軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第493話 村の紹介

天使族との話し合いを終えた翌日。

私たちはヤトさんに送ってもらい、村へと戻ってきた。

ハラリエルさんたちは羽があることもあり、送らなくていいと言ってきたのだが、前回のクリカラさんのときと同じく二度手間になってしまうことも考え、無理やり一緒に来てもらった。

その結果として……。

「うげぇ……! いくらなんでも荒すぎるだろ!」

「気分が悪いですね。平然としていられるのが理解できません」

「遅くても、自分たちで飛んできた方が良かった」

三人ともげっそりとしており、文句をたらたらと漏らしている状態。

ヴェレスは平然としているため、同じ天使族でも耐性に差があるのかもしれないな。

「ぬっはっは! わらわは速いのじゃ!」

「速いというか、荒すぎる! なんで障害物のない空なのに、あんなに上下左右にくねくねするんだよ!」

「ん? 楽しいからかのう?」

可愛らしくそう言ったヤトさんの発言を受け、私も初めて、ただの気分で荒い飛行をしていたのだと知った。

確かに、ただまっすぐ飛んでいるだけでは物足りなさそうな性格をしているもんね。

ヤトさんがもし人間として地球に生まれていたなら、下校中に色々なところへ寄り道するような少女だったに違いない。

「送ってくれてありがとうございました。ヤトさんはこれからどうしますか? すぐには帰りませんよね?」

「もちろん帰らないのじゃ! 今日は遊んで、明後日くらいに帰るつもりなのじゃ!」

うぷぷと楽しそうに笑っているヤトさんが娯楽室へ向かうのを見送ってから、私は三人の住む場所を探すことにした。

空いている家があるのは、獣人族が暮らしている場所か、『サトゥーイン』の近くのダークエルフ族が暮らしている場所の二か所。

何をして働いてもらうかによって、どちらで暮らしてもらうかを決めようとは思っている。

戦闘能力が高そうだし、クロウと一緒に見張りでもいいんだけど……この辺りは平和だからね。

「それでは気を取り直して、ハラリエルさん、ヴァルステラさん、ナハスさん、よろしくお願いします。明後日あたりから働いてもらうつもりなのですが、三人の得意分野などがあれば、教えてもらえると幸いです」

「俺は戦うことだ。天使の中でも、俺に勝てるのは数少ないからな」

「ナハスと同じく」

「私は頭を使うことが得意ですね。読み書き、計算もできます」

ナハスさんとヴァルステラさんは肉体労働、ハラリエルさんは頭を使う仕事が得意ということか。

読み書きと計算ができるのは意外と大きく、ダークエルフ族の方々の大半は計算ができないからね。

いきなり別々に働いてもらうのはどうかとも思うものの、ナハスさんとヴァルステラさんは畑仕事。

ハラリエルさんは『サトゥーイン』で働いてもらうのがいいかもしれない。

「働いてもらうところを決めました。ちなみに別々に暮らすか、一緒の場所で暮らすか。どちらがいいという希望はありますか?」

「どちらでも構わねぇ。何にせよ一人部屋がいいな」

「私もどちらでも構いません」

「俺はハラリエルさんとならどこでも構わんぞ」

「うーん……。ハラリエルさんとヴァルステラさんに働いてもらう場所が遠いんですよね。どちらかの移動距離が長くなるんですが、大丈夫ですか?」

「なら、俺が遠くて構わない」

そういうことであれば、ハラリエルさんとヴァルステラさんは『サトゥーイン』近く。

ナハスさんは獣人族の家の近くに住んでもらおうかな。

「分かりました。まずはナハスさんの家から案内します」

「ん? 家を貸してくれるのかよ」

「余っているので、自由に使ってください。ただ、近くに他の種族の方も住んでいますので、くれぐれも仲良くしてくださいね」

しっかりと忠告をしてから、天使族の三人をナハスさんの住む家へと案内する。

羽と天使の輪っかがあるということもあり、農作業をしているみんなの注目を集めているけど、紹介は歓迎会を兼ねた食事会のときに行うつもり。

「随分と広い畑ですね。佐藤さんの村は農業がメインなのですか?」

「メインは農業ですね。異世界の食材も育てているんですよ」

「あの美味かったやつか! また食べてぇな……」

「……じゅる。俺もよだれが出た」

昨日のパンケーキを思い出したのか、ぼうっとした表情をしている三人。

今日は甘いものではなく、うまいものを振る舞うつもりなので、三人の反応は非常に楽しみ。

「ですので、ナハスさんとヴァルステラさんには畑で働いてもらうことになります。仕事内容についてはしっかり教えますし、お給料も支払いますので、安心して働いてください」

「なんだ、護衛じゃねぇのか」

「ここは安全な場所ですからね。天使族の方々が攻め込んできたりしない限りは、護衛は必要ありませんから。……と、話をしていたら着きました。あそこがナハスさんの家になります」

「うおおおおお! 思っていたよりも何倍もしっかりしてるじゃねぇか」

ナハスさんは飛び跳ねると、一目散に家の中へと入っていった。

シッドさんが簡単に建ててくれた家なんだけど、気に入ってくれたみたいで一安心。