軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

7-3.(ルイーゼ)すごく楽しい一日だった

「ユリアーナは?」

今日はいないのかしら? 尋ねたら、ランが教えてくれた。婚約者のオイゲンが迎えに来て、今日は留守なのね。婚約者はずっと一緒にいる約束をした人だと聞いた。もう大切な人と約束したのは羨ましい。あたしもレオンと約束したいわ。

お母様にそうお願いしたのは、こないだのお誕生日のあとだった。まだ早いんですって。レオンは可愛くて素敵だから、誰かに取られちゃうかも。心配で泣いたら、ちぃ兄様はあたしを抱っこして頭を撫でた。

「レオンを大好きなら、彼に好きと言ってもらえるルイーゼでいないとダメだよ」

それって”ちゅくじょ”でいること? 聞いたら頷いた。それから毎日頑張っているのに、まだ約束はもらえない。もっと時間がかかるのかしら。

ユンやエルもいなくなって、レオンは寂しいと思う。ディが生まれたけれど、まだベッドの上でしょう? ローズは子供だし。

「ルー、これ……あげる」

レオンは摘んだばかりの花をあたしにくれた。反対の手を繋いでいたローズが「ろじぃも!」と騒いで、違う花をもらう。嬉しくて頬が緩んじゃう。だって、あたしが何も言わなくても花をくれたわ。ローズより大事にされている気がする。

スカートだけど、香りのいい草の上に座って遊ぶ。転がったり花を摘んだり、たくさん遊んで起き上がったら……お母様達のところへ戻った。喉が渇いたの。手渡されたコップのジュースを飲む。すごく綺麗なオレンジ色で、甘いの。

レオンの屋敷でしか飲んだことがない。濁っているのに綺麗な色だった。一気に飲んだら、また入れてくれる。氷も一緒よ。これは高くて贅沢なのだと知っている。からんと音がするコップを揺らして、もう一口飲んだ。

「おいしぃ」

「よかったわ」

レオンのお母様は、お菓子を焼いたりジュースを作ったりする。おばあ様は時々お菓子を作るけれど、お母様は仕事が忙しくて無理だった。お菓子を貰って齧る。これ、あたしの好きなアーモンドが入ってる!

「これ、好き」

本当は、”おーぞく”だから好きとか嫌いとか口にしたダメなの。そう教わった。家族以外の人に言ったらダメなのよ。でもレオンのお母様は、家族と同じだからいいわよね? あたしを叱らないお母様とおばあ様は、困ったような顔をした。でも笑っているから平気。

「お土産に持って帰ってね」

「ありがとう」

嬉しい時はお礼を言って、悪いことをしたら謝る。これだけは家族でも外の人でも同じ。今日はたくさんいいことがあったわ。レオンとまた温室を走って、転んだローズを助けて、ちぃ兄様に褒められた。明日もまたレオンと遊びたいな。