軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

574.お兄ちゃんが一番

レオンに明日ねと言われ、ローズは納得した。お兄ちゃんが一番なのよね。私よりレオンに懐いている気がした。それもいいわ……母としては寂しいけれど、レオンと仲良くしたいのはわかるから。こんなに素敵な兄がいたら、私もべったりになるもの。

「おかしゃ……ぎゅっ!」

抱っこしろと訴えるローズに腕を伸ばす。抱き上げて、ポンポンと背中を叩いた。私の首筋に顔を埋め、文句を言っているような感じ。ぐずる娘を慰めながら、部屋へ向かった。ユリアーナが気を遣って、後を追って来る。

「ねえ、お姉さま。私がローズとお風呂に入ろうと思うのだけれど……どう? 嫌?」

私に話しかけ、途中からローズと会話し始める。後ろから話しかけると、向き合って抱いたローズと視線が合うみたいね。ローズが「ぃいよ」と頷いた。

「よかった、一緒に入りましょうね」

準備をしてくると着替えを取りに走っていく。階段へ向かう足音に振り返ったら、見えないとローズに怒られてしまった。仲が良くて嬉しいわ。姉と妹みたいだけれど、叔母と姪……ローズがおばちゃんと呼んだら、ユリアーナは答えない気がする。

明日のお昼は、王宮へ差し入れに行く。当然、手作りの食事やお菓子を持って。そうだわ! 午前中にランドルフやレオンに手伝ってもらって、一緒に作るのはどうかしらね。

「フランク、レオンに伝えてほしいの」

家令のフランクを捉まえて頼み、私室へ向かった。いまだに私やレオンの部屋は一階にある。二階を使っているのはユリアーナぐらいね。いずれ、レオンも二階に移動すると思うわ。ランドルフは気を遣って、一階のレオンの部屋の隣を選んだ。

二階に未婚のユリアーナしかいないのに、自分が二階にいたらオイゲンに悪いと言っていたわ。こういう教育は年齢に関係なく、貴族子女に課されている。レオンにもよく言い聞かせていた。知らない令嬢に勝手に触れてはダメ、もちろん令息でも同じ。

きょとんとしていたけれど、何度も言い聞かせて覚えさせないと。ルイーゼ様のように親しい方ならともかく、知らない令嬢の手を掴んだりしたら問題になるわ。こういうところ、前世と違って面倒ね。

部屋の扉をくぐり、リリーに着替えを用意してもらう。すぐにユリアーナが追い付くから、ローズを任せたいわ。その間にディルクの様子を見てきたいの。マーサはまだローズの世話係を続けているため、お風呂の準備をお願いする。

そういえば、この屋敷に来た頃はよく「お願いはダメ」と言われたけれど、いつの間にか平気になったわ。私のやり方に慣らしちゃったのかも。

「お待たせしたわ。お姉様……ローズも」

外へ出たら「ローズ様」と呼ぶ器用なユリアーナに、ローズを預けて立ち上がる。隣の部屋で眠るディルクは、きちんとミルクを飲んでいるといいけれど。