作品タイトル不明
7-4.(ルイーゼ)次の約束が楽しみ
お土産は、籠にたくさん入れてもらう。さっきのアーモンドのお菓子だけじゃなくて、人参のケーキもよ。ふわふわしてて、オレンジ色ですっごく美味しいの。スープの人参は好きじゃないけど、ケーキの人参なら平気だわ。
レオンに「またね」と手を振る。いっぱい振って、振り返してもらって。馬車の窓から身を乗り出したら、お母様に注意されちゃった。”ちゅくじょ”らしくない振る舞いだったの。難しいわ。
「お母様、レオンのお母様を呼ぶの?」
「ええ、約束してきたわ。ちょっと早いけれど、五日後……五回寝て起きたら遊びに来てくれるわ」
いつか? と首を傾げたら、言い直してくれた。寝て起きてを五回、長いけれど大丈夫ね。片方の手で足りるから、ちゃんと覚えられるわ。
「ランドルフともっと遊びたかったな」
ちぃ兄様はランを大好きなの。”そっちん”になって欲しいと言っていた。でもランはレオンが大好きだから無理ね。本当のお兄さんとレオンで、レオンにしちゃう人だもん。ランはちぃ兄様にしないと思う。
「ローレンツにも側近はいるのだから、レオンから奪ったら泣かれるわ」
ほほほと笑うお母様の話では、ランのお母様やほかのお家の人も呼ぶ。でも全部、公爵家らしい。誰の家族かしら? うーんと首を傾げる。あとで、おばあ様に教えてもらおう。
「お茶会、楽しみね」
「うん」
大きく頷いて、隣にある籠を見つめる。この中のお菓子を食べ終わる頃、お茶会でレオンに会えそう。レオンと遊んだ時に着ていないドレスあったかな? おばあ様とドレスの話をして、後で一緒に選ぶ約束をした。
「カールハインツに話してくるわ」
馬車が王宮に着くと、お母様はそう言って笑った。王宮でお茶をすると、普段は忙しいおぉ兄様もご一緒できるの。あたしも一緒に行きたいとお願いしたら、お母様が「いいわ」と許してくれた。仕事がいっぱいのおぉ兄様は、時間ができるとあたしとも遊ぶ。優しいお兄様なの。
お仕事の部屋に入って、次のお茶会の話をする。一緒にと誘うお母様に、予定が書かれた手帳を見たおぉ兄様が頷いた。
「その日なら問題ありません。前日までに書類を片付けます」
おぉ兄様の机には、書類がいっぱい。でも最近は仕事が早く終わることもあった。ぶんぎょ? をしていると聞いたの。お仕事の書類を抱えた人も、持っている量が減っている。もう少ししたら、もっと減って、あたしと遊ぶ時間が増えるかも!
「がんばってね! おぉ兄様」
応援したら、抱っこして頬を寄せてキスをされた。おぉ兄様、”ちゅくじょ”に軽々しく触れたらダメなのよ!!