軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

382.あなたの後ろは私が守るわ

お昼ご飯を食堂で食べて、お昼寝まで屋敷内でかくれんぼをした。遊んでばかりでいいのか、不安になる。ヘンリック様は明るく言い放った。

「問題ない、昼寝の時間に報告を受けながら見回るつもりだ」

レオンとの時間を大切にしてくれるのは嬉しい。かくれんぼのはずが、追いかけっこに変わり……歓声を上げながらレオンが全力疾走する。当然だけど、電池切れも早かった。

目元をごしごしと擦り始め、笑いながらその手を止める。ワンピースで走ったので、少し汗を掻いてしまったわ。レオンを抱き上げて背中を叩き、眠そうなレオンをベッドに下ろす。枕元の椅子に腰掛け、子守歌を聴かせた。ヘンリック様はベッドの足元に腰掛け、じっと耳を傾ける。

「もう寝たみたい」

「そうか……今の歌は初めて聴く言語だったが」

「異国の歌なの」

曖昧に誤魔化す。前世なんて言われても、混乱しちゃうでしょう? いずれ話すとしても、今じゃないもの。もっと時間に余裕ができて……そうね、子育てが一段落した後がいい。深く追求せず、ヘンリック様は頷いた。

こういうところ、冷たいと誤解されそうだけれど……私は優しさだと思う。人は話せないこともある。それを無理に暴かず、言えるまで待つのは勇気と忍耐が必要だわ。余裕がある人でなければ、我慢できずに尋ねてしまうかも。

夫の良さを再認識して、私はヘンリック様を促した。寝室を出る前に、マーサに付き添いを頼む。一緒に部屋を出たので、ヘンリック様は首を傾げた。

「付き添わなくていいのか?」

「はい。レオンも落ち着いてきましたし、今日はヘンリック様優先です」

台風が通過してから、ずっと王宮に詰めていた。休暇を作って帰っても、家族サービスに屋敷の状況把握。昨夜はこっそりと領地の報告書を読んだでしょう? 知らないと思っているようだから、黙っておくわ。

「……そうか、ありがとう」

綺麗なお顔だと知っていたけれど、こんな笑顔も持っているのね。もし社交界で披露したら、未婚既婚問わずにファンが殺到しちゃう。どきどきしながら、顔を伏せた。きっと耳やうなじも赤くなっている。

「アマーリア?」

「あ、平気です。レオンが起きる前に回ってしまいましょう」

差し出された腕に手を絡め、仲良く外へ出た。今日は外出予定がないので、専用に作らせた踵の低い靴だ。ヘンリック様との身長差が大きくなる。気遣って、段差があるたびに手を貸してくれた。

壊れた馬場の柵の修理状況、屋敷の割れた窓の入れ替え作業、傷ついた壁の修繕や折れた木々の処理。屋敷の周りは足場も悪いし、まだ泥濘んでいる場所もあった。躓いた私をひょいっと抱き上げ、途中からヘンリック様の腕の中で確認と報告をする。

屋敷も領地も、あなたの後ろは私がしっかり守ります。安心して国を助けてきてくださいね。