軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

478.仕立て屋夫婦に提案よ

待ち遠しい時ほど、時間はゆっくり流れる。それでも今日は仕立て屋さんが来る日だわ。

「およ、ふく?」

「ええ、お母様のお腹が大きくなってから着る服を作るのよ」

お腹を撫でて伝えると、レオンは自分のお腹を撫でた。朝食を食べ過ぎたせいか、ふっくらしている。撫でてから顔を上げた。

「ぼくも」

「レオンは……袖が短くなるから直してもらいましょうね」

普段着も含め、レオンのクローゼットはいっぱいだ。これ以上入らないと思う。それに、夜会やお茶会用に「お揃い」で作った服は、また別の部屋で管理されていた。これ以上作っても、着る前に成長しちゃうわ。

「うん」

自分も一緒が嬉しいようで、内容はあまり気にしない。こういった大らかな部分は、レオンの長所よ。伸ばしてあげたいわ。

「シャツを何枚か買い足そう」

「そうですわね」

ヘンリック様は仕事で使うシャツを希望した。袖にペンから飛んだインクが染みてしまうことがある。ほとんどは染み抜きで間に合うけれど、稀に気づくのが遅れると落ちないのよ。不思議なことに、染みを作る場所ほど目立つ。

数枚買い足しても、ヘンリック様はこれ以上成長しないから大丈夫ね。二人と手を繋いで、真ん中を歩く私はマタニティーの相談がある。巻きスカートを数枚増やして、短めのスカートを作ってもらわないと……。

妊娠している期間限定にしたら、意外と認めてくれるんじゃないかしら。到着した商談用の部屋は、すでに仕立て屋夫婦が布を広げていた。大量に持ち込んだので、侍従や侍女も手伝う。ほとんどが私のマタニティー用みたい。

「この度は、ご懐妊おめでとうございます。心を込めて縫わせていただきます」

丁重な挨拶を受け、続いて用意した生地の説明が始まる。汗を吸う、ガーゼのような生地が人気だった。二重にして透けないよう工夫し、風を通すよう二枚を重ねて縫わない。でも足が見えないようにするのね。

タオルなどと一緒で水を吸うが、乾くのも早いと聞いて頷いた。生地に問題はないわ。あとはデザインだけね。用意されたデザイン画は、どれも裾が長かった。それでも足元の危険を減らそうと工夫したのか、ふんわりした形状が多い。

大きくなったお腹に配慮しながらも、内側に布を重ねた短いスカートを入れる。腰回りで厚みを作り、お腹の大きさも利用して膨らますのね。クリノリンのように骨組みがないから、転んでも安全だった。

でも裾が長いわ。足に纏わり付かなければ踏まない。でもこれからの季節、暑いわよね。夏にこれを腰に巻くと考えたら、ぞっとする。冬なら暖かくていいけれど……。

「ねえ、こういうのはどうかしら」

先日書いた三角と棒のデザイン画を取り出した。