軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

レアル湖デイキャンプの開始をここに宣言する!

あの後もみんなで飲んで食べて泥のように眠って…………。

現在、良く晴れた青空の下、大街道……の脇を 野営車両(モーターハウス) にて走行中でございまする。

……みんなアレだけ飲んでたのに、誰一人として二日酔いになってないし睡眠不足気味な感じもないんだから凄いよね……!

なお、今日の助手席はアリアさん。乗ってみたかったんだってさ。氷色の瞳をキラキラさせて、乗り心地や窓の外の風景を楽しんでるみたいだ。

ごまみそに関しては、助手席の下……アリアさんの足元で丸くなってプースカ惰眠を貪っていた。

神経が太いというか、なんというか……。まぁ、吐いたり騒がれたりするよりはいいか、うん。

「すごい! はやい!!!」

「このペースだと、お昼前にはレアル湖まで行けそうですねぇ。お昼は湖畔で食べましょうか?」

「うん! うん!! ご飯、楽しみ!!」

私自身が少しこちらの世界での運転に慣れたのか、脇道走行でもそれなりの速度を出して走れるようになっている。

ヴィルさんと一緒にレアル湖からエルラージュに来たときは3時間くらいかかったけど、今度はもう少し早く着けるんじゃないだろうか??

まー、日中は魚の活性も低いだろうから釣れるかどうかはわかんないけど、手持ちの食料はいっぱいあるし、何とかなるんじゃないかな??

ナビに従ってガタゴトと脇道を進んでいくと、林が多かった風景から次第に草原へと変わっていく。

あー、そうそう。こんな感じだった!

「レアル湖……お魚、釣れる、かな??」

「さぁ……こればっかりは…………私、凄腕ってわけではないですからねぇ……」

「釣れるように、応援、する!」

期待に満ち満ちた氷色の瞳に見つめられ、ここは「釣れますよ!」って言いたかったんだけど……それを裏打ちできる実力がね……ちょっとね……ない、もんね……。

でも、煮え切らない私の言葉にアリアさんはがっかりした様子も、失望した様子も見せなかった。にこにこと笑いながらググッとこぶしを握って、応援する気満々で答えてくれた。

何かねぇ……こういうところが本当に嬉しいというか、ありがたいというか……。

皆さん本当に人間ができていらっしゃる……!

後ろの 居室部分(キャビン) では、男性陣がわいのわいのと何かを話しているようだ。

エンジン音が被っているせいで何に関して話しているのかまではわからないけど、楽しそうな表情を見るに明るい話題のようだ。

「よーし! このへんで良いかな?? 確かこの前もこのへん……だった気がするし!」

「はやかった……! もう、ついた!!」

「徒歩だったら何日か野宿しなくちゃいけないことを思うと、すっごいスキルだねー……!」

「これが役立たず、には思えないのですけれどねぇ?」

何となく見覚えがあるような場所に 野営車両(モーターハウス) を停めると、半ば呆然としたような面持ちでみんな車から降りてくる。

初日に街で見かけた二足歩行の恐竜……ヴェロックによる馬車、というか竜車も早いらしいけど、それなりのお金が必要なんだそうな。

その点、 野営車両(モーターハウス) は私がいれば乗り放題だもんな!

私はこちらの世界での安全な生活を、みんなは移動手段とご飯とを得られて……割合にWin-Winだと思うんだけど、どうだろうか??

……いや、好き放題にご飯作ってるだけなのにこの待遇って、私の方が得してるんじゃ……??

うむ。これは格差是正のためにも、ご飯作りに気合が入りますな!!

「リン! 野営車両(モーターハウス) の中で話していたんだが、俺たちで周りを哨戒してくるついでに、薪になりそうな枝でも拾ってくるか?」

「あ、お願いしても良いんですか?」

「ああ。護衛にアリアを残しておくから、設営と食料確保を頼んだ! 朝飯を簡単に済ませたおかげで、みんな腹ペコだろうからな」

「了解です! お腹に溜まるもの、用意できるようにしておきます!」

ぽんと肩を叩かれて振り返れば、軽装ながら武器と防具を身に付けたヴィルさんが立っていた。

あ。さっきキャビンで話してたのって、そのことだったんですね。非常にありがたいです! 速攻で受けさせていただきますよ!

地味に大変なんだよ、薪集め……嵩張って量が運べないんだもん……。

その代わり、薪集め分のカロリーに見合うご飯は作りますから!

「よし! まずは設営して……食材獲りしますかね!!!」

『朕も! 朕もおてつらいする!! ねこのて、かす!!』

「うん。それじゃあ、ごまみそは車の上で見張りお願いね! 私は設営しちゃうから」

『みはり! 朕とくい!!』

ようやく起き出してきたごまみそが、足元をちょこまかと動き回る。

蹴りとばしたり踏んだりしそうで怖いので、高い所での見張りをお願いすると、むふんと胸を張ったごまみそがふわりと屋根に飛び乗って、さっそく見張り業務に就いてくれた。

ごまみそ、こういう素直な所が可愛いんだよなぁ……。

「リン! わたしも、手伝う!」

「ありがとうございます! 一緒にやりましょう!」

クイクイと服の裾を引っ張られて目を向けると、アリアさんがわくわくとした様子でこちらを見つめていた。

なんだろう……このキャンプが楽しみで仕方ない子ども感……。

本当は大した設営もないんだけど、この無邪気な行為を無下にできない……!

本当は出す予定はなかったけど、アルミテーブルとか椅子とかも出しちゃおうか……。

何はともあれ、調理に必要な焚火台や火消し壷を収納庫から取り出しつつ、アリアさんに何をしてもらおうかと頭をフル回転させることにした。