軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第572話

ミケヲさんの前世の娯楽の普及計画はまさかの麻雀だった。前世でも一応は知的スポーツ扱いだっけ? それにしてはアウトローなイメージが拭いきれないけどな。きっとザワザワする効果音が有名な作品や、任侠映画なんかのせいだろう。

「麻雀の普及、その時は協力します」

「悪いね。その時は異世界に合わせて牌の種類を考えないと駄目だろうな」

「流石に 萬子(マンズ) とかは微妙ですよね。 索子(ソウズ) は 剣(ソーズ) ですかね? でも何でまた麻雀を選んだんです?」

「吾輩、雀荘を開きたかったのよ。 雀荘(それ) を作れば奴等がやってくる」

「あ……そういう理由でしたか。野球じゃないんだ」

「吾輩、野球も好きだが両チーム合わせて十八人要るのはいささか……」

「まぁ麻雀なら最低二人いれば出来ますし……」

俺達はその時はまだ、次元収納を利用した亜空間殺法を封じ込める技を思い付いていなかった訳で。

「それはそうと松茸なんだが、あれマジで松茸だったね」

「ええ。前世でフランスでは豚にトリュフを探させる…ってあったじゃないですか。もしかしてカトリーヌも探せるんじゃないかと思ってチャレンジしてみたら、まさかの大収穫でした」

「あ、やっぱりそのネタだったか。ドングリを食べさせたりはしないの? 美味しい豚肉。イベリコ豚だっけ?」

「いや、カトリーヌは食用品種ではないので。多分ドングリは好きだと思いますけど」

「カトリーヌってあれ、どう見ても蚊遣豚だよね。それで蚊取りのカトリーヌ?」

「はい。そのまんまです。煙も吐くし可愛いですよ。話してみたらまさかギャルだったとは思いませんでしたけどね。不快害虫は追い払えるみたいなので、新居での活躍が楽しみですよ」

新居ではカトリーヌに害虫殲滅部隊長として活躍してもらうのだ。ガジェットはコウモリだけど虫退治では期待できないし。

そうだ、ミケヲさんの部屋が本当に転送陣でどうにかなるのか聞いておかないと。

「ミケヲさん、新居にミケヲさんの居場所をどうするかなんですけど……流石に玄関から入ってもらうわけにはいかない気がするんですけど」

「それはだね、転送陣を設置してもらえば何とかなるのだよ。吾輩は猫獣人の領地にある転送陣から商業ギルドもしくは馬車ギルドにある転送陣にワープしてくる。そこからミーシャ君の家のなかにある転送陣に再度ワープで入れば問題無い」

「三店方式……は違うな。どちらかと言えば六−四−三?」

「ミーシャ君、それだとダブルプレーだよ」

あ、思い出した。中継リレーだ。なんで六−四−三……、ショートが取ってセカンドに投げ、更にそこからファーストに投げてゲッツーのダブルプレーを思い出した? さっき、野球云々ってネタ振りしたからか?

「吾輩もそうだが、猫獣人でも黒猫種は配送便の関係で転送陣を使っての移動が常態化していてね。更に猫獣人のスキルの一つに『流体離脱』というものがある。空気に溶ける様に気配と姿を消すスキルでね。それがあれば転送陣が使えない場所でもコッソリと移動出来るのだよ」

流体離脱〜。猫は液体だって聞くけど、まさかスキルで液状化していたとは。そこに加えて『 暗黒(ダーク) 猫叉(ネコマター) 』のスキルで暗闇に紛れて活動も出来るのか。 盗賊(シーフ) 系スキルの『 可能影走(かのうえいそう) 』なんかも使えば影を渡って移動出来る。そう言えば前世のお笑いの掴みで 「親密、 餡蜜(あんみつ) 、ぼく隠密!!」 ってネタがあったな。

「つまり、転送陣で長距離移動をしつつ、『流体離脱』や『 暗黒(ダーク) 猫叉(ネコマター) 』なんかを駆使して上手いこと移動すると」

「そうそう。その気になったら配送便スタッフに偽装するから」

「そう言われると何とかなる気がしてきますね」

「念の為、地下室あたりに転送陣を置いてもらえれば。地下室はドワーフ建築だと割にあると聞いたけど?」

「地下室は作ります。地下室で寝ると気持ちいいんですよ。何というかこう、落ち着くんです」

「それはドワーフだからじゃないか? 吾輩は屋根裏部屋の方が心地よく眠れる」

「俺は屋根裏部屋も好きですよ。なので、地下室を作り、地上部は屋根裏部屋のある平屋にする予定です。そして曲家、前世日本の岩手県でしたっけ? 厩(うまや) と家屋がL字型に繋がった設計にしたいと思っています」

「ミーシャ君は馬持ちだっけ」

「はい。二頭います」

「ミーシャ君はテイマーじゃないんだよね?」

「はい。テイマーではないですね。何でこんな事になったのか、よく分かりませんけど」

「おや、吾輩の情報網では草のせいだと出ているが」

「あーっ!!」

そうだった、ワギュ達の前でアルファルファを食べたところから全てが始まってたんだ。

「吾輩も動物枠に入るのかね?」

「それはないと思いますけど」

謎の候補枠が消えていればミケヲさんは動物枠でした……ってオチがつくけど。いくらなんでも獣人は動物王国のメンバーにはならないと思うよ。

「後ですね、玉子焼きです。日本式のクルクル巻いていく玉子焼きなんですけど……」

「あれって日本式だったんだね。吾輩、松茸パーティーの時に知ったよ」

「前世では物心付いた時にはあの玉子焼きが当たり前に食卓に並んでましたからね」

「松茸の時は吾輩、玉子焼きを知らない振りをしたけどそれで良かったのかね?」

「助かりました。まさか 「インゴットだー!!」 って喜ばれるとは思いませんでしたけど。それもダマスカス製法の玉子焼きに認識されるとは」

「ドワーフと言うのは実に面白い生き物だね」

「興味の対象から外れると反応が薄かったですよ。温泉玉子は披露したけど外しました」

「ナンダッテー!! ミーシャ君、温泉玉子作ったの?」

「はい。一応、登録はしてもらいましたけど、凄く不評で泣きたくなりました」

食の好みの差は文化の違いだから仕方ないんだけどね。