軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

3-1.(オイゲン)頼むから払わせてくれ

ユリアーナと婚約して、二年が経った。年々可愛さが増す彼女に、早く婚約して正解だったと思う。こんなに綺麗で可愛くて、優しいんだぞ。いつ誰に奪われるか、気を張ってデートに出かける。

まあ、八割は「こんな可愛い子が俺の婚約者なんだぞ」の自慢だ。残りは「寄ってくるな、見るな」が一割、「手出ししたら殺すぞ!」も一割ある。この話をしたら、ケンプフェルト公爵閣下が優しくなった。

「この苦労は、ユリアーナに知られるな。俺もアマーリアに悟られないよう、上手に牽制している」

そう言われたら、頷く。公爵夫人のアマーリア様は、若くて美しい。公爵閣下と一回り以上歳が離れていると聞いた。母上は「あの方は落ち着いているから、歳上のほうが仲良くなれるのよ」と笑顔で教えてくれた。

「オイゲン、あのお店を見たいわ」

腕を組んだユリアーナに強請られ、飾り物の店に入る。宝石は小粒、鉱石の種類も高価な類ではない。ただ普段使いや平民の奮発用なのか、指輪や首飾りから髪飾りに至るまで取り揃えていた。

「これ、外から見て気に入ったの。どうかしら?」

小さな花が大量に重なる髪飾りだ。葡萄の房に似ていた。留める部分は花が固定され、端から垂れるように揺れる。かなり凝った細工だな。裏返して確認し、丁寧な仕事に感心した。

「綺麗だな、きっとユリアーナに似合う。買おうか?」

ここは当然、俺が支払うべきだと思って尋ねたら、彼女はドレスのポケットから財布を取り出した。

「ちょ! ここは俺が払う」

「え? でも私が使うのよ? それに、お姉様にお小遣いも頂いているし」

自分が使う自分の物だから、自分で支払う。言い分は理解できる。これを友人が……そうだな、ユリアンが言ったなら頷いた。でも婚約者に財布を出させたら、俺の立場がないだろ!

「いや、婚約者の気に入った飾りを俺が買って、この美しい髪に飾りたい。選ぶセンスは自信ないが、贈る役を与えてくれ」

こういう言葉は、自然と覚えた。父上が母上を口説く姿を見てきたからな。夜会で着飾ったりすると、長い言葉を連ねて褒める。最近はそれが標準だと思っていたら、公爵閣下は言葉が少なくてぎこちなかった。驚いたっけ。

余計なことを思い出したが、ユリアーナは考え込んでいた。そんなに悩むことかな。じっと待てば、彼女は思わぬ発言をした。

「男の人に恥をかかせてはいけないと教わったの。でもお姉様は、自立した女性は自分で支払うって。どっちが正しいと思う?」

「っ、そうだな。どちらも間違ってないよ。自立するには、ユリアーナはまだ若いだろう? 歳上の俺に甘えていいよ」

これで結論が出て、今回は俺が購入して贈ることができた。髪飾りを付け替えたら、嬉しそうにお礼を言われる。こういうところ、公爵夫人に似ていて好感度高いな。