作品タイトル不明
第570話
家族会議、終了。残った焼きそばパンはホーク=エーツさんに渡す用とミケヲさんの朝ご飯用に仕分けした。今夜はオロール先生の部屋での晩酌は止めておこう。
ムキュウ キュウ
(「ますたー あちた もじゃもじゃ たべるの」)
プー プキ〜ィ
(「アタシもアレ好きかも〜」)
もじゃもじゃなアレ、ブロッコリーの事だと思われる。レミ神から獣魔まで、皆んな大好きブロッコリー。煮て良し、焼いて良し、立てて良しと万能選手だ。流石、見た目からして森の力の代弁者だけはあるな。
疲れた……暫く大イベントは起きて欲しくないよ。もしかしてカーン=エーツさんって毎日こんな感じなのか? 何だか申し訳ない事をしている気がしてきたぞ。そして、やらなきゃいけない研磨が沢山ある。先に請けた仕事が終わってないのに仕事を増やす、悪循環だ。セルフブラック。取り敢えず年内は溜まった仕事を終わらせる事を目標にしよう。そして家の図面の作製を進める。家族が増えたからやり直しだ。原画さえ上げてしまえば後はプロに任せるだけ……なんだけど、どんな図面にするのが一番いいのかよく分からなくなってきた。
いや、ミケヲさんの部屋を無視したらそこまで難しくはないんだけど。
ムキュウ?
(「ますたー どちたの?」)
「ボク達の新しいお家の設計図を考えてたよ」
ムキュウ キュウ
(「みんなの おうち たのちみ」)
プーププー プー
(「アタシ、お散歩出来る広〜い部屋が欲しいし」)
コッピョ
(「ぼく、あかるいおうちがいいな」)
「ポニーのお部屋も作るよ」
ムキュウムキュウ
(「たのちみ たのちみ」)
母屋と繋がった 厩(うまや) があって、 厩(うまや) の後ろ側から裏口を通って母屋に入れる様にしたい。南部曲家をイメージしたつもりなのに、カーポートから住居に入れる前世日本の現代家屋になってないか?
曲家の形状はL字型だ。故に 厩(うまや) 側からでも母屋側からでも庭が見える。庭に【プルモニア】の挿し木の枝を植える。ここまでは確定。幸い、敷地のどこに【プルモニア】を植えても大丈夫だと検脈師側から正式に報告がきている。『スワロー』周辺には不安定な龍脈も危険な水脈も鉱脈も走っていないという事だな。大災害に繋がるリスクが少ないと言うのは良いことだ。
厩(うまや) から母屋に入る入り口と、地下室に下りる階段を作るか。地上部は平屋で屋根裏を作る。いっそ、地下二階とか……。ミケヲさんの意見も聞こう。オロール先生には夏は涼しく冬は暖かい部屋を用意する。後はお酒とお風呂があれば問題無いだろう。俺にとっても風呂は必需品だしな。きっとミケヲさんも好きだよね?
そうだ、テイマーの人達って獣魔と一緒にお風呂に入っているのだろうか? 俺、コカちゃんにアヒル隊長のポジションを任命したいんだよね。街の中なので露天風呂は断念する。でも、お風呂場の窓から【プルモニア】が見える様にはしたいなぁ。
今日のところは解散ということで。ミケヲさんは俺の新居に転移陣を設置すれば問題無いと言っていたけど本当に大丈夫なのだろうか? 商業ギルドの奥にも俺が知らないだけで機密が隠されているんだろうな。それに独自のスキルを組み合わせていて……とかなのかな?
あー疲れた。疲れた時は【 魔増(マゾ) 草(そう) 】だよ【 魔増(マゾ) 草(そう) 】。隠語で言ったら「 草(・) 有ります」だ。路地裏で後ろ手にした右手に運び屋がソッと握らせてくる。高品質でガッツとキマる 草(・) なのだ。
でも、生の【 魔増(マゾ) 草(そう) 】を一束、一気呵成に丸かじりする勇気はまだ無いので【 魔増(マゾ) 草(そう) 】クッキーで。どうせなら【 魔増(マゾ) 歪(ひず) むジュース】がいいんだけど寮の部屋には常備してないからなぁ。こんなことなら商業ギルドで無理を言って飲んでくればよかった。
あっ、緑茶チューハイってあるんだから抹茶味のお酒、つまり【 魔増(マゾ) 草(そう) 】味のカクテルを作ればよかった。そしてミケヲさんに飲ませればよかった……。まぁ家族なんだからいつでも試せるな。
茶室の前に報連相。アンディーが心配して取り乱したら困るからね。
(「アンディー聞こえる? アンディーにだけ念話でお話ししてるんだけど」)
(「きこえるの」)
(「ボク、この後に 三毛皇(みけおう) 閣下とお話しなきゃいけないんだ。 三毛皇(みけおう) 閣下のスキルを使ってお話しするんだけど、そのスキルを利用する時は少しだけ気絶しちゃうんだ。だからアンディーは心配しないで見守っていてね)」
(「わかたの まかせるの ねこみけをに よろちく」)
多分、茶室での談話は現実時間では小一時間程度だろう。終了したあとそのまま寝ちゃってもいいかな。あ、アンディーには帰還報告はするけど。どうせ早朝に目は覚めるんだ、準備は朝になってからでいいでしょ。
部屋着に着替えてベットに寝転がる。今日はカトリーヌもコカちゃんもベットに乗ってきた。アンディーも乗るから少し狭い。でもモフモフの魔力には勝てない。アンディーはモフモフでカトリーヌは細い絹の様に繊細な体毛がまるで高級シルクの絨毯の様で、触るとスベスベしている。ずっと撫でていたくなる極上の手触りだ。そしてコカちゃんはふかふかしている。アンディーが俺の上に覆い被さってくる。極上のミニ毛布かな? ああここは天国だ、モフモフ天国にちがいない。
眠い……寝るんじゃなくて待機状態をとらないといけないのに、三頭の体温と手触りとが俺を執拗に眠りに誘おうとしてくる。いかん、落ちそう。あ……、この中にカフェイン様は………いらっしゃいま…せん……。
「遅くなった。レッツパーティー、ウェルカム茶室」
あ……ミケ…ヲさん、………だ。