軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

絶体絶命、ブエナ防衛戦

第29話 絶体絶命、ブエナ防衛戦

ネズミ魔物はとりあえずアルらに任せて、騎士をあと10〜20名増員したい。

兵士もあと20〜40名くらい欲しいところだ。

とりあえず募集する。

仕事にあぶれた浪人や一般肉体労働者や浮浪者までかき集めた。

一般兵は能力が高くなくてもよいが、騎士はやはりある程度強くなくては務まらない。

ベルナードやドゴールに見てもらい、選抜して選んだ。

「なぁゴドール君、募集したら希望者が前より多くなった気がしないか?」

ヤマタニは不思議そうにゴドールに言った。

「それはヤマタニ様の為に働きたいのでしょう。」

「そうなのか?」

「はい。普通騎士は貴族がなるもので金がいります。騎士は武器防具は自前で揃えますが、ヤマタニ領主は全部貸していただけますからね。貧民でも能力があればなれます。」

「そうなのか?知らなかった。」

ゴドールは笑って、選抜の仕事を続けた。

「まぁいいか。武器防具は鍛冶屋のマックス達が作るのは得意だから、また追加発注しとこう。」

あとは街の防衛用に、防壁の上にバリスタを運ばせた。

これで強い魔物も撃退できるだろう。

後は一般兵達に弓矢を追加して運ばせた。

そうしてブエナの街防衛準備は着々と進んで行った。

「大変です!ブエナに蛮族の大群が来襲しました!」

「なんだって?」

そんな矢先に、ブエナ街に蛮族の襲来があった。

こちらは、まだ準備が不充分だ。

急いでゴドールに増員兵と共に先に行ってもらうことにした。

ヤマタニも装甲車で駆けつけたかったが、あいにく装甲車は整備中で、すぐ出せなかった。

「俺は後から装甲車で行くから、ゴドール君らは先発してくれ。」

「わかりました。」

深夜のブエナ街の周辺は、ひっそりと静まりかえっていた。

しかし蛮族の集団数百名が、ブエナ街の外に集まっていた。

その蛮族の集団がいる場所には、松明の火が見えていて、街の者は震え上がっていた。

「ミランド副団長、敵はこちらのほぼ十倍以上はおります。」

「やばいですよ。」

「………………。」

そんな報告は受けなくても見れば解った。

問題は長い時間持ちこたえて、増員兵を待つだけだった。

「なぁに、ヤマタニ様が装甲車で来れば、あっという間に蹴散らしてくれる。」

と周囲の兵士を鼓舞していたミランドだったが、一番ヤバいと感じていたのはミランドだったかもしれない。

ブエナ街では、全ての門が閉められ蛮族襲来に守りの姿勢で対処した。

城壁の上から一般兵が弓をつがえながら、蛮族が来るのを待ちかまえる。

だが、蛮族はただ闇雲には突っ込んでは来なかった。

統制は取れている。よい指揮官がいるに違いなかった。

こんな小さな街は、あの蛮族の大群が一気に来たら、防ぐのは困難だ。

しかし無情にも合図のドラが打ち鳴らされた。

「ドォーーーーーン!」

続いて進軍の太鼓が鳴り響いた。

「ドンツクドンツクドンドン!」

火がついた荷車が城門へ突っ込んでくる。

「あの荷車を越させるな!」

ミランドの号令で荷車を押す蛮族を弓矢で攻撃した。

火のついた荷車を押していた蛮族は次々と矢で倒された。

だがしかし、またあらたな蛮族がやって来て荷車を押してきた。

しかも長梯子を持った蛮族達もやって来た。

手が足らない。

「とにかく壁まで取り付かせるな!」

ミランドは自ら矢を放ち、何人かの蛮族を倒していく。

しかし数が圧倒的に多い。

こちらも兵士は20人程度、やはり数が足らない。

敵は石を投げたり、弓矢を放ってくる。

物陰に隠れながら敵を一人づつ攻撃するしかない。

ミランドから右手の奥にいた兵士が矢を受け倒れ、梯子がかけられた。

ミランドが慌ててかけつけ梯子を蹴り飛ばしだ。

「ていっ!」

そうしているうちにドラが鳴り響いて、第二波がやって来た。

「ドォーーーーーン!」

それでも懸命にミランドは敵を食い止めてきたが、

門にあの荷車が突っ込み、火がかかる。

門の火を消せ!

