作品タイトル不明
13-1.(レオン)お茶会に行くの!
今日はお茶会だ。お着替えして、ロジィと手を繋ぐ。僕がお兄ちゃんだから、ちゃんと見てるの。ロジィは歩くのもまだ下手だから、転んだら痛いでしょ。可愛いドレスはピンクで、僕のシャツも同じ色だった。庭の花びらの色と同じだ。今日はお茶会だから、いつもと違う服で……ラルフも僕と合わせた服なの。
「にぃ、ん!」
何か握っている物を、どうぞと渡された。受け取って広げたら、ハンカチだった。僕も持っているけど……? とんとんと肩を叩くラルフを振り返る。もらっとけ? 口でそう伝えてきた。そっか、ロジィに返したら泣いちゃう。
「ありがとう、ロジィ」
にっこり笑って伝えたら、嬉しそうに笑い声を立てた。ちゃんと口を手で覆ってるの、アナ姉様みたいだ。頭を撫でようとしたら、ピンクのリボンが揺れていた。触ったら、取れちゃうかも。ロジィの髪は、お母様と同じ金色。目はお父様と一緒の青だった。僕とは両方色が違う。
「にぃ」
まだ言葉が上手じゃないから、何か希望があると僕を呼ぶ。それがすごく可愛くて、顔が笑っちゃうの。お母様がしてくれたように、しゃがんでロジィと目を合わせる。にこにこしながら僕に手を伸ばし、頭に触れた。
「ロジィ?」
「ははっ、レオンが撫でないから代わりかな」
ラルフが笑うから、そうかも? と僕も笑う。ロジィのリボンの間をそっと撫でた。手を伸ばせたら、嬉しそうなんだ。たくさん撫でたいけれど、準備が終わったのに崩れちゃう。
「あらあら、お兄様と遊んでもらったの? よかったわね、ローズ。ありがとう、レオン、ランドルフも」
お母様は必ず皆に声を掛ける。ローズだけじゃなくて僕も、それからラルフにも。忘れられると寂しいから、僕も真似しようと思う。お母様はローズの服より濃いピンクだった。まさか、お父様もシャツがピンク? 似合うけど、同じ格好なのかな。ラルフは胸のポケットの飾りだけピンクだけど。
「待たせた。どうした?」
いつも思うけど、お父様は言葉が足りない。お母様はいっぱい話すのに、お父様は短かった。でも、僕達を大好きなのは知っているから、平気だよ。
「お父様、抱っこ」
「よし、来い!」
僕をひょいっと抱き上げ、左の肩に乗せた。高くなって、天井から下がる燭台に届きそう。手を伸ばしていたら、お父様はまた屈んだ。
「ランドルフもだぞ」
「え? いや、俺はその……」
照れてもじもじるするラルフは、お父様に抱き上げられた。肩は無理みたいで、足が浮くぐらい。僕はお父様の黒髪を避けて頬に触れた。
「あのね。ラルフと僕、交代! 僕は抱っこ」
ラルフが肩に乗ったらいいよ。僕は抱っこがいいから、ラルフがお父様の肩でも大丈夫じゃないかな。そう伝えたら、お母様が「まあ」と目を見開いた。なんか変なこと言った?