作品タイトル不明
第559話
アルチュールさんの飛行実験がトラブル無く終われて良かったけど、結果として【カミチスイコウモリ】が従魔になってしまった。残念無念。まぁアルチュールさんが喜んでくれたから許すか。
アルチュールさんにはガジェットに餌やりをする依頼を出しておいた。クルラホーンが他種族に赤ワインを飲ませる。背徳の行為に見えなくもないな。ある意味、イジメっぽい。ちゃんとアルチュールさんの赤ワインも渡しているので仲良く宅飲み扱いって事で。そこでお互いが仲良くなって意思疎通が出来る様になれば御の字だ。まぁ、相棒・アニキと呼び合ってるから仲は悪くはないとは思うよ。少なくともアンディーとガジェットと比べたら全員仲良しだ。
夕飯後にオロール先生と飲んでなぁなぁで流される前に養子縁組を確定させた。書類にサイン一つで即OKではなかった。サイン後に校長室に行き校長先生のサインを貰う。それから商業ギルドと冒険者ギルドに向かって両支部長のサインを貰わないといけなかった。役所的な場所、つまり各ギルド及び学園、職校で代表者の認証サインを計三名分。もしくはそれに準じる施設の場長のサインなら五名分集める必要が有った。意にそぐわない親子関係を結ばせない為に必要な手続きって事だな。ヒト族の場合の養子縁組はもう少し簡単みたいだけどね。そう考えたら庇護氏族の時は簡単だったな。
サインを貰う人数で、金なら一枚・銀なら五枚を思い出した。もしくは二十点集める皿祭りだな。
この後、オロール先生とミケヲさんが養子縁組を組めば、晴れて親子三人が一堂に会しても何の問題も無くなる。そっちのサインも多分同じ三人かな。もしくは校長先生の代わりに馬車ギルドの支部長さんだろう。
(共)「明日になったら親子三人、正式な家族だよ」
(共)「改めて宜しくお願いします。ボク、いつも通りにオロール先生って呼んでいいんですよね?」
「ん〜? アバって呼びでがっだが?」
訳:(おや? 母さんと呼びたかったのかい?)
(共)「オロール先生、言葉言葉。今さら母上やお母さんと呼ぶのもむず痒くて……」
(共)「まぁ、職人一族なら親でも師匠呼びするものだからね。好きにお呼び」
(共)「ではオロール先生でお願いします」
相撲部屋とか梨園みたいなものだな。若しくは親子で 監督(ミスター) と 選手(ジュニア) の関係。
ホタテビキニの研磨指導は石工の講師が担当してくれる事になった。石工で彫刻家のザン=ギュラーさん。石工の家系のギュラー氏族の出身。一族には有名なカメオ職人のカーリー=ギュラーさんという方がいるんだって。
夕飯の後はオロール先生に俺の部屋に来てもらった。ガジェットは居ないけどアンディー達に改めて紹介する為だ。オロール先生は共通語が面倒くさかったのかいつの間にか【翻訳コニャック】を飲んじゃってるし。
「皆、聞いて。ボク、古代エルフのオロール先生と親子の関係になったんだ。ボクが皆と縁を結んだみたいにボクはオロール先生と親子の縁を結んだんだ。だからこれからもオロール先生と仲良くしてあげてね」
「改めて宜しく頼むよ」
ムキュウ
(「わかたの ばーば よろちくなの」)
「おや、私はバーバなのかい」
ムキュウ キュウ
(「ますたー どうちよう」)
「アンディーの好きに呼べばいいと思うよ」
キュウ キュウ?
(「ばーばも おはなち できるの?」)
「私も色々とスキルがあるからね。ミーシャと縁が強くなったから皆とも話せるよ」
「オロール先生、急に繋がったんですか?」
「いや、皆の声は前々から意識したら聞こえてはいたよ。そもそも 死霊術師(ネクロマンサー) の『口寄せ』の術は人ならざる者の声を聞くスキルだ。少し方向性を変えてやれば従魔の声は聞こえるんだよ」
プキィ プープー
(「エルフ姐さん、宜しくっ!! アタシはエル 姐(ねえ) って呼びたいんだけどー」)
「好きにお呼び」
コッピョ コッピョ
(「さけババ ぼく、つつかないよ」)
さっ、酒ババなの!?
「酒ババかい、いいじゃないか」
コッピョッピョ
(「ヒゲママのママは、さけエルフ。だから、さけババだよ」)
確かに酒ババで何も間違っていない。俺だってヒゲママだからな。じゃあ、その理論でいくとミケヲさんはネコおじか? ちょっとだけ楽しみだ。
「コカちゃんは今日は突いてくれないのかい?」
コッピョ コッピョ〜
(「さけエルフ、ついたらキケン。さけババ、ついたらダメだよ。ぼく、おそわったよ」)
「おや、お利口さんじゃないか。大きくなったら突いておくれ。あれからね、すこぶる調子が良いんだよ」
「そうだ、オロール先生、コカちゃんの件で色々ありまして、コカちゃんの両親に【ホヤッキー】を装備品にしてプレゼントする事になりました」
「見所のあるコカコッコだね。それなら研磨中に運悪く割れてしまったら困るだろう。もう少しあげようね」
「えっ、いや……それは……」
「けねけね」
訳:(心配無いさ〜)
「それと、【ホヤッキー】に石を着けて欲しいとお願いされたので、『アナーキー』が必要になる様でしたら指導をお願いします」
「それなら一枚使って練習をし。砕けたら最後は肥料にするなりコカコッコの餌に回せばいいだけだからね」
ムキュウムキュウ
(「ますたー あたちも ほちいの」)
プープー プープー
(「皆でお揃いにするし」)
コッピョ コッピョ
(「ヒゲママ、ぼくがおおきくなったら つくってね」)
「おやおや、人気だねぇ。ポニーに聞かなくていいのかい?」
ここで言うんじゃなかった……。