軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1-2.(ランドルフ)知らない母親らしさ

とてとてと歩くローズに合わせ、ゆっくりと近づく。おっとりしているローズは、成長ものんびりだった。言葉も短くて、必死で繰り返す。目が離せなくて可愛いよな。

「レオン、ローズが転びそうよ」

注意されたのとほぼ同時、ローズが躓いた。ずしっと重くなる腕を持ち上げ、ローズを抱き上げる。前にレオンごと倒れて、顔を打って大泣きしたんだ。可愛い女の子なのに、二度も三度も顔を打ったら可哀想だ。まあ、分厚い絨毯が敷かれているけれど。

子供の過ごす部屋は特別、と公爵夫人はよく口にする。家族で団欒する部屋も、柔らかな絨毯敷きだった。実家も公爵家だからわかるが、この絨毯はすごい値段だぞ。まあ、それを惜しみなく重ねて敷いて、靴を脱いで過ごした。

ケンプフェルト家以外で、こんな習慣はない。こないだ演奏会で帰ってきたユリアンが言うには、貧乏だった頃のシュミット伯爵家も同じだったと。公爵夫人のアイディアらしい。戸惑ったけれど、慣れると気持ちいい。

食後のまったりした時間を、壁に寄りかかったりクッションにもたれたり……最高だよ。実家でも取り入れようと提案したら、お母様はすでに導入していた。まあ公爵夫人と仲がいいからわかるけど、先を越された気分でむっとしたっけ。

絨毯の上で寛いでいて……仲が深まった両親が、妹を作った。兄上の説明はぼかした部分が多いけど、もう少し大人になったら俺にも教えてくれるだろうか。

「ランドルフ、具合が悪いの?」

心配する公爵夫人の声に、いいえと首を横に振る。抱き上げたローズを運んで、公爵夫人の前に下ろした。がしっと両手でスカートにしがみつく。これが不思議で、いつもきちんと足を見つけるんだよな。すかっと空振りして転んだところは、見た覚えがない。

「お母様、ディは?」

「寝たところよ。ベッドに戻すと起きちゃうから」

「ふーん」

あ、これは気に入らない時の返答だ。ローズの時は優先してもらったレオンだけど、最近はディにヤキモチを妬いている。というのも、ローズに手がかからなくなり、公爵夫人の意識が末っ子に向かっているから。自分優先がいいとぼやいていた。

「レオン、ちゃんと伝えないとダメだぞ」

これは以前、俺が言われたセリフだ。両親ときちんと向かい合う。そのための方法を教えてもらった。

「お母様、僕も抱っこ」

「ろじ、も!」

大好きな兄がするなら、私も! ローズはすっかりお兄ちゃん子だった。他の人が皆、ローズと呼ぶのに、自分を「ろじ」と言う。発音しづらくて、苦労していた数ヶ月前が嘘みたいに上達した。

「あらあら、もちろんよ。大好きな私の天使達」

心得たように、侍女マーサがディを受け取った。飛び込むレオンに頬擦りをして、足にしがみつくローズを引き寄せる。羨ましいわけじゃないけど、もやっとした。