軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

335.陛下と殿下が勢揃い

案内の侍女について王宮内を奥へ進む。王族の居住区域は、がらりと色が変わっていた。以前より明るい色が増えて、そうね……春の庭のようだわ。色鮮やかで、でも心地よい明るさなの。ピンクや黄色などの華やかな差し色が映える。

絵画で色の変化を出すのは素敵ね。我が家でも取り入れてみよう。せっかく大量の絵画があるんですもの。定期的に入れ替えて、すべての絵を鑑賞しないともったいない。

「ケンプフェルト公爵夫人、公子様、こちらでございます」

丁寧な案内に、微笑んで頷く。レオン単独なら公爵令息と呼ばれるけれど、家族が一緒だから違う表現で立場を表すのね。今回は庭でも温室でもなかった。立派な応接室だ。

「お久し振りでございます、陛下」

「でちゅ! へぇか」

部屋の中には、国王陛下になられたカールハインツ様がおられた。以前と違って、軽く名前呼びはさすがに失礼よね。レオンはかなり挨拶を端折ったけれど。侍女という人目もあるので、敬称で挨拶をした。

室内で待機していた老齢の女性がお茶の支度を始め、マルレーネ様は案内した侍女に下がるよう命じる。彼女はたしか、マルレーネ様の実母とお聞きしたはず。

扉が閉まるなり、部屋の中の雰囲気は砕けた。

「レオ、あそぼ」

「うん」

レオンはルイーゼ様に頷いたが、手にしたままの箱に気づいた。迷って私を見るので、手を出して受け取る。

「運んでくれてありがとう、レオン。騎士様のお仕事はお休みして、遊んでいらっしゃい」

「あい!」

空いた手をルイーゼ様に差し出す。繋いで走り出した二人は、部屋の隅でしゃがみ込んで何かを始めた。見送ってから、国王陛下に向き直る。隣でローレンツ様がお行儀よく背を伸ばした。

「カールハインツで結構ですよ、アマーリア夫人」

「ありがとうございます、カールハインツ様。ローレンツ様は少し背が伸びた気がしますね」

立派な王としての貫禄を身につけつつあるカールハインツ様は、髪型も変えていた。以前と違い、前髪を掻き上げているのだ。雰囲気が大人っぽくなった。少しだけ……気の毒に思ってしまう。でも王族に生まれ、人に傅かれる立場で育った。その対価が民を幸せにする王になることなら、仕方ないのかしら。

ローレンツ様は成長期なのか、背が伸びた気がする。騎士の訓練を受けていると聞いて、納得した。部活を始めたら背が伸びた、前世での話を思い出したのだ。

「アマーリア夫人、今日はありがとう。無理をしていないといいけれど」

「マルレーネ様が公爵家にいらっしゃるのは、難しいですから。私は今日、夫の差し入れに来ただけですわ」

だから気にしないでほしい。微笑んで伝えると、マルレーネ様の表情が柔らかくなった。ご家族が揃った部屋で、持ってきたケーキの箱を手渡す。

「こちら、お茶菓子にどうぞ」

ふふっ、意味ありげな笑みを浮かべてしまったわ。