軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

531.お値段控えめで大き過ぎず

翌日は、朝からヘンリック様と贈り物選びをする。お父様とエルヴィンの分は、ヘンリック様にお願いする予定なの。レオンとよく似たタイプだから、仲間外れになったと嘆く気がして。

「俺が選んでもいいのか?」

本当にレオンそっくり。目をキラキラさせて、頼られて嬉しいと全身で伝えてくる。

「ええ、ヘンリック様が選んだなら、私もお父様達も満足できます。あまり高価ではなくて、普段から身につけられる物がいいですね」

最初にしっかり釘を刺す。普段、自分のお金を使わない人だから怖いのよ。立派すぎて舞踏会でもなければ着けられない宝石も困るし、土地や屋敷を用意されても管理できないわ。

「なるほど……身につけられる……。飛び地になるが、いい土地があったんだが」

やっぱり、と苦笑する。国を動かしているせいか、金銭感覚の桁が違うの。倹約家かと思うくらい、自分にはお金を使わない。だから余計に感覚が育たないのね。私も人のことは言えないけれど、フランクの忠告に従って正解だった。

数日前に、ヘンリック様が土地を選んでいたと聞いて、嫌な予感がしたの。フランクも同じようで、領地の管理が満足にできない人に、新しい土地? それも飛び地なんて、管理が面倒で複雑だった。その辺は、すぽっと抜けたみたい。

「ユリアンはいいのか?」

「もう、レオンに選んでもらいました。これですわ」

私に与えられた宝飾品だけれど、元はヘンリック様が稼いだお金で購入された。家の主人の許可を得るつもりで持ってきたの。寝室のソファーに並んで座り、宝石箱を開いた。小ぶりな黒い箱の中央に、レオンの選んだ紫水晶が光る。

「ならば、これと同じくらいの大きさの宝石を、二人に選ぼう」

「素敵ですわ」

いろいろと悩んで、並んだ宝石を摘まんでは戻す。真剣な表情で一つずつ確認した。ついにはフランクに命じて、別の宝石箱を持って来させる。こちらは見るからに質が良さそう。

「ヘンリック様、こちらの宝石箱は輝きが違いますわ。ユリアンが見劣りします」

「ん? そうか」

フランクが汗を拭いているので、どうやら本当に高価で希少な宝石だったみたい。丁寧に頭を下げて片付けるフランクが気の毒になる。あれこれ比較して、宝石目当てに襲われないようそこそこの品質に制限し……ようやくヘンリック様は満足した。

「完璧だ」

透き通った黄金のシトリンをエルヴィンへ。お父様には緑のペリドットを選んだ。どちらも大粒だけれど、高額すぎないプレゼントよ。

「おとちゃま、どおじょ」

あら? 私には? お菓子を持ってきたレオンが、ヘンリック様の前に焼き菓子を一枚渡す。受け取ったヘンリック様が尋ねるより早く、私に小さな袋が差し出された。

「おかぁしゃまも、どおじょ」

結んだリボンが歪んでいるのは、レオンが頑張ったのかしら。お礼を言って受け取った。

「やはり母親には勝てないか」

苦笑するヘンリック様は、膝の上にレオンを抱き上げた。もらった焼き菓子を半分にして、二人で咥える。解いた包みの中身も足して、リリーの用意したお茶で味わう。

午後は何をしましょうか。