軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

371.一緒にいてほしいなんて

夜も更けた頃、雷の激しさが増した。すでに寝室へ引き上げた後なので、レオンはすやすやと眠っている。雷の大きな音にも目を覚まさないのは、大物の証かしら。それとも心配したらいいの?

起こして泣き出されるのも困るため、隣に横になった。ぴかっと光る稲妻、少し遅れて追いかけてくる音。落ちた場所からの距離の計算方法が浮かんだが、知ったからと意味はない。窓が割れないよう板を打ち付けても、隙間から光が入る。ぼんやりと光を眺めた。

ヘンリック様、無事かどうかの心配はしない。王宮内で安全な部屋にいるはずよ。ただ……無理をしていないか。きちんとご飯は食べたかしら。寝る時間は取れている? 別の心配が浮かんで、溜め息を吐いた。

寝る時間を削って働きそうだし、ご飯を食べずに冷めても放っておくだろう。過去のヘンリック様を思い出せば、嫌な予想ばかり浮かんだ。それらを否定できない。

そういえば、部下との関係が変化したと教えてもらった。仲良くなって相談を持ちかけられたり、職場環境を改善したり。彼らがヘンリック様を止めてくれるといい。無理をしないよう、食事や睡眠をとるよう、根気強く助けてくれたら。

ぼんやりと眠りに落ちる私は、ヘンリック様の夢を見た。何か言っていたような……でも、起きたらすべてが消えてしまった。夢を見た記憶があるだけ。

「何だったのかしら」

ぽつりと呟き、窓の方へ目をやる。いつもならカーテン越しに差し込む朝日が、部屋に明るさを伝えてきた。板を張った窓は、その役目を奪われて暗いまま。かなり暗いものの、何も見えない程ではなかった。

上半身を起こし、ぐるりと部屋を見回す。窓も扉も無事で、隣のレオンもまだ眠っていた。ベッドから降りようか迷う私は、やたらと静かなことに気づく。まだ使用人達が動き出す前の時間かもしれない。

「ヘンリック様、いつ頃戻れるのでしょう」

すぐには無理だと理解している。台風の当日より、その後の処理の方が仕事が多いはず。さまざまな被害の申告と対応、大量の書類を捌く必要があった。貴族からの陳情を聞いて、壊れた橋や街道の修繕も手配するのかも。国を動かす大きな仕事に携わるのだから、家族は後回しだった。

わかっている。大切な仕事だし、誇るべきだわ。夫が国の一大事に、最前線で戦っているんだもの。でも……一緒にいてほしかった、なんて。思ってはいけない。

きゅっと胸元を握り、俯いた。ゆるく三つ編みにした髪が揺れる。大丈夫よ、私には守るべきレオンがいる。お父様やエルヴィン、ユリアン、ユリアーナも。だから寂しくないし、平気なはずよ。

自らに言い聞かせ、ゆっくり深呼吸した。足音が聞こえる。リリーかマーサね。ゆっくりと口角を引き上げ、笑顔を作った。女主人が不安そうにしていたら、皆にうつってしまうわ。ほら、笑って「おはよう」と挨拶をしなくちゃ。