軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

538.離れる寂しさを塗り替える

お別れ会の日が近づくにつれて、レオンは理解してきたみたい。兄も同然の二人とじぃじがいなくなる。泣きそうな顔で訴えてきた。そんなのは嫌だと。

休みのヘンリック様も部屋にいた。三人で温室へ向かい、午前中はここで過ごすつもりだったの。先日ここで一緒だった記憶があるから? レオンは突然泣き出したの。鼻を啜り、離れたくないと声に出す。せっかくの願いだから、叶えてあげたい。同時に、乗り越えさせることの大切さも実感した。

「ねえ、レオン。一緒にいないと家族じゃないのかしら。じぃじは離れに住んでいるでしょう? でも家族だわ」

泣きながら抱きついたレオンは、小さく頭を縦に振る。その背中をぽんぽんと叩きながら、話を続けた。

「家族の望みを、無理やりやめさせたら……嫌だと思うわ。お父様やエルヴィン、ユリアンだって、レオンを大好きなの。また帰ってきてね、と笑顔で見送ってほしい」

今度は動かない。だから言葉を変えた。

「私達が一緒にいるわ。レオンが嫌だと言っても離れてあげない。エルヴィン達もずっとじゃないの。ちゃんと会いにきてくれるし、一緒にお誕生日もできるわ。お祭りだって行ける。ただ、毎日じゃなくなるの」

嫌々と横に首が振られた。毎日会いたい。家族だもの、その気持ちは私も同じよ。でもね、離れる時が来るの。いつかは新しい家族を作って、それでも時々集まって過ごすのよ。

今は理解できなくていい。納得できず、不満を訴えて頂戴。いずれ、わかるわ。それが大人になるということで、少し寂しいことなの。ぽんぽんと叩く手のリズムに合わせ、レオンがしゃくりあげる。

「レオン、一年に何回か……皆が集まる日を決めよう」

「あちゅ、まる?」

顔を上げたレオンは、鼻も目元も真っ赤。しゃくりあげながら、ヘンリック様の顔を見つめた。

「ああ、そうだ。来なかったら叱られる日を決めよう。それなら、皆と会える日が楽しみになる」

楽しみな日を指折り数えて待ち、過ぎてしまったら次を心の支えにする。まだレオンには難しいかしら。

「あえゆ? ひ?」

「誕生日や祭り、新年の席もいいか」

「……ん」

指折り数えて、提案していく。誕生日はまとめて祝ったから、レオンの中では年に一度の認識だった。新年のお祝いも一緒ね。それなら、夏の休暇を共に過ごす提案はどう?

三人で盛り上がって決めていき、最終的に三つに絞られた。というのも、多過ぎるとユリアンは大変だと思う。国外に出ることもあるわ。エルヴィンだって領主になるのだから、遊び歩いているわけにいかなかった。

新年に誕生日会を兼ねて集まる。夏の休暇を一緒に過ごし、秋のお祭りも足した。春は……どの領地も忙しいのよね。諦めてもらいましょう。

「提案してみよう」

「うん」

レオンのご機嫌も上向いたようだし、おやつの時間に集まってくれるよう伝えましょうね。