軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

逆転する立場

風土病が蔓延してしまった故郷では勇者やその親達、そして浮気女達を優遇していたのでほぼ壊滅状態になっていた。いや〜、バカだね〜。

畑など、もう取り返しがつかないだろうに……

その勇者達は遊び呆けて日夜、酒池肉林の状況に、村の農業のまとめ役達はキレた。まぁ、そうなるよね。

勇者はもちろん、女達も殴られボコボコに……イイハナシだな〜。

俺はさらに追い打ちをかける為に怒っている村人に、勇者一行を薬の原料になる魔物ホーンディアの討伐をさせればと提案した。

速攻で可決され、蹴り飛ばされてながら村から追い出されていた。ガンバれよ〜。

でもね……俺は攻撃の手を緩める事はせんよ、という事で……

「ただいま、戻りました。お待たせして、すいません。やはり村では特効薬が不足して、ほぼ壊滅状態でした。そこで冒険者としての依頼を含めて、ホーンディアを狩りませんか? 多分、良いお金にもなると思いますよ」

フフフッ、こっちにはCランク冒険者の『クリムゾンダンス』のメンバー達と、俺の頼もしい相棒のアオイがいる。それにアオイの分裂体が既に森に展開して、ホーンディアを捕捉しているのだ。

勇者一行は遊んでいた為、戦闘経験もサバイバル経験も、全てにおいてド素人。そう、さらに村人に無能を晒せばいいと思うよ。

まさに俺の描いていたシナリオ通りに、動いてくれた。ランドルフ達が予想以上にアホだったのだけが、想定外だったがね……

クリムゾンダンスのメンバー達も大変乗り気で、シーフで猫人族のキャシーの索敵がスゴイ。

俺も森の歩き方や索敵のやり方などを、教えて貰いながらホーンディアを狩り尽くす。

アオイから定期的に報告がある。

なにせ勇者一行には、アオイの分裂体が擬態して張り付いているから……ジョブ因子吸引で。

だからその分裂体を通して、行動が分かるのだ。

彼らはまともに正面から戦った事もないので、ウルフに噛まれ、ツノウサギに突かれ、ベアーに殴られと魔物達の手痛い歓迎を受けているらしい。良いスキルやジョブだけでもダメなんだな〜、としみじみと思った。

慢心しないで、俺は精進しないとね。

そう時間もかからず予定していたホーンディアを十匹狩り終えて、全てをアオイに収納して貰う。

「しかし、アオイは優秀だね。収納だけでもスゴイのに戦闘も出来るし。スキル『スライム』は当たりスキルだと思うよ」

クリムゾンダンスのリーダーでもある、ベルナールさんに褒められた。嬉しい……始めてスキルを褒められた。

「そうなんです。アオイはスゴイんです。それだけでなくて、頭も良くて、優しくて、カワイイんです。俺の最高の相棒なんです」

アオイをナデナデしながら、俺は必死に答えていた。

「キュイ、キュイ、キュキュ」

アオイはむず痒かったのか、身じろぎしている。

ポヨポヨボディの感触が心地良い。

「ウフフッ、本当にカワイイわ。アオイちゃん。ウチの子にならないかしら?」

セクシー魔法使いリリンが誘惑するが、アオイはプイっとそっぽを向いてしまう。

「あらあら、フラれてしまったわね。残念だわ。ウフフッ、本当に仲良くて、妬けてしまうわね」

リリンさんは俺のお腹をツンツンする。

くすぐったいのと気恥ずかしいのがあって、顔が赤くなる。

「ふざけるのもここまでにして、村に急ぎましょう。今も苦しんでいる村人を助けないと……」

さすが僧侶のダニエルさん。神様に仕える聖職者だけある。みんなはその言葉に頷き、俺の故郷の村へと急いだ。ランドルフよ……勇者ランドルフよ。怠けていたツケを払うときが、近づいてるぞ。その時に、村に居場所があればいいな。

俺達は狩ったホーンディアを持ち寄り、村で唯一の薬師に特効薬を調合して貰った。程なくして、村人全員が回復する事が出来たのだ。いや〜良かった良かった。

俺達は特効薬を売ったお金で、かなりフトコロも暖かくなり故郷の村では英雄扱い。

対して勇者を優先していた村長や、ウチのバカオヤジなどは村人から非難が集中する。だから俺は村人達に『よろず屋』に最初は格安で、ホーンディアの買い取りをお願いしたんだけど、村長達の指示で買い取り出来なかった事を教えてあげた。俺って、親切だよな〜。

当然、村長含めて全員が鉄拳制裁を受けて、畑を元に戻す為に日夜農作業を、強制的にさせられてた……しかも今年の税金は畑が全滅した事により、当然、支払い不可能に。原因の村長一派が、全額出す事になる。

最初は村長一派は抵抗したが、俺はアオイに分裂体を出してもらい、徹底的に家宅捜索をさせた。スライムな身体で色々な所に潜れるから、財産を隠し通せた家は多分無いはず。アオイは村人からお礼を言われていたよ。ウチの子は優秀なんです。

ん〜、良いことをすると気分が良い。俺の迫害をしていたヤツらに、仕返しが出来て満足だね。

これから故郷も大変だろうけど、俺が出来るのもここまでかな。

まぁ、後は自分達の力で復興すれば良いよ。

稼がせて貰ったしね。

村から去る時に、

「勇者って言っても使えないんですね。貴方達はその『勇者』って言葉に踊らされた。だけど……俺は村八分にされてた事実を、忘れないし赦さないよ。それが俺の生き方だ」

村人達は下を向いて、自分達の行いを後悔していた。

自分達が迫害していた少年が、助けてくれた。それでもやっぱり恨まれている事には、変わりがなかったから。

勇者一行は結局、村人が全員回復してから一週間後に、手ぶらで故郷の村に帰ってきた。

そこではさらに風土病から回復した村人からリンチされて、その辺に転がる勇者が野ざらしにされていた。勇者君、犬にオ○ッコ掛けられてるし……

俺はその姿を見て大変満足してから『クリムゾンダンス』のメンバーに、冒険者として色々と習う為に川沿いの拠点に来ていた。頑張りますよ〜。