軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

516.子守唄の効果は抜群ね

お父様が拗ねているから、次はレオンが我慢できる? そう話したら、少し考え込んだ。うーんと声に出すレオンが、唇を尖らせる。膝の上に座っているが、少し離れた状態で覗き込んだ。

ゆらゆらと揺らして、我慢してくれたら嬉しいなと伝える。可愛く尖った唇を、指で押し戻した。

「うん、いぃよ」

許可が出たので、レオンを下ろそうとして……迷った末にヘンリック様を呼ぶことにした。侍女を呼ぶためのベルを、ちりりんと鳴らす。すぐに書斎の扉が開いた。待たせちゃったわね。

後ろでベルントがゆっくり一礼し、扉を閉める。ヘンリック様は、いそいそとベッドに乗り上げた。

「もういいのか?」

「ええ、お陰様で。レオンも納得してくれましたわ」

膝でうとうとし始めたレオンは、指先できゅっと服を摘まんだ。まだ離れたくないと主張するレオンの背中を撫でながら、ヘンリック様に向き合う。

「お待たせしました。妹に嫉妬したようですわ」

「こんなに幼くても嫉妬するのか」

「それはもう、何歳でも嫉妬しますよ。でも、我慢して引いてくれてありがとうございます。嬉しかったですわ」

私のお礼に青い目が忙しなく瞬いた。驚いたのかしら。

「嬉しい、のか?」

「ええ、父親として振る舞ってくれました。それに我慢もしたでしょう」

私が書斎で待つように伝えたとき、きっと腹立たしかったはず。レオンを優先したことに、文句を言いたかったでしょう? 小首を傾げて尋ねると、眉尻が下がった。

抱っこしていたレオンは寝息を立てており、その上を跨ぐようにヘンリック様が身を寄せる。可愛い天使の上でキスをしました。自然と唇が触れて、恥ずかしさはないの。なぜか、今は口付けるべきと思ったわ。

「レオンは寝たのか?」

「ぐっすりと。もう少ししたら動かしても起きないと思います」

ベッドの上に下ろせると伝えたら、そわそわし始めた。もしかして、期待させた? だとしたら申し訳ないのだけれど……。

小声で説明したら、にっこりと笑って首を横に振った。抱きしめて眠りたいだけみたい。間にレオンを挟んでいた頃は難しいけれど、今なら平気かしら。触れ合ってもいいわよね。

レオンを寝かせて、起きないのを確かめてから抱き合って横になった。首筋を舐めたり、顔にキスを降らせたり。ご機嫌の夫に釣られて、私もキスを返した。

「かん、だ?」

小さくて掠れた声に、びくりと肩が揺れる。恐る恐る振り返ると、目をこするレオンがいた。上半身を起こして覗き込もうとする。慌てて離れ、レオンを横たえた。仰向けのレオンのお腹をぽんぽんと叩き、子守唄で眠らせる。これは夢だったの、レオンは何も見ていないわ。

子守唄は効果抜群だった。そう、反対側でヘンリック様もすやすやと寝息を立てるほどに……。