作品タイトル不明
冒険者アルと校舎裏の冒険者達②
第40話 冒険者アルと校舎裏の冒険者達②
冒険者アルは仲間になったメンバーと共に、ヤマタニからブエナ街ネズミ魔物討伐依頼を受けやって来た。
仲間の報酬も稼がねばならないし、ヤマタニの依頼なので是が非でも、依頼を達成せねばならなかった。
街に到着すると、先ずは町長の家まで行き、依頼内容と状況把握をしに向かう。
そして街の人から場所を聞いて、町長の家に行き、扉をノックした。
「トントントン。」
「誰かいますか?」
「トントントン。」
「誰かいますか?」
中から足音が聞こえてきた。
「はいはい。どちら?」
中年の男が扉を開けて顔を覗かした。町長のハイタだった。
「冒険者パーティーです。ネズミ魔物討伐依頼を受けてやって来ました。」
アルは討伐依頼書をハイタに見せた。
「あー。ネズミ魔物か。穀物倉庫と、小麦畑にわんさかいるから、どんどんやってしまってくれ!」
「倒したネズミ魔物の死体で報酬上乗せするから、あとはよろしくー。」
そう言ってハイタは戸を閉めてしまった。
「ちっ。なんか勝手だな。」
アルは正直ムッとしたが、パーティーメンバーも増えたし、やるしかない。
「じゃ〜先ずは穀物倉庫からいってみよー。」
初めての街だったので、勝手がわからないが、街の人に聞いて、なんとか穀物倉庫前まで到着した。
倉庫の番人に領主ヤマタニ様の依頼書を見せたら、簡単に倉庫の扉を開けてくれた。
「では、コネリー先生。仕掛けを頼む。」
アルが、コネリーは皆にネズミ魔物の罠を作って見せた。
「そして壁際にネズミ魔物罠を何箇所かしかける。どうだ、簡単だろ?」
コネリーはそう言ったが、皆の反応は悪い。
「一応仕事の説明してるんだからさ。何か反応してくれよ?」
コネリーは困った顔をして訴えた。
「あー。その罠知ってるから。」
「そうね。」
「普通のネズミの罠を大きくしただけじゃない。」
コネリーは皆の反応を聞いてガクッときた。
「はいはい。では夜までに畑の持ち主さんを回って挨拶しよう。」
「挨拶が終わったら、宿屋に行って夜までに寝ておいてねー。」
「夜になったら飯食って、畑の巡回と罠設置だから、よろしくー。」
アルの説明に皆が声を揃える。
「はーい。」
◆
夜になったら全員食堂でパンとスープと惣菜を食べた。
皆、変な時間に寝て、まだなんか眠そうだ。
ぞろぞろと畑を皆で回る。
途中でコネリーとアルは 排膿(はいのう) から罠を取り出し仕掛ける。
「こんな罠でネズミ魔物がかかるの?」
ララやマリーは聞いた。
「あぁ。前もこの罠でネズミ魔物をやったから間違いない。」
アルは自信あり気にいった。
「この罠をアルに教えたのはこの俺だ……。」
コネリーの言葉はスルーされ誰も聞かない。
以前アルやコネリーが巡回した場所より、遥かにだだっ広い小麦畑。
はじめは全員で回ったが、慣れてくると二人一組で罠をしかけて巡回した。
「かなり歩いたけど、まだ半分以上ないか?」
「これは先が思いやられる。」
アルとコネリーが話していた。
「きゃあ!」
と女達から悲鳴があったから、やってくると。
「なんだ、ネズミ魔物が罠にかかっただけか。」
「だって~気持ち悪かったから。」
とりあえず、アルがショートソードでトドメをさした。
「先ずは一匹目だ。」
「君等もネズミ魔物討伐するんだよ?相手は魔物なんだから、殺らないとやられるよ?」
アルは釘を差した。
そうして朝までに28匹のネズミ魔物を討伐した。
「初日はこんなもんか。」
「ギルドにネズミ魔物の印を持って、換金しよーじゃないか。」
朝一番で仕事を終えたアル達は、ギルドに行き1日目の仕事は終わった。
◆
二日目は、仕事を覚えた皆はあちこちに分散して52匹のネズミ魔物を討伐した。
穀物倉庫に仕掛けた罠を見に行った。
だがしかし、穀物倉庫に仕掛けた罠はみんな無くなってしまっていた。
倉庫の番人に聞いたら、穀物の搬入時に誰かが踏んずけたのだろう。邪魔だったから処分したらしい。
「ふーん。そうなんだ。」
では、ここには仕掛けても駄目かもな。
「穀物倉庫の回りにでも仕掛けて行うか。」
「街中にも魔物はいるのか?」
コネリーはこう言うが、罠をはってみないとアルにもわからない。
畑に52匹プラス倉庫には0匹だった。
こうして着実にネズミ魔物は討伐されていく。
しかし町長ハイタはアル達冒険者を遠くから見てニヤリと笑った。
「冒険者か。これはこれで使える。」
ハイタの近くで潜んでいる者たちの陰は、不気味に黒い闇が伸びていた。
不気味な陰も笑って、アル達冒険者を見ていたのだった……。