軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第454話 あだ名

その後は、私はレティシアさんと一緒にチラシ配りを行い、シーラさんとベルベットさんは『ニールマート』に残って販売のお手伝い。

初日の成果としては、150冊ほどと上々の売上だった。

露店での売上が大きかったが、ちゃんと『ニールマート』でも売れたのは良かった。

とはいえ、目標は全世界での大ヒットのため、ここで満足してはいられない。

夏の作物を育て始める日までに軌道に乗せるべく、王都に宿を取って漫画を売ることに専念することにした。

2日目以降の動きとしては、『ニールマート』の知名度を上げる作戦を決行。

漫画を売っていることを全面的にアピールしつつ、ベルベットさん作のド派手な看板も設置。

店主からは苦言を呈されたものの、クリスさんからの伝言ということで、レティシアさんが一蹴してくれた。

正直、自分のお店をめちゃくちゃにされているわけだし、可哀想とは思ってしまう部分もあるけど……売るためには仕方がない。

その分、『ニールマート』への貢献も行うため、店内の清掃も完璧に行った。

そのおかげもあってか、徐々に客足も増えていき、売上も日毎に伸びている。

地道なものではあるけど、目に見えて成果が分かるのは非常に面白い。

そして今日は、数日ぶりの冒険者ギルドへ来訪する。

受付嬢さんが良い人選をしてくれていることを祈り、総合受付へと足を伸ばした。

「いらっしゃいませ。本日はどのようなご要件でしょうか?」

いつもの定型文での挨拶。

記憶が正しければ、この受付嬢さんに対応してもらったため、要件を伝えれば分かってもらえるはず。

「あの……数日前に、本のプロモーションのお願いをした者なんですが、どうなっているかの確認ってできますか?」

「あっ! 宣伝おじ――じゃない! 宣伝のご依頼をしてくれた方ですね。進展がありましたので、少々お待ちください」

本のことを伝えた瞬間、思い出してくれたようでバックヤードへと消えていった受付嬢さん。

それにしても……宣伝おじさんと言いかけていたよね?

変わった客にはあだ名がつけられるという文化は日本にもあったが、どうやら異世界にもあるようだ。

そして、私は変わった客認定されている様子。

「お待たせしました。こちらが私からお声がけした冒険者パーティになります。ご確認いただき、気に入ったパーティがありましたら仰ってください」

「複数の冒険者パーティにお声がけしてくださったんですか。ご丁寧にありがとうございます」

私は冒険者パーティの情報が書かれた紙を受け取り、1枚ずつ確認していく。

1枚目はこの間も話していた、女性のみで構成された【超越する愛】。

プロフィールを見る限りは、真面目に冒険者をやっているみたいで好印象。

2枚目に書かれていたパーティも、前回紹介してもらった【ドランクバンク】。

獣人族のみで構成されており、獣人族を集めた施設も経営しているみたい。

3枚目に紹介されていたのは、【グラジオラス】という冒険者パーティ。

元英雄の子孫で構成されているパーティみたいで、強くはないけど根強いファンが多いみたい。

二世スポーツ選手みたいな立ち位置なのかもしれない。

そして最後の紙に紹介されていたのは、【インペリアルハザード】という帝国の皇女様のパーティ。

活動は不定期ながらも、帝国の皇女様が冒険者として動いているみたい。

冒険者ランクもBランクだし、ちゃんとランクが高い。

まぁパーティメンバーが帝国騎士の方々のようだし、キャリーされているという可能性も高そうではある。

「どうですか? 気になった冒険者パーティはおりましたか?」

「そうですね……前回も紹介してくださったパーティは気になりました。ちなみにですが、複数パーティにお願いするのはアリなのでしょうか?」

「もちろんです。その分、依頼料はかかってしまいますが、制限はございません」

依頼料次第にはなるけど、全パーティにお願いしてもいいくらい。

帝国の皇女様だけは、ベルベットさんと知り合いの可能性とかもあるだろうし、慎重にお願いしたいとは思っているけどね。

「そうなんですね。でしたら、複数パーティにお願いすることを検討しつつ、依頼料について教えてもらってもいいでしょうか?」

「かしこまりました。まず【超越する愛】は、1ヶ月のプロモーションで金貨5枚とのことです。【ドランクバンク】は金貨3枚。『グラジオラス』はちょっとお高くなって白金貨1枚。『インペリアルハザード』はかなり高く、白金貨2枚で引き受けてくれるとのことでした」

気になっていた2つのパーティは、かなり良心的な依頼料。

1ヶ月プロモーションしてくれて、日本円で約50000円なら頼む価値は大いにある。

【グラジオラス】と【インペリアルハザード】はちょっと高いかもしれない。

まぁそれでも、広告費として考えていた額は下回っているし、お願いしちゃってもいいんだけどね。

とりあえず2つのパーティは即決でお願いし、残りの2つのパーティは相談して決めるでいいかな。

プロモーションの成果を見てから、改めて依頼するとかでもいいわけだしね。

ということで、私はこの2つの冒険者パーティに漫画のプロモーションの依頼を出すことに決めた。

実際に漫画を渡すのはもちろん、プロモーションの仕方を伝えるため一度会いに行かなくてはならないらしく、少し緊張してくる。