軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

冒険者として活動したいが……

いい機会だからはっきり言っておこうか。

「俺は行く前に調べ物と作戦を練る必要があるので、即日に動く依頼は受けられません」

そう、最大のデメリットは、俺には準備の時間が必要だということだ。

多くの冒険者たちは、それを待ってくれない。

「だから、今日はどんな依頼があるか見に行くだけです」

そう言うと、集まってきた冒険者たちが散っていく。「なーんだ」「使えねぇ」「声かけて損した」と勝手なことを言っている。

こういう反応には慣れているとはいえ、傷つくな。俺は奇跡のようにパッと何かができるわけじゃないんだ。

「んもう! 馬鹿ばっかりにゃ」

サァラが代わりに怒ってくれる。

「でも、三人だけで行動するなとは言われているんだよな。事務の人に申告して、護衛をつけてもらわないと。面倒くさいけど」

ルナはそう言って、ミルクを飲んだ。

「でも観光は三人で行っただろ?」

ふと疑問が浮かんだ。

「あの日も護衛は付いていたよ。たぶん隠密系のスキルを持っている人だと思うけど」

ルナがさらりと、何でもないことのように……。

「え、でも、高台で……」

「気にしたら負けにゃ」

サァラが笑顔で俺の言葉を遮った。

ちょっと、待て。どういうことだ。

俺は両手で顔を覆い、しばらく動けなくなった。羞恥心が……故郷とこの国とで、性規範が違うのか? ここで暮らしていく自信がなくなってきた。

「おい、何やってんだ」

アーデンが俺の背中をバシッと叩いた。勢いで顔から手が外れ、テーブルに突っ伏しそうになる。

目の前には食べ終わった朝食の皿がある。危ないな、もう。

振り返ったら、アーデンが片手に朝食の皿を持って、ニヤニヤしていた。

後ろから来たエドガーが「おはよう。君たちはゆっくりしているんだね」と言いながら、隣に座る。

「そろそろ冒険者活動を再開しようかと相談していて……」

冒険者ギルドの依頼は、早い者勝ちというものが多い。だから、今、食堂にいるのは、今日は休む予定の人たちだ。

「肩慣らしに軽い依頼を受けるなら、俺も参加していいか? 大剣は振るえないが、スリングで石を投げたりできるぞ」

アーデンが腕をグルグル回して、アピールする。

「危険がないなら僕も見学したいな」

エドガーがそんなことを言い出した。

「実は、アーデンから聞き書きした話を出版しないかという話があってね。戦闘シーンに迫力が足りないと思っているんだ」

そんな理由で依頼に付いてくるって……なに、その行動力。

出版? 村長の息子なのに、村の仕事どうすんの? というか、隣国に長期滞在しすぎじゃないか。

エドガーからの情報量が多くて、頭の中を疑問が駆け巡る。

「あの、あたし、護衛はできないけど、索敵が得意です!」

そんな声が聞こえた。もしかして、俺たちに話しかけている?