軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第455話 女性のみのパーティ

【超越する愛】の皆さんとは、すぐにアポイントメントが取れるようで、1時間後に喫茶店で会うことになっている。

有名冒険者かつ、女性のみで構成された冒険者パーティとのことだし、変なことを言わないように気をつけないといけない。

最低限の身だしなみを整えてから、私は指定された喫茶店へと向かった。

サムさん行きつけのカフェに比べると、幾分か落ち着いているお店。

20分前に到着したこともあり、それらしき人は見当たらない。

私は先に飲み物を注文し、お店の中で待たせてもらうことにした。

そして、喫茶店内で待つこと20分。

予定の時間となったところで、慌てた様子でやってきた2人組の女性が目に止まる。

冒険者っぽい格好はしておらず、普通の女性らしい服装ではあったものの、雰囲気からこの2人組が【超越する愛】のメンバーであることを察した。

古傷の多さや筋肉のつき方からしても、間違いないと思う。

「はじめまして。【超越する愛】の方々でしょうか?」

「へ? もしかして、あなたが変な依頼の依頼主?」

「はい、そうです。今回は依頼を引き受けてくださり、ありがとうございました」

「報酬的にもおいしいし、引き受けない選択なんか無かったからね! むしろ、依頼してくれてありがとうって感じ!」

「というよりも、私たちが【超越する愛】ってことがよく分かったわね。この格好だと意外と気づかれないのよ。もしかして……熱烈なファンだったりするの?」

ファンだから変な依頼をしてきたと思われているのだろうか?

「いえ、雰囲気で分かったんです。戦う方の古傷とかもありましたからね」

「傷を見て、私たちが【超越する愛】って気づいたの? なんか……恥ずかしい!」

「恥ずかしいことなんかないですよ。かっこいいですし、強さの証みたいなものですからね」

「じゃあ、ファンじゃないのにこんな変な依頼してきたってこと? どちらにせよ、相当変わっているわね」

結局、変わっている人認定はされてしまったものの、痛いファンではないということは分かってもらえたのは良かった。

「変わった依頼で申し訳ありません。まずは自己紹介からさせていただきます。私は佐藤と申します。よろしくお願いします」

「さ、佐藤? 名前まで変わってるのね。私はエクレールよ」

「私はセオドラ! 佐藤さん、よろしくね!」

エクレールさんはスラッとした赤紫っぽい髪色のお姉さん系の美人な方で、セオドラさんは金髪ショートヘアの可愛い系の方。

2人とも冒険者とは思えないビジュアルをしているし、人気があるのも頷ける。

「エクレールさん、セオドラさん、よろしくお願いします。早速ですが、依頼についての説明をしてもよろしいでしょうか?」

「あー、ちょっと待って。注文だけさせてほしい」

「急かす形で申し訳ありません。ここは私のおごりですので、好きなものを頼んでください」

「えっ!? 何でもいいの?」

「はい。もちろんです」

「やったー! じゃあハニーライトとホットサンド。それから紅茶と果物の盛り合わせにしようかな!」

「セオドラ、食べられる分だけにしなさいよ」

エクレールさんに釘を刺されていたものの、本当に全て注文したセオドラさん。

日本ではこういう場面では遠慮する人が大半だったこともあり、あまり慣れないものの……遠慮なく注文されることは決して悪い気分ではない。

まぁお金に余裕があるから思えることかもしれないけどね。

「注文したものが揃いましたね。それでは説明いたしますので、食べながら聞いてください」

注文したものがテーブルに並べられ、セオドラさんのみならずエクレールさんもモグモグと食べている。

食べ終わってからでもいいと思ったんだけど、この量を食べ終わるのを待つとなると、凄い時間がかかりそうなため、食べながら聞いてもらう。

「軽くは説明を受けていると思いますが、【超越する愛】の皆さんには、私が売っている本の宣伝をしてもらいたいのです」

「うん。軽い説明は受付嬢から受けた。けど、私たちは本なんか読んだことないけど大丈夫なの?」

「はい。こちらが本の表紙になるのですが、こちらの表紙を見えるところに身につけてもらいたいんです」

「それだけでいいの? 例えばだけど、鞄からはみ出すように見せるとか?」

「十分ですね。外から見える位置に身につけていただけたら十分です」

私はそんな説明をしながら、持ってきた漫画を2人に見せる。

イラストが全面的に押し出された本は珍しいようで、エクレールさんもセオドラさんも釘付けになって見てくれている。

「なんか絵みたいな本なのね。佐藤さんが書いた本なの?」

「いえ、私の友人が書いた本になります。中も全て絵で描かれているんですよ」

「全部、絵で描かれてる本!? めちゃくちゃ大変じゃん!」

「どれだけの時間をかけて作ったのよ。ちょっと読んでみてもいい?」

「もちろんです。ちょっととは言わず、気になったのなら全部読んでください」

プロモーションしてもらうのだから、できるなら【超越する愛】の皆さんにも読んでもらいたいところ。

漫画は本を読んだことない人にも面白いと思ってもらえるだろうし、きっと2人もハマってくれるはずだ。