキッカケかは、良く覚えていない。

家が隣同士だから、毎日のように遊んだ。

ボクの家は狩人が家業。しかもお母さんはもう亡くなっているので、お父さんが狩りにいくと数日間は戻らない。ボクはよく、ルディの家に預けられる事になっていた。

だからかな? どこかルディの特別は、ボクなんだと思っていたんだよ。それがいつの間にか、義理母と義理姉妹が出来て……ボクの居場所が無くなっていった。

それだけでなくクリスティが、ルディの婚約者になっていた。

ボクの居場所はルディの隣から、ドンドンと隅の方に追いやられた。

だけど、認めたくないじゃない。負けだと思ったら、ボクのこれまでの気持ちがなくなっちゃう。だからいつも以上に、ルディにくっついている。

しかし、ルディがスキル授与で貰った『スライム』だったのが悪かったんだ。

私は行く先々でルディの悪口を言われ続け、気持ちが弱ってしまったの。不安だったの。

本当は好きなら、ルディの味方でいなければいけないのに……

ボクは皆と一緒に、ランドルフについてしまう。

小さな恋心など、ボクにはもう見えなくなってしまったんだ。

ルディから見られる度に『お前はアカの他人』じゃん、っと言われているような錯覚を覚えてしまう。

いや、言われているのだろう。ボクは皆ほど関係性が、強いワケではないし。

ただの友人関係、家が近所の女友達、小さい頃から一緒にいた幼馴染。

ただ、それだけの関係でしかない。

本当は勇者とかどうでも良かったはずなのに、皆と一緒というのに安心して、選択を間違えてしまったの。

恐らくは数十年も経てば、ルディの中には『ラウラ? ああ、そんな女がいたな』って言われるくらい存在が薄くなってしまうのだろう。

ランドルフに依存しなければ、ボクは生きていけないのかも……ボクの初恋はもう……終わってしまったんだね。