作品タイトル不明
デッドフロッグ討伐
義足のアーデンがいるので、馬車で沼に向かった。クラン所有の大型の鳥が馬車に付けられ、すごい早さで進んでいく。
オンが身を乗り出して、「すごいですね~」と楽しそうに言った。
エドガーは上下に揺れる馬車に酔って、真っ青になっている。
沼に着くと、腐ったような臭いが漂っていた。デッドフロッグが相当数いるのだろう。
エドガーは酔った上に悪臭を嗅いで、倒木の上に座り込んでしまった。
「殲滅すればいいのですか?」と、オンがきょろきょろ回りを見ながら質問する。
「いや、数を減らします。こいつらは虫を食べてくれるし、蛇系のモンスターのエサにもなる。蛇系がエサを求めて人里に出てきたら困るので」
と、ルナが答えた。
「んじゃ、何匹以上で何匹未満?」
サァラが端的に確認する。
「五匹以上で十匹以下だね。それ以上は生態系が崩れるから」
ルナはちらりとオンを見た。
オンはなぜ見られたのか理解できていないようで、にこりと微笑み返す。
「じゃあ、まず一匹を仕留めたいと思います。陸に上がっていて、近くに他のデッドフロッグがいない個体を狙いましょう。沼に逃げ込まれたら深追いできないので、工夫が必要です」
俺は簡単に作戦を説明した。オンに、一匹目は手を出さないように頼んでおく。
アーデンには、デッドフロッグが沼に向かったら投石してもらう。フォンがいたら風魔法でデッドフロッグを固定してもらって、アーデンにも攻撃に参加してもらえたのだが……とちらりと思ってしまった。
俺は木製の盾をデッドフロッグに投げつけた。位置を変えて、何個も貼り付ける。
粘膜に貼り付いた盾を、サァラが蹴って打撲を与える。ドガッ、ドゴッと音がするが、デッドフロッグはうっとうしそうに目を向けるだけだ。
舌でサァラを攻撃しようとしたところを、ルナが待ち構えてその舌を切り落とした。
ゴゲェエェと悲鳴を上げ、デッドフロッグはようやく本気になった。重たい前足をビタンと動かし、下草が濡れて汚れる。
誰を狙うつもりだ?
サァラはデッドフロッグの背中で跳びはねている。舌で攻撃されなくなったので大胆だ。
ルナは舌を斬った敵として認定されている。
俺はたぶん、一番弱い。
他の人たちは、デッドフロッグの攻撃範囲より遠くにいる。
デッドフロッグが迷っている隙に、サァラが粉を撒いて背中から飛び降りた。
粘膜を乾燥させる薬だ。デッドフロッグはサァラを睨みつけ、息を荒くした。
飛び跳ねて、サァラを追う。
「させるか!」
ルナは地肌が見え始めたデッドフロッグの足を切りつけた。
ビシャッと体液が広がり、新たな悪臭が立つ。思わずルナは顔をしかめた。
サァラは後ろに飛んで逃げたが、デッドフロッグの前身は止まらない。
ちょっとヤバイか?
焦ったときに、アーデンが石を投げつけた。石がデッドフロッグにめり込む。皮膚が破けて体液が散る。
次々と投げられる石つぶてに、デッドフロッグは弱っていき、沈黙した。
なんだか、すっきりしない倒し方になってしまった。俺の作戦が噛みあっていない……?