軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

7-2.(ルイーゼ)レオンの両手に花

「どうぞ、小さなお姫様」

本当だったわ。おばあ様の言う通りに手を出したら、ちぃ兄様が下ろしてくれた。それも抱っこじゃなくて、お母様にするみたいに。しっかり支えて、お姫様の扱いなの。嬉しくて笑顔で「ありがとう」と伝えた。ちぃ兄様は笑って頷く。

”ちゅくじょ”の振る舞いを覚えなさいとお母様が言うのは、こういうことなのかも。あたしがお姫様らしくしたら、周りもお姫様として見てくれる。これからも可愛いお姫様でいられるよう、頑張るわ。

お母様やおばあ様が下りる間に、向こうで手を振るレオンに駆け寄りたくなる。ちらりと後ろを見て我慢した。だって”ちゅくじょ”なら一人だけ走ったりしない。ちぃ兄様は驚いた顔をしてあたしを見た。前なら何も考えないで、走っていたと思うわ。

子供だったのよ、あたしはもう”ちゅくじょ”だもの。

「ルー、手を繋ごう」

待っていたらレオンから迎えに来てくれた。上で大人の挨拶が始まったから、私はレオンと手を繋ぐ。ちぃ兄様もランとお話していた。ローズが「るぅ」と手を伸ばすけれど、レオンのお母様が抱っこしているから無理ね。

挨拶が終わって歩き始め、ローズが足を揺らして下りると騒いだ。あたしと違って、まだまだ子供なんだから。困った子ね。ローズはレオンと手を繋ぎ、温室のほうへ向かう。やっぱり温室だったわ。雨が降っても平気だし、綺麗な花がいっぱいで温かいもの。

「もう少し暖かな季節になったら、池の畔も楽しそうね」

お母様達はそんな話をしている。池があるのね? 興味はあるけれど、今日は温室でいいわ。空が少し灰色で、雨が降りそうだった。

「すごいな、レオン。両手に花だ」

ランの言葉に首を傾げる。両手に花? ああ、あたしとローズのこと! 薔薇と百合くらい違うけれど、花は花よ。にっこり笑ったら、ランも嬉しそう。あたしのこと好きなのかしら? 王宮ではあたしのことを好きな侍女が仕事を取り合うのよ。

でもレオンが一番好きだから、ランは二番目。うーん、おぉ兄様やちぃ兄様がいるから、四つ目? 指を折って数えた。

「綺麗なの、一緒に見よう」

レオンの誘いなら、もちろん! ローズも一緒だから、走りたいけれど我慢する。”ちゅくじょ”は子供に優しいの。レオンのお母様もそうだから、合っていると思う。

靴を脱いで遊べる段の隣を通り抜け、奥のほうへ歩いた。後ろからちぃ兄様とランもついてくる。いつもはお母様と一緒なのに、どうしたのかしら?

あたしのベッドくらいある大きな葉っぱの陰に、黄色い花が咲いていた。

「すごぉい、綺麗。大きい花ね」

あたしの顔より大きい花は、甘い香りがする。くんくんと鼻を動かし、匂いを楽しんだ。

「ルーに見てほしかったの」

まだ咲いててよかった。にっこり笑うレオンに、嬉しいと素直に伝えた。