作品タイトル不明
14-2.(ルイーゼ)ずっと一緒がいいのになぁ
鉢は上から布を巻いて、リボンを結ぶ。これは侍女がしてくれた。底の部分は布がなくて、お水があふれた時のお皿に載せると説明される。お皿の上に鉢? お茶のカップみたい!
「ほら、おなじ!!」
嬉しくなって皆に見せたら、喜んであたしを褒めるの。レオンも「ほんとだ」と手を叩いた。鉢は持って帰るから、侍従の人が出入り口近くに並べる。いつの間にかお茶の用意ができていて、人も増えていた。
お母様、おぉ兄様、ちぃ兄様とおばあ様。それから……レオンのお母様、レオンのお父様もいる。お母様のお友達の……ばるしゅ……なんたらの人。リース……公爵の人。時々遊んでくれる綺麗なお姉さんや、レオンのところのアナもお座りしていた。
お姫様らしく……そっと絨毯の上へ座る。駆けてきたレオンが隣に座り、ローズが両手を上げた。慌てるレオンに、ラルフが「俺に任せてくれ」と笑う。抱き上げて座らせ、ラルフも隣に腰掛けた。仲良く並んだのに、なぜかしら? レオンのお父様が睨んでいる。
でもあたしじゃない、レオンも違う……ラルフ? ローズは足をぶらぶらと揺らして、後ろに寝転んだ。まだ赤ちゃんなのね。あたしはそんなことしないわ! ”ちゅくじょ”らしく、振る舞えるもの。
「靴を脱いでいいわよ」
お母様の許可が出たので、侍女に靴を脱がせてもらった。絨毯の部分は毎年広くなっていく。お茶会をするたびに、お母様が「ちょっと狭いかしら」と広げるから。足を広げてぺたんと座り、ふわふわのスカートを掛けた。
「ろじ、も……すゆ」
真似をすると言い出したローズだけど、上手に座れない。わかるわ、意外と難しいの。あたしも最初は後ろにひっくり返ったし。手を差し伸べて、寄り掛からせた。これなら転ばないわ。横を向いちゃったけど……と思ったら、レオンがすすっと隣に寄ってきた。
「ロジィ、こうして」
あたしとレオンが並んで座り、斜め前の真ん中にローズがいる。この状態だと、ローズが転ばないで前向きに座れた。すごい! レオンって頭がいいのね。褒めたら、嬉しそうに笑う。あたし、レオンの笑った顔が大好きよ。
「お菓子、届く?」
お姉さんっぽく、お菓子を手元に引き寄せた。ローズの前に置いたら、後ろのレオンを見る。頷いたら、嬉しそうに一つ選んだ。
「あんと!」
「どぅいたしてぇ」
大人はいつもそう答えるのよ? 真似て胸を反らす。大人は色の違うお茶を飲んでいる。私達は果汁を絞ったやつ……ジュースよ。お水で薄くして飲むのが好きなの。ラルフはせっせとレオンの世話を焼き、真似してレオンがローズに構う。
あたしも構ってほしい。
「可愛いお姫様がいるね。隣にいいかな?」
ちぃ兄様が笑顔で隣を示すから、いいわよと頷いた。優しいちぃ兄様は、ラルフと話があるみたい。ぐるりと輪になって、皆でたくさん話す。家族のこと、嬉しかったこと、覚えたこと……いっぱい溢れてきた。このままずっと一緒がいいのになぁ。