軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第619話

次に休みを入れる日はラパンで騎乗訓練でもしようかな……。多分、二の週の五の日か十の日だろう。それより後は年末年始の準備でバタバタになりそう。

そしてミケヲさんがモンキー乗りてラパンを乗りこなしているのに触発されたのか、他の【 運魔(ウマ) 】達も後について走り始めた。

ムキュウ ムキュウ〜ン

(「くるくる ちてる〜」)

もしもアンディーにフィギュアスケートやプロレスのジャイアントスイングを見せたら、どんな反応を見せてくれるんだろう。

乗馬を楽しんだミケヲさんが戻ってきた。

「凄いですね。ボクもあそこまで乗りこなせる様になると思います?」

「スキル的に猫獣人専用だから、ミーシャには無理だと思うよ」

「従名誉猫獣人でも無理ですか?」

「三半規管を鍛えても生えないと思うよ」

むう、残念。まぁ、『 襷着る(タスキル) 』を覚えればいいだけだからなっ。べっ、別に羨ましくないんだからねっっ。

「それでだね、吾輩は帰りついでにダイモーン氏を送っていく事になった訳だが、ミーシャも来るかね?」

「えっ? どういう意味ですか?」

「いや、ミーシャも妖精界を “ 渡る ” 能力はある訳で、何なら小旅行をしてみるかね? という打診だ」

『 穴開き(アナーキー) 虚空(スカイ) 渡り(ウォーカー) 』

それが妖精界を“ 渡る ” 能力の名前だった。何だか中二臭くてカッコいいな。

「小旅行ですか? でも、アンディー達を連れて行けないならご遠慮したいところです」

「えっ? それって従魔コミコミなら行くって事?」

「ええっ???」

ヤバい、これって言質を取られたってやつじゃないか。

「吾輩、ダイモーン氏に確認してくる」

うわぁぁぁ、やっちまったぜ俺!! 確かに先日のキノコ事件の時はアンディー達も転移していた訳で。

「℃## ∀%% √!!」

「うむ、危険であるのか」

「Ψχ ∃!!」

「今現在、 小羽妖精(ポゥ・リース) 族は異界より干渉してくる毒竜族と戦闘を繰り返しており、ダイモーン氏の赴任している地区は若干危険地帯に近いらしくてね。ドワーフは近付かない方がいいかもしれないと言う事だそうだよ」

「そうなんですね」

(日)「と言うのは建前で、場所を変えたら連れて行ってもいいそうだよ」

ナンダッテー!! そこで日本語でコソッと教えてくるのが何ともイヤラシイんだけど。馬車組合の人に聞かれてもいい様にワザと日本語を使ってきたか。

「無理なものは仕方ないですからね。小旅行は け(・) っ(・) こ(・) う(・) で(・) す(・) 」

日本語で 肯定(イエス) or 否定(ノー) 、どっちなんだい? な表現 “ けっこうです ” 。ドワーフ語だと否定語にあたるけど、今回は、さて、どっちに転ぶ?

「そうかそうか、仕方ないなぁ。吾輩に任せておくがいいぞ」

あっ、肯定と取ったか? ミケヲさんはミケヲさんでこれまた曖昧な返しをしてきたし。この狸オヤジめ……いや、猫か。

◇◇◇◇◇

「それでは吾輩とダイモーン氏は商業ギルドから妖精界に向かうとするよ」

「商業ギルドですか? 馬車組合からでも構いませんが」

「いや、ダイモーン氏が【 魔増(マゾ) 草クッキー】を土産にしたいらしくてね。量なら 商業ギルド(あそこ) が一番だ。ついでに帰れる」

「そう言う事でしたら。ダイモーン様もお気を付けてお帰り下さい。ニキ様、シキ様に宜しくお伝え下さい」

「%%!!」

「後日、ラパンで騎乗訓練をさせて下さい。後、遅くなりましたが差し入れの野菜です」

「ありがとうございます。フィオナ様にも宜しくお伝え下さい」

「はい。フィオナお義祖母さまにその旨お伝えしておきます」

◇◇◇◇◇

「そうか、ミーシャ君も馬車ギルドの関係者の片棒を担いでいた訳だね」

「 三毛皇(みけおう) 閣下、人聞きの悪い表現は如何なものかと……」

「確かに。まさか、名誉猫獣人パイク=ラックの妻がポーター氏族の出だったとは」

「知らなかったんですか?」

「聞いたかもしれないけど忘れたのよ」

「確かにフィオナお義祖母さまは出身氏族をひけらかす方ではありませんけどね」

商業ギルドに向かって歩いて行く。俺が同席しているからギルド内転送が出来なかったからだともいう。因みに、ミケヲさんだけでなく配送便スタッフはどの転送陣を使っても移動が可能。そして肝心のミケヲさんは配送便スタッフではないので誰かを連れての同伴転送が出来ないのだった。

「だって吾輩、配送業務はしないからね」

そう言われてしまうと身も蓋もない。免許の無い社長だと言われたらそこまでだ。

後は、機密にあたる転送陣は部外者に積極的に見せたくないというギルドの意向もあるんだろうし。

お偉いさんを護衛無しで外歩きさせて良いのかという件だけど、最悪ミケヲさんは影を伝って異空間に逃げ込めるスキルが有るから問題無いって説明された。俺の安全は全く保証されませんけど、何か。

今日のところはダイモーンさんが簡易結界を張ってくれているので敵襲があれば数秒前に分かるんだってさ。緊急敵襲予報ですか? 敵襲前に気持ちの悪い音が鳴るのだろうか。

「ところで先程、馬車組合の方がダイモーンさんに「ニキ様、シキ様に宜しく」って言ってましたけど誰なんです?」

「ニキ様、シキ様は妖精界で言うところの上様に相当する方だね」

「あっ、そうなんですね」

「ニキ様は灰色、シキ様は黒色の 猫妖精(ケットシー) 姿をしているって話。まぁ、人前に出てくる時は様々な姿を取るそうだけどね」

創造神的なポジションも妖精界は上様の管轄外って事なのか。そりゃそうだよな、国が違えば宗教だって変わる訳だし。それが俺の言語スキルも微妙に対応しきれてなかった理由に違いない。