軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第617話

ところで、ダイモンさんは妖精なの? 精霊なの?

仕方なく馬車組合に連れて行くとダイモンさんは丁重におもてなしされたよ。つまり種族的に妖精族だった。しかし馬車組合側でもダイモンさんとは会話出来ないのか……馬車ギルドや商業ギルドの本部なら対応出来るそうだけど、支部クラスだと無理だと言われた。ここ『スワロー』だとどちらも支部なので会話は無理なのか……。これはミケヲさん待ちだな。

チラ見するとダイモンさんは紅茶と【 魔増(マゾ) 草クッキー】と果物でおもてなしされていたので、さっきの俺の対応は間違っていなかったよ。【 魔増(マゾ) 草クッキー】をもう少し仕入れておかないと。

うーむ、もしかしなくとも【 魔増(マゾ) 草】って人外の好む食べ物って扱いなのだろうか。そのせいで俺も好奇の目で見られてる? まぁ、転生者もある意味では人外かもしれぬし。

ミケヲさん待ちの間に先月のワギュとラパンの収入を確認した。まぁ、税金や諸経費を差っ引いても餌代はクリア出来ているのでヨシッ。最近はタワシでやるブラッシングを体験してもらうのに馬体を貸しているらしい。タワシの売り込み業務に協力してるのか。暴れ馬でもタワシを使って正しく丁寧にブラッシングをしてあげると 頗(すこぶ) る大人しくなります。と言うブラッシング体験会の暴れ馬役かよ。それってヤラセ? いや、ラパンは結構暴れ馬だから適任よな。

のんびり【 運魔(ウマ) 】達を見ていたら一頭が体勢を低くした。座るというか寝るというか。そこからいきなり横に一回転。ポニーってローリングするの!? タワシが待てないほど背中が痒かったのか?

ムキュウ!! ムキュウ!!

(「おうまさん くるくる ちてるの!!」)

「【 運魔(ウマ) 】も回るんだ……」

ムキュウ キュウ

(「おうまさん くるくる あたちの なかま」)

ヤバい、アンディーが回転するポニーに食い付いた。横にローリングするポニーって俺も始めて見たけど、魔獣じゃない普通の馬もローリングするんだろうか?

それより普通、馬が回ると言えば回転木馬の方を連想するんだが。

あ……、ネズミの回し車、コウモリを回すグラス、回転木馬。これって巨大化させたら観覧車、ティーカップになるわ。回転木馬は最初からデカいが。遊園地のアトラクションかよ。

{ ―― グルグルするアトラクションと言えば回転バットをお忘れですよ ―― }

いや、それはアトラクションじゃないですから!!

コッピョコッピョ

(「ポニーっておおきいね。ぼく、たべられちゃうの?」)

「ポニーは草が好きだから、コカちゃんは食べられないから安心してね」

コッピョ〜

(「よかった〜」)

何でも食べるというか、意外と悪食なのはカトリーヌです。

「おお、待たせたね」

馬車組合の奥の方からミケヲさんが姿を現した。あそこに転送陣があるんだな。

「 三毛皇(みけおう) 閣下、お待ちしておりました」

「 三毛皇(みけおう) 様、タワシのブラッシング体験はいかがされますか? ワギュもラパンも馬体が空いている……と言うか、そこにいるミーシャの登録【 運魔(ウマ) 】ですから」

「折角だし体験しようかね。吾輩もタワシを掛けられてみたいね」

「【 運魔(ウマ) 】用ですと少し毛足の当たりがが硬いと思われますが」

うーん、視察ごっこかよ。そして猫獣人的にタワシでブラッシングは色んな意味で気になるんだな。

「私物の髭用タワシでよければお貸しできますよ」

「ではそれを貸してもらおうかね」

ちょい待て、いつの間に髭用タワシって出来てたの? ガルフ=トングさんはすっかりタワシ作りの匠かよ。ポニーの前に自身をブラッシングするミケヲさん。視察だから仕方ないな。

ヒヒーン

ブルルル

「こちらがワギュで、向こうがラパンか。宜しく頼むよ」

ブルルル…ブルッ

「吾輩、ミーシャのお兄ちゃんなんだよ」

ヒッ ヒヒーン!!

(「偉い人だか知らないけど、新参者には負けねえからな!!」)

「らっ、ラパン、落ち着いて!!」

「どれ、暴れ馬でもこのタワシでブラッシングすると……」

ブル……ルルッ

(「騙されない…ぞ。……んほぉ」)

凄えな、ラパンが一発で陥落したわ。獣人のブラッシングテクニック、侮りがたし。

ヒヒーン

(「ラパン、恥ずかしいよ」)

「 三毛皇(みけおう) 閣下は妖精語は堪能でしたか?」

「まぁ、話せなくはないがね。何故また?」

「迷子の妖精を保護しました。ただ言葉が分からず困っております」

「おやおや、それは大変だ」

(日)「ミーシャ君、通じなかったの?」

「はい、ボクは八百屋の裏手で妖精さんを見つけたんですけど…」

◇◇◇◇◇

ミケヲさんのスキル凄え!! 俺では通じなかった妖精語に対応出来てる。つまり、白い部屋でのスキル選択の指定の仕方が甘かったって事かよ。

「こちらの御仁は 小羽妖精(ポゥ・リース) 族のダイモーンさんだ。所属する妖精軍団の取りまとめ役をしているそうだ。抗争…いや 諍(いさか) いの仲介が済み、我々の世界を中継して移動途中に中継スポットをロストしたそうだ。それで何度かトライ&エラーをしていたら運良くミーシャに拾われたそうだ」

ミケヲさん、解説ありがとうございます。そして妖精さんはダイモンさんじゃなくてダイモーンさんだったのね。

小羽妖精(ポゥ・リース) 族はもの凄く小さい一組の羽が生えている種族だ。裸に剥かないと羽が生えているのが分からないレベルかよ。そして羽が生えているので宙に浮く系の妖精だ。

何とダイモーンさんは三大・ 小羽妖精(ポゥ・リース) 軍団の一つのリーダーだったよ。他二つはトゥードさん、クロッキーさんと言う名前のリーダーが統率する妖精軍団ね。妖精軍団、まぁクランみたいなものだな。そして妖精軍団、最前線で活躍するメンバーは結構殉職しているらしい。三大軍団の他にも小規模軍団は多々ある。最近はマリーさんと言う名前の女傑が活躍する軍団や、フールバッターさんと言う名前のソロで活躍する 小羽妖精(ポゥ・リース) が注目株なのだとか。

それより、リーダーでも迷子になるんだな……というのは無しで。