軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

故郷を救う迫害された者

俺と冒険者パーティー『クリムゾンダンス』のメンバーは、地域特有の風土病『クラウチダウン』の特効薬を持って商売をした。まずは薬の原料になるホーンディアが狩れないと思われる……戦力が乏しいと予想出来た、故郷の周辺の村を訪れた。

やはり、蔓延しつつある状況になっていて、俺は商売がてら、次々と特効薬を売り捌く。

そして、故郷以外の村を訪れ終わったときには、特効薬も残りも少なくなっていた。

久しぶりに訪れた故郷は何故か、ゴーストタウンのように家も道も畑も荒れ放題。

今は温かい季節、雑草も元気に育つ時期。

だからか畑を少し放置するだけで、すぐに草だらけになり……今回の収穫は期待出来そうにない。

あー、残念だね〜。

扉が閉められた家々の中からは、うめき声や咳き込む音などが聞こえる。ちなみに『クリムゾンダンス』メンバーにはあらかじめ、特効薬を飲んで貰い予防をしているよ。

一通り見て回ったが……今の所、元気な村人は見てない。

あの詐欺師『よろず屋』をコッソリと遠くから見たが……よろず屋のオヤジは大丈夫そうだな。

まあ、あそこには特効薬があるはずだからな。

とりあえずは村長の所かな。『よろず屋』とは取引きしたくないしな。

村長の所へ行くと、入り口から入る前に……怒鳴り声が聞こえて来る。

アハハ、予想出来る展開に思わず笑ってしまうな。

「ちわ〜、三河屋で〜す」

フフフッ、お約束ってヤツだね。でも、なんかやりたくなるよね。

「誰だ? ふざけおって……なんだ、無能か。何の用だ、今は忙しいから貴様なんかに、構っている暇はないぞ」

おやおや、俺はアナタの尻軽娘さんの、元婚約者ですよ〜。しかも、今日は幸せをお届けに来たのに……

「アハハ、村が全滅しかかっている状況に、してしまった村長様。俺にはアナタの方が、無能に見えますけどね……」

「なんだと、貴様」

それしか言えんのか? まぁ、いいや。

「んで、どうしたんだ無能? こんなになるまで放置して……」

「……クソッ、ホーンディアの姿が無いんだ。全然、取れないんだよ」

あ〜、そうだろうな。でも遠くまで行けば、ホーンディアもいるだろう? なんとなく予想はできるけどな……

「ホーンディアは少し遠くに行っても、狩れるだろうに……アイツらならホーンディア位、狩れるんじゃないのか?」

「………………アイツらは小屋に引き篭もってる」

やっぱり。バカだ、バカだと思っていたけどな。自分達を甘やかしてくれる村を見捨てたな。

そしてヤッてる事は……ヤッてるだけ。

「そう、分かった。んじゃあ、頑張ってくれ」

村長にもう用はないとばかりに手を振って、村長宅から出ようとする。

ちなみに村長の娘である俺の元婚約者様。

回復魔法師が使える魔法では、病気である風土病には効果がない。もう少し上位の回復魔法が使えないと、病気には効果が薄い。要するに役立たず。

さて、自宅を見て回ろうかな……俺の自宅でも、風土病で倒れて無かった。クソオヤジも妖怪ババアもな。残念だね。

まぁ、村の有力者だから特効薬が優先的に、回って来るんだろうな。

でもね……農奴が何故か元気なんだよね。

それも勇者ランドルフの親とその取り巻き。

フフフッ、その選択はアウトだよ、村長さん。

よ〜く、耳を澄ませて聞いてご覧よ。聞こえないかい? 破滅の足音が……すぐそこまで。

だから、俺はそっと背中を押してやるのさ。破滅さんの背中を……ようこそ、いらっしゃいってね。

俺は迫害されていた故郷を、救う事に決めていた……金を毟り取り、故郷を潰す為に。

まずは考えてみて欲しい。村長やウチの親なんかは村の有力者だ。

優先的に、特効薬が回されても可笑しくはない。

しかし、農奴であるランドルフの親や取り巻きは普段は仲が良いといっても、やはり奴隷なんだよ。

それを優遇してしまった。普通の村人を放置して……しかも畑はほぼ全滅状態に。

それでも勇者達がホーンディアを、狩って来るなら話は別だが……小屋に籠もって交尾している。

今は風土病で苦しんでいるだろうけど、風土病から治ってからは? 今の畑の状況は、取り返しがつかないだろうしね。

アハハ、俺にとっては思わぬ追い風に、踊り出しそうだ。勇者君がバカなおかげで……

さて、やる事は一つ。まずは……特効薬を回して貰えなかった家の中でも、発言権が強い所を選んで特効薬で回復させるよ。

ウチ程ではないが農業のまとめ役の家を、数軒選んで回復させた。泣きながらお礼を言われた。当然じゃん、金よこせよ。

だから俺は破滅と書かれたボタンを『ポチッ』と押してやるのさ……この魔法の言葉でね、

「無事に回復出来て良かった。俺がホーンディアを狩って、特効薬を持ってきたんだ。まさか、あの勇者達がいるのに、こんな状況になるなんて……あの小屋で今だに交尾してるだけのヤツに、特効薬を渡したりする村長も同罪だろうな。おかげで畑も全滅で今年はもう、無理かもな。村の為にならない勇者って……」

フフフッ、まとめ役達は俺の話を聞いて、だんだんと顔の色が変わり……目が血走ってきている。

お〜、こわ〜。

ドンドン煽らないとね。

「勇者達は普段からエバってるのだから、こんな時に村の役に立たないと。若い女達ばかりにかまけて。勇者親達は関係ないのに、特効薬を回されてるみたいだし……奴隷なのに。本当ならここにいる貴方達が無事だったら、畑なんかは大丈夫だったはず」

逆上したまとめ役達は例の小屋を強襲……勇者君はフルチンでフルボッコ。いいぞ、もっとやれ〜。

女達も女性まとめ役にビンタされてた。

ん〜、良いことした後は気持ち良いな〜。