軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第589話

コッピョピョッピョーーォ

(「ヒゲママ、あさだよ〜」)

早寝のコカちゃんは朝が早い。まるで生きる目覚まし時計だ。身体が小さいからまだベットに上がってこれないけど、もう少し育ったらベットに乗って額や頬をコツコツ突いて起こしてくれそうだ。もしもコカちゃんがコカトリスだったら毎朝石化しちゃうやつだろ、これ。

プープ プープ

(「ご主人様、アタシもお腹すいたしー」)

いつになく早起きして気合の入ったカトリーヌ。今日は松茸狩り合コンみたいなモンだしな。アンディーはまだ寝ている。起こすにはまだ少し早い時間なので寝かせておこう。

「待ってて、今ご飯をあげるね」

コッピョ

(「ヒゲママ、ボサボサ〜」)

そう、起きて直ぐだからな。手だけ JSS(浄化清浄殺菌) トリプルコンボを掛けて餌を準備する。アンディーは最悪、移動中に背中でキャベツを齧ってもらえばいいのだ。

準備も整いコカちゃんも預けてきた。アンディーは俺の背中で野菜と野草クッキーを頬張る。

(「ボクの背中を預けられるのはアンディーだけだよ」)

そう念話で伝えたらすっかり機嫌も直りました。とは言え、今度はラパンに妬かれそうだけどな。

背中を預けると言えばアルチュールさんとガジェットだ。勇者だ英雄だとか言ってたし、あのコンビは勇者合体アルガジェットか? タイトルといい、日曜夕方のアニメっぽいぞ。サイズ的にはカトリーヌに騎乗出来そうだ。いや、カトリーヌは背中に乗せないとは思うけど。

そう言えば、部屋のドアにオロール先生からの伝言メモが貼ってあった。今夜はセンベロ酒場を飲み歩くので夕飯は自由にしてほしいとの事。それなりに気を使ってくれたよ。多分、松茸の事後処理でバタバタすると思われたな。

職校スタート組の点呼の後、揃って馬車組合へ向かう。引率する講師の説明では箱馬車に乗って養豚場を経由してから現場に向かうとの事。【手持ち豚】だけでなく何頭かの通常種の豚も連れて行くのだという。これはガチで商業ベースに乗せようとしてるな。

俺はワギュとラパンの二頭立てで引く馬車に乗ることになった。馬車組合の職員さんと御者ゴーレムが操縦してくれるので俺は馬車の中で座っていれば良かった。楽チンだね。養豚場で【手持ち豚】三頭と普通の豚二頭、養豚場勤務のテイマーさんが同乗してきたよ。

「初めまして。テイマーのイワン=ザールです。本日は宜しくお願いします」

「職校生のミーシャ=ニイトラックバーグです。テイマーではないのですが獣魔持ちです」

「先日、【手持ち豚】をお迎えされた方ですね」

「はい、そうです。こちらのカトリーヌを家族にしました」

プープ プープ

(「おひさ〜」)

「カトリーヌって名前を貰ったんですね」

プキィ

(「可愛いっしょ?」)

「お似合いですよ」

「あれ、イワン=ザールさんって獣魔達とお話出来るんですか?」

「それはテイマーですからね。ドワーフ同士で話す程度まで……とはいかないですが、ある程度の意思疎通は出来ますよ。そう言うミーシャ=ニイトラックバーグさんは?」

「ボクは魔道具を使えば何とか……」

「もしやアレを?」

「アレと言うのはアレの事ですか?」

「多分それだと思いますよ。カーヴェー・シリーズの……ですよね?」

テイマー業界ではお約束の様です。

「今、お持ちでしたらうちの子達と話されます? 持参してなければお貸ししますよ」

「貸していただけますか?」

いや、本当は『 次元収納(インベントリ) 』に隠してあります。その存在は隠しておきたいので有り難くレンタルします。

「ではこれを」

手渡されたのは俺のものとは違う形状の頭巾だった。これ、【聞き耳帽子】じゃないよね?

(鑑定)

【ピエトロ=パーネ帽】:牧神ピエトロの好む三角帽子。

牧神ピエトロは伝説の巨人カーヴェーの上司で大猿の姿をしている。陽気でお調子者のピエトロ神は人と獣の間を取り持つ。

うん、別物だ!!

「ボクの魔道具とは別みたいです」

「まぁ、ピエトロ・シリーズはレアですので。ピエトロ・シリーズですとテイマー系スキル無しでも家畜やペットとも会話出来ますからね。完全に上位互換です」

つまり、ここにいる普通の豚さんとも会話が出来ると!!

早速、赤い羽飾りの付いた緑色の三角帽子【ピエトロ=パーネ帽】を被ってみた。

ブーブー ブーブー

(「俺はタークだ。宜しくな」)

ブヒブヒ ブー

(「わたしはアーギィ。山に美味しいものがあるの?」)

「初めまして。ミーシャ=ニイトラックバーグです。【手持ち豚】のカトリーヌと契約しています」

プープ プープ

(「おはようだし〜」)

ブヒブヒ ブヒブヒ

(「あら、プリマのお嬢さんね。健康そうでなによりよ」)

プキィ プー

(「ご主人様の所は最高だし」)

タークとアギィはペアでした。タークは厳しい競争を勝ち抜いた繁殖用雄なので養豚場ではハーレム状態なんだって。

プー

(「ビッツ五号だ。宜しく」)

プー プー?

(「ビッツ十四号だよ。キノコって美味しいの?」)

プキィプキィ プ〜?

(「アグー八号です。今日も草食べます?」)

「皆んな宜しくね。【手持ち豚】さん達は番号呼びなんだね」

「施設内だと個体番号で管理していますので」

プープ プープ

(「ちなみにアタシはプリマ二十七号って呼ばれてたし〜」)

今日も草食べるって【手持ち豚】達が一斉に煙を吐いたあの時の事か!? そしてカトリーヌの昔の名前が判明したぞ。