軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第580話

「ごめんなさい、商業ギルドに行く前に、先にコカちゃんを迎えに行きたいです。それと【ホヤッキー】装備に取り付ける飾り石の相談もしたいんですけど……。そして【ホヤッキー】装備の依頼者がコカちゃんの両親、つまりコカコッコの成鳥の番です」

「あ〜、微妙に面倒くせぇのな」

「ラルフロ=レーン、商業ギルドに行くのは話を聞いてからでいいんじゃないか?」

「すみません、手短にいきます。まず【ホヤッキー】を出します」

「ミーシャは【ホヤッキー】職人になるのか? 魔導 鍍金(メッキ) 職人が必要だったら紹介するぞ」

リンド=バーグさん、そこは否定してください。そして魔導 鍍金(メッキ) 職人云々はとても気になります。素材にメッキ云々もお願いしたいけど、どちらかと言うとダイヤモンド 鑢(ヤスリ) への転用が目的です。

「いや、まだ決めてませんけど」

「そうなのか。それとは別にコカコッコが装備って事はスキルオフ研磨が必要な訳だが、この【ホヤッキー】はいい感じに研磨されてるぞ」

「あ、リンド=バーグは職業柄、魔力痕が見えるのか」

「まぁ、な」

「それで、この【ホヤッキー】ですが、コカコッコは人とは逆方向に装備してるんです。この根本側を上向きにして試着してました」

「ダンジョンに連れて行く時ならまだしも、コカコッコも鎧を渡してやれば普段から装備するものなんだな」

「彼ら的には非常食だそうですけど」

「アンディーちゃんは何か装備したいかな?」

ムキュウムキュウ

(「あたち いらない とぶの じゃま」)

「アンディーは不要だそうです」

「獣魔でも違うものなんだな。そしてコカコッコ自身が鎧に飾り石を付けて欲しいと言っている……と」

「はい、そうなんです」

「オシャレなのかワガママなのか」

そう。ホタテビキニを装備したい理由も、そこに飾り石を付けたい理由も、俺には全く分からないのですよ。

「それで、ミーシャが希望する鉱石は有るのか?」

「ボクとしては鳥にちなんだ石を取り付けようかと思っています」

「まぁ、コカコッコなら鉱石のなかに少しぐらい毒性を含む成分が有っても問題無いだろうけどな」

「それでも安全な方がいいだろうよ。あまりヤバいやつを着けてたら養鶏場側が持て余すぞ」

それは避けたい。毒石装備を誇らしげに見せ付けてくるコカコッコ……ちょっと嫌だ。

「流石に危険な石はボクも触りたくないです」

「だよなぁ」

「そこそこ安全なのは【 孔雀石(マラヒート) 】か【 翡翠(ヤーデ) 】か、【 鷹眼石(ファルクァウゲ) 】か……。手に入れやすいのはマラだな」

そこ、変な所で切らない!!

「【 孔雀石(マラヒート) 】だったら銅山に行けば掘ってこれるな」

「アリサを貸すか?」

「いや、掘りに行かなくて大丈夫です。普通に買いますよ」

「折角だし、掘ってこいや」

「嫌ですよ……」

ちょっと、何で急に採掘話に飛ぶの!! 鉱山に行きたがるのはドワーフの習性なの?

「まぁ、【 孔雀石(マラヒート) 】は普通に商業ギルドで買えるから安心してくれ。尤も、宝飾用じゃなくて素材としての扱いだけどな。あくまでも扱いは銅の原料だ」

「銅なら【 青天石(シェールブルー) 】もあるが、鳥と関係ねぇしな」

「鳥は空を飛ぶから関係ありそうだぞ」

「おい、リンド=バーグ、コカコッコは飛べねえぞ」

「その【 青天石(シェールブルー) 】も商業ギルドに置いてますか?」

「有る…な。【 孔雀石(マラヒート) 】ほど喜ばれないから価格は少し安いな」

銅系統で青い石って事か。って事はアズライトかターコイズ? でもマラカイトより安いんだよね。何にせよ、商業ギルドで現物を見て鑑定すれば何の石か分かるな。

「よし、養鶏場経由で商業ギルドに行くぞ」

「養鶏場ならボク一人で行けますよ」

「いやいや、ミーシャに逃げられたら困るだろ」

「逃げませんよ」

「お兄さんはカーン=エーツの困り顔が見たいんだよ!!」

「ラルフロ=レーンさん、悪趣味ですよ」

「折角出張しても、カノジョに会いに行く暇があらへんわ……、って嘆くカーン=エーツの顔を拝みたいんだよ」

なんだかなぁ……。でも、出張続きのカーン=エーツさんがそう都合良く商業ギルドに居るものなのか?

「でも、カーン=エーツさんって最近お忙しいみたいですけど、今から行って会えますかね?」

「あいつ、今日は居るぜ。明日の【タロール茸】の採取関係で戻ってきてる。厳密には緊急に呼び戻されたが正しい」

どうやら、バニーイベントに関係する出張続きのところを勇者の愛したキノコこと【タロール茸】のせいで呼び戻されたらしい。これ、バニーついでにスッポンポン鍋の売り込みをする羽目になるんじゃ。バニーイベントで仲良くなった相手とスッポンポン鍋を仲良く食べてウェーイって流れをプレゼンするんだな。【バサルトタートル】料理だけだと警戒されるけど、 “ 勇者の愛した料理 ” ってキャッチフレーズが付くと急に警戒心というかハードルが下がるんだよね、俺知ってる。

ウサ耳のカチューシャを着けて、辻占せんべいを引いて、盛り上がった所でスッポンポン鍋を食べ、【終わりかけ】を使ったアクセサリーを送る。カップルが成立したらムフフタイムに突入……。俺にしたらノリがクリスマスだとしか思えないんだけどな。きっとこれはヒト族には刺激的なイベントなんだろう。ハニーハントならぬバニーハントだな。

「しかしミーシャも転生者の 三毛皇(みけおう) 様と義兄妹になっちまったんだ、これからもっと厄介…いや愉快な発案が増えるんだろうぜ」

「えっ? 何で知ってるんです?」

「そりゃあ見えてるからな。って見せてるんじゃねぇのかよ!! おいミーシャ、隠すなら早く隠せ!!」

「ラルフロ=レーンさん、説明して下さい!!」

「あーもう、『 無礼(ぶれい) コール』に出ちまってるんだよ。てっきり見せ付けてぇのかと思っちまってたが。違うなら隠せ」

「隠すってどうやるんです?」

「『 無礼(ぶれい) コール』なら名前しか見せたくないとか、性別も許可するとか、年齢まで見せるとか、強く意識してやれば隠せる。鑑定阻害系のスキルがあるならそれも意識すれば開示部分は選べるからな。ほら、アレだよアレ、アレと同じ……」

「あの、アレって何ですか?」

「アレだよ。ほら、アレってーのは……『スキル・オーブ』よ。『スキル・オーブ』で情報を隠す時とやり方は一緒だ」

うっわー、俺やらかしてるし。今日一日、いや、オロール先生と養子関係になってから個人情報ダダ漏れで歩いてたのかよ……。ラルフロ=レーンさんに見られて知ったとは言え、比較的早く知れて良かった……んだよね、多分。