軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第544話

「流石に 三毛皇(みけおう) 閣下はお誘いできませんからね」

「そこを何とか」

「いや、お妃様達に恨まれますって」

「だから、吾輩の娘になればいいのだよ」

「困ります。ほら皆さんも唖然としてますって」

「して……ないぞ?」

俺、なんだか笑われてないか? オラッ、見せもんじゃねぇぞ。

「これ、ミーシャとしても悩ましい問題でしょ? 引く手あまたを封じる後ろ盾は欲しいけどそこに愛は必要無い…と」

「はい。面倒くさいですから」

「面倒って、普通だったら気になる幼馴染の他に異性の一人や二人を意識し始めるお年頃じゃないのかい?」

「ミーシャ、そこに愛は必要ないんかい?」

「 三毛皇(みけおう) 閣下、丁重にお断りします」

熨斗を付けてお返しします……と言いかけて気付いた。それ日本語だわ。

そして中身はおっさんなので、相手が女性でも男性でも、俺にしたらどちらも同性扱いです。取り敢えずゴメンナサイなのです。スローライフで従魔と仲良くしながら鉱石研磨して、研磨品を眺めながら酒を飲みたいのです。そこに配偶者のはいる余地は今の所は無いのです。

「そっ、それよりもう少しお酒を飲んで、【タロール茸】料理もまだ出し終わってないし……」

「何を出すの?」

「パスタとオムレツです」

「いいね、食いてぇわ」

取り敢えず食い気で誤魔化す。松茸パスタは松茸のバター炒めと茹でたて生パスタを合わせる。先程飲んだお吸い物の残りを加えた後、よくかき混ぜて乳化させれば完成。オムレツは刻みタマネギと刻みベーコンを炒めた後に、これまた刻んだ松茸を加えた物が中身になる。溶き玉子に火を入れ中心に具を入れ、程良く火の入った玉子をオムレツの形にしてやれば出来上がりだ。

「殆どのキノコ料理と同様に使える訳だね。いいと思うよ」

「これは【 血祭り(ブラッディ・フェスタ) 】と【 猫娘(キティガール) 】が合うね。職校の食堂でも出してくれないものかねぇ…」

「お酒は無理じゃないです?」

「やはりミーシャの家で飲むしかないね」

「美味いモンと酒を出してもらえるんなら、俺はいくらでも納品するぜ。今直ぐにでも住みたいくらいだ」

あ〜〜、話題が家に戻ったし。ミケヲさんが居ない時にネタ振りすればよかった。これは俺が原因だわ。

そしてワイワイやっているうちに気付いた。卵が三個余ってる。祝福されたお高い卵なのに勿体ない。生で飲め!って訳にもいかないから取り敢えず焼くか……。

ちなみに生卵をジョッキに割り入れて一気飲みする料理は存在する。その名も【 卵の暴力(ランボーエッグ) 】。昔の転生者が伝えたと言うから、どう考えてもあの洋画のワンシーンが元ネタだな。 鶏の勇者(ケン=タツキ) の伝えた料理ではないとのこと。

「あの、お話を楽しんでいてください。ボク、サッと卵を焼きますので」

そう言うと溶き卵を作りシンプルに塩で味付け。隠し味にエールと水飴を少々。四角いフライパンが無くても大丈夫。丸いフライパンでも両端を少し折り畳んでからクルクルと巻いていけば四角い卵焼きにはなる。どうしても少し型崩れはするけど。オカンの卵焼きとも言うな。両端の崩れに苦戦しながら何とか焼き上げた。最後に巻いて整える為のラップフィルムが欲しい。

「ミーシャ、それが卵を焼いた料理?」

「はい。シンプルに仕上げました」

「ちょ、ちょっと待って!! それ金の延べ棒焼き!! 今日の料理だとそれが一番ヤバい料理!!」

「おや、言われてみれば 延べ棒(インゴット) だね」

「成る程、ドワーフにはインゴットに見える訳だ。職業病かね?」

「猫の人には鍛冶は関係ねぇもんな」

「ミーシャ、【タロール茸】の前にこっちを登録。名前はどうする?」

「名前ですか? それこそ金塊焼きでも延べ棒焼きでも」

「違う違う、登録名じゃなくて登録者名の方」

「あ……それなら食べ物なのでナナシーでお願いします」

「【タロール茸】関係は?」

「それは 三毛皇(みけおう) 閣下に差し上げます」

「ミーシャも面倒臭えのを抱えてんだな。折角開発したのに名前を出せねえとか、クルラホーンと大差無ぇぞ」

そうなんだ。クルラホーンは下請け業者かよ。まぁ俺もチョイチョイ頼んでるし。アルチュールさんにお願いした物が製品化において重要な位置を占める事があったら、アルチュールさんの事も共同制作者として記録する様に働きかけねば。

「おや、吾輩に功労を譲ってくれると。褒美はアレか? 第六妃か? 幻の六番目の妃だな」

「いや、ご遠慮します。見えない妃なら存在も不要でしょう?」

ホーク=エーツさんは書類を纏めあげ、酔っ払い二名とワガママオヤジが一名。カオス。転生者のよしみで迂闊に近付いた挙句がコレなので、結局の所は俺が悪いんだけど。

「そうさねぇ……異種族間で特別養子縁組でもするかい?」

「でも、年齢だとボクが一番上ですよ」

「そこは寿命差のある異種族のルールを使えば問題ないよ」

「あ、ありましたね。滅多に使わないですけど。寿命差がある場合、ヒト族の年齢に換算して親子を決めるというルールが適用されましたね」

「だから、母、兄、妹で特別養子縁組を組めば問題ない。親子と兄弟姉妹は婚姻も不可だろ? お妃達も文句は言わないだろうよ」

「ええ、通常の血縁関係でも特別養子縁組でも、親・子・孫・兄弟姉妹までは婚姻及び恋愛は禁止されていますからね。破ると神罰が下りますし」

そこは上様の倫理観で決めたんだろうなぁ。近親婚は禁止だってルール。ちょっとまて、もしかしなくても庇護養親と庇護養子だと婚姻可能ってことか?

そして神罰が下るのか。愛人や複数相手と婚姻しても平気なのにね。上様基準がよく分からない。

えっ、ええっ!? 母、兄、妹って、オロール先生と養子縁組って事かよ!! つまりあれか、あれ、あの時代劇のシチュエーションが出来るって事か? 「おとっつぁん、お酒は止めてって言ったじゃない」 「うるせぇ、お前は黙って酒を買ってくればいいんだ。ちくしょう、死んだカカアに似てきやがって……」 ってネタな。

俺の周りでイイネが付きまくっている気がする。俺はテンパってますけど……。