軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第084話 巨乳は罪

昨日も沖田君が勧められたが、やはりクーナー遺跡の次はミレイユ街道らしい。

「まあ、そんなところかもね。ちなみにだけど、冒険者の民度はどう?」

「声はかけられるかもしれないが、クーナー遺跡ほどじゃない。ミレイユ街道は中級の冒険者が行くところだし、クーナー遺跡ほど人は多くない。それに中級くらいになると、パーティーが固まるから勧誘も多くないと思う。逆に上級になると、なりふり構わなくなるから勧誘が増える」

初心者はまずパーティーメンバーを探す。

中級者は集まったメンバーで活動する。

上級者はパーティーメンバーの取捨選択か。

俺、この王道を進んだら捨てられそう……

魔法が使えないヤツはいらないって言われるかも……

「なるほどねー。じゃあ、そこにしようかな……」

「一緒に行くか? 週末に沖田君と行くんだが」

俺がその沖田君なんだから行けるわけねーじゃん。

「ナナカさんが大学に行ってるから無理ね。学業優先」

絶対にまともに授業を受けてないだろうし、勉強もしてないだろうけどね。

「そうか……まあ、機会があったら行こう。女性冒険者なら歓迎だ」

マジでなんで沖田君を誘ったんだろ?

聞いてみよ。

「ねえ、さっき、沖田君と冒険に行くって言ってたけど、彼、男性よね? いいの?」

「別に男性がダメというわけではない。たまにだが、同じギルドに所属している男性冒険者と冒険にいくこともあるしな。単純に気になっただけだ。あれは只者ではない」

ふふん!

「そうなの?」

「剣術の腕がおかしい。なんであんなに実力があるのにルーキーなんだって思ってる。君も何かを感じなかったか?」

と言われても自分だからわからない。

「朝倉さんが好きよね」

「まあ、そうだろうな。付き合っている…………いや、付き合ってないんだったか? よくわからんが、一緒に住んでるらしいし、そうなんだろう」

付き合ってるよー。

俺の中では。

「ふーん、よくわからないけど、まあいいわ。そろそろ取引と行きましょう」

俺もようやくチーズハンバーグセットを食べ終えたので本題に入る。

「ああ、まずはこれだ。現金だから数えるのは大変だろうが、4250万ある」

ヨシノさんはそう言って、手提げカバンを渡してきた。

俺はカバンを受け取ると、カバンを開け、中身を見る。

カバンの中には100万円の束が大量に入っていた。

「あなたのことだから4200万しかなかったりして」

「そんなことはせん。数えてみろ」

「面倒だからいいわ」

俺は金が入ったカバンを自分のカバンに入れると、そのままアイテム袋となっているカバンを取り出す。

「はい、これが100キロのやつ。言われた通り、肩にかけるタイプにしたわ」

俺はカバンをヨシノさんに渡した。

どうでもいいけど、薬の取引みたいだわ。

「確かに……また何かあったら頼む」

「まいど。じゃあ、帰りましょうか」

「送っていこうか? 私は車で来たんだが」

いいなー。

「いえ、ギルドに寄ってから帰るわ。冒険はしないけど、あなたの従姉と話してから帰る」

「サツキ姉さんか…………」

めっちゃ気にしてるし。

「良く言っておいてあげるわよ」

「頼む」

俺は立ち上がると、伝票を取り、レジに向かった。

ヨシノさんは絶対に出さないだろうが、ついてくる。

レジには女の子をつれた母親らしき人が先に会計をしていたため、並んで待つことにした。

すると、お母さんの横にいる女の子が俺をじーっと見てきた。

俺がその子を見下ろしていると、女の子は俺のコートを掴んでくる。

「なーに?」

「お姉ちゃん、テレビに出てた人」

女の子が俺のコートを掴んで引っ張ってきた。

すると、レジで会計をしていたお母さんが娘の行動に気付き、振り向いてくる。

「アカリ! やめなさい! …………ウチの子がすみません」

お母さんは女の子の手を引きはがし、謝ってきた。

「いーえ」

別に気にしない。

これが成人男性だったら事案ものだけど、子供のすることだ。

俺は子供が好きなので、問題ない。

なお、ロリコンという意味ではない。

「ママ、テレビに出てたかっこいい人!」

女の子は俺に向かって指差してくる。

「やめなさい! 人様に指を向けてはいけません」

お母さんは女の子を怒るが、仕方がないだろう。

だって、かっこいいんだもん。

「ふふふ」

俺はカバンの中からいつも持ち歩いているサイン色紙とマジックを取り出すと、ささっとアカリちゃんへと書き、サインする。

「あげる」

俺は女の子にサイン色紙を渡す。

「何これ? ミミズ?」

サインを知らんのかい……

「君って、いつもそんなものを持ち歩いているのかい?」

後ろにいるヨシノさんが前に出てきて聞いてきた。

「あなただって、サインくらい書けるでしょ」

人気者のAランクなんだし。

「まあ…………」

ほれ見ろ。

「ママー、パパが好きなおっぱいの大きい人ー!」

「……………………」

女の子が前に出てきたヨシノさんを指差し、とんでもないことを言うと、申し訳なさそうな顔をしていたお母さんの顔が能面になった。

お母さんの胸部は残念ながら平坦なのだ。

気まずい…………

多分、この子の家は今日、大嵐だろうなー……

あ、ヨシノさんが何も言わずに帰った!

待て! 逃げるな!

こんなところに俺を置いていくんじゃねーよ!