作品タイトル不明
冒険者アルと校舎裏の冒険者達①
第39話 冒険者アルと校舎裏の冒険者達①
仕事をもらえて助かるが、ヤマタニのおっちゃんも人使いが荒い。
「ヤマタニのおっちゃんは魔物退治。ここは俺らが、キッチリネズミ魔物退治だ。」
「おー。」
コネリーは控えめに合わせる。
二人で危険な街道を西へと進む。
だが西の街道には魔物が多かった。
ゴブリン5匹程度なら、二人でなんとかやっつけたが、狼魔物やボブゴブリンの集団は流石に無理だった。
「おい、これではブエナに行く前に、こっちが魔物達に討伐されちまうぞ?」
アルは街道を戻りながら、コネリーに話した。
「だなー。敵魔物の数が多いな。」
「どうするよ?作戦担当。」
「作戦担当って俺が、か?」
「そうだコネリーは作戦担当だ。」
コネリーはまんざらではなかったが、少し考える。
「うーん。」
やがてコネリーは思いついた案をアルに話した。
「相手が数出すなら、こちらも数だ。」
「他の冒険者を仲間に引き込むのか?」
「うん。あと二人の前衛とあと二人の後衛で六人パーティーなんかどぉよ?」
コネリーは名案だと得意な口調だ。
「いいねぇーいいねぇー。」
二人はサンブレロに新たに出来た、冒険者ギルドへと向かった。
◆
冒険者ギルドでパーティーを募集する。掲示板に下手な字で"アルとコネリーのパーティーメンバー求む"
こうした掲示板の募集は、ギルド員の許可があれば張り出してもよかった。
しかし数日待っても、誰も来なかった。
仕方なく、直接知り合いをあたって仲間に引き入れようとした。
「いやー間に合っているよ。」
「お前らみたいな臭いのと組みたくないね。」
なんだと!臭い?排水処理のワーム退治がたたっているのか?
とにかく冒険者は集まらなかった。
仕方なく、孤児院の裏で悪さしている悪ガキ連中を誘って仲間にした。
コネリーの2番目に弓が得意なベン
弓とナイフ使いのララ
戦士タイプのハックル
魔道士志望だが魔法が使えないマリー
みんなもう卒業の年頃だからと、アルが冒険者ギルドへ引っ張って行き登録させた。
「お〜。お前らこれで立派な冒険者だな。」
「ってアルよ。お前が強引に登録させたんじゃねーか。」
ベンは強くアルに言った。
「なぁに言うか。いつも孤児院の裏で弓矢で遊んだり、冒険者ごっこしてただろーによ!」
「それによ。ヤマタニのおっちゃんの直々の依頼なんだぞ?」
アルはヤマタニからの依頼書(ヒラリーが書いた依頼書)をみんなに見せた。
「あ、本当だ。」
「あたし、アルの頼みならやってもいいよ。」
マリーはアルを見ながら、少し顔を赤らめていう。
「マリーがいくなら、あたしも行く。でも報酬はちゃんと貰えるんでしょーね?」
ララはちょっとつり目でアルを睨む。
「報酬は出来合いだからな。それにヤマタニに恩返し出来るチャンスだぞ。」
「俺、ヤマタニのおっちゃんに恩返し、やる。」
ハックルは力はあるが話し方が何処か変だ。
こうして六人パーティーとなった。
ヒラリー奥様にお金を借り、武器防具を整えて西の街道に向かう。
こんなパーティーでブエナまで行ってネズミ魔物退治できるのか?
冒険者アルは、期待と不安で心が揺れた。
◆
アル達は西の街道をぞろぞろと徒歩で進む。
「なぁ、アルよ。」
「なんだ?コネリー」
「乗り合い馬車に乗ったら、安全で速くねーか?」
コネリーの意見は的を射ていた。
確かにそうだった。乗り合い馬車には、少いがガードもいたし速くて安心だった。
「それはそうなんだけどよ。馬車代がバカにならないし、街道に出るくらいの魔物を倒せないでどうする?」
アルの返しもなかなか筋は通っている。
わいわいと話をしていたが、偶然にも先を行く冒険者パーティーが魔物を倒していたから、アル達は無傷でブエナに到着出来た。
「魔物も俺達見てよ、ビビって出てこなかったな。」
「俺ゴブリン倒したかった。」
「俺も、俺も。」
「あたしアルがいたから安心だった。」
「あたしは得意の弓矢で一匹くらいは倒したかったな。」
コネリーは思った。正直駆け出しパーティーでよく無事にブエナまで来れた。
ほっとして、ため息をつき、胸を撫で下ろした。
「そう言えばパーティー名どうするの?」
ララが言った。
「パーティー名、俺適当な名前付けといたぞ。」
「校舎裏の冒険者。」
アルが話した。
「えーっ!何それー?」
アルが話したら、みんな一斉に声を揃えた。
どうやらアルがつけたパーティー名は、アルを除いたメンバー全員が反対だった様だった…。