街の者が懸命にバケツに水を入れて火を消そうとする。

だが、門の反対側の火はどんどん燃え上がる。

石壁の上では次々と梯子がかけられた。

ミランドも数が多くて、梯子を蹴り飛ばしても間に合わない。

ついに梯子を登ってきた兵が斬りかかり、次々と兵士がやられた。

ミランドは登ってきた敵兵を次々と倒したが、だんだんと追い込まれていく。

「ううっ。すまない、ここまでか。」

そう思った矢先に一台のトラックが外壁周囲の兵士をなぎ倒して行く!

「騎士カミル参上!」

カミルの部隊がトラックの荷台に乗り、弓矢や槍で攻撃しながら外壁の敵兵を一掃してくれた。

カミル隊の参戦でミランド隊の士気が一気に上がった!

しかしカミル隊が通り過ぎると、また敵兵士が取り付く。

カミル隊のトラックの参戦で乱れた蛮族は、騎馬隊をカミル隊へ向かわせた。

カミル隊のトラックに妨害されたのが、よほど気に入らなかったためか。

カミル隊は騎馬隊と交戦てなり、ジリジリと騎士団が追い詰められる。

「せっかくカミル隊がきたが、これでも駄目か。」

門は燃え上がり、外壁の上の兵士もだいぶやられていた。

カミル隊も自由に動けない。

絶体絶命だ!

しかし、そこにゴドール隊のトラックが現れ、壁の梯子を薙ぎ払う。

「騎士団長ゴドール推参!」

一気にまた士気が上がる騎士団。

だが門は燃え上がり、今にも崩れ落ちそうなっている。

二台目のゴドール隊トラックに、敵は新たな騎馬隊を差し向けてきた。

これでゴドール隊もしばらくは未動きができなくなってしまった。

再び騎士団側がジリジリと押され、劣勢てなって行く。

蛮族は門に斧を抱えた突撃部隊を繰り出してきた。

この蛮族部隊の精鋭だろうか。

門が焼け落ちた瞬間に、一気に街へなだれ込もうとしている。

ミランドは手いっぱいで動けない。

カミルもゴドールも敵に囲まれて、すっかり応戦する一方だった!

最大のピンチが訪れようとしていた。

今、門が焼け落ちたのだ!

ここぞとばかりなだれ込む蛮族兵士。

だが門の内側に鉄の車の陰があった!

「ブォーーーー」

影の車のヘッドライトが点灯すると、物凄いクラクションの音が鳴り響いた。

ヤマタニの装甲車が今やっと参陣したのだった。

ヘッドライトとクラクションの音で蛮族精鋭部隊は勢いを失い立ち竦んだ。

つづいてヤマタニ装甲車の機関砲が火を吹いた!

「ババババババババォーン!!」

装甲車の機関砲が次々と蛮族精鋭部隊を蹴散らして圧倒した。

精鋭部隊はあっという間に消え去り、ただの死体の山になる。

ミランド隊を散々苦しめた、壁周囲の敵を機関砲で一掃する。

「ババババババババババババッヒューン!」

つづいてヤマタニ装甲車は、ミランド隊に群がる騎馬隊に機関砲を撃ちはなった。

「ババババババッ!」

薬莢が飛び散り、騎馬隊のほとんどが倒された。

つづいてゴドール隊に群がる騎馬隊に突っ込んで行き、騎馬隊を薙ぎ払ってゴドール隊を救出する。

「残るはあの本体の敵か?」

ヤマタニは敵本体に装甲車を向け停止した。

「敵本体に一斉攻撃する!近づくな!」

ヤマタニは窓から大声で怒鳴った!

最後に、敵本体にロケット弾一斉発射する事にした。

「3、2、1」

敵本体はヤマタニが何をしているかわからない。

敵司令官はヤマタニが逆上し喚き散らしているのだと勘違いし、あざけ笑った。

「わっははははは。」

「あれで勝ったつもりか、本体はまだまだ部隊がのこっているんだぞ。の!」

「わはははっ」

次の瞬間

「ん?」

「シュルシュルシュル!」

「ドカッドカッドカッ!」

新型ロケット弾が炸裂し蛮族の本体は、ほとんど壊滅したのだった。

ヤマタニの装甲車があと数分間に合わなかったら、大敗していたのはヤマタニ部隊だったかもしれない。

夜明けの日差しと硝煙の匂いで噎せ返るような朝だった……。