作品タイトル不明
街道に魔物が湧いてくる謎
第9話 街道に魔物が湧いてくる謎
街道に、理由の分からない謎の咆哮が響いた。
ヤマタニは思わず身を震わせる。
弾薬も残り少ない以上、ここでの戦闘は危険すぎた。
「……撤退だ。いったん引く!」
しかし、その命令にゴドールは首を横に振る。
「せっかくです。正体を突き止めてから帰還いたします!」
そう言い残し、ゴドールは三騎を率いて偵察へ向かってしまった。
残された騎士団は、ヤマタニと共にサンブレロへ帰還する。
――だが。
日が落ちても、ゴドールたちは戻らなかった。
◆
翌朝。
ヤマタニは装甲車と騎士団を引き連れ、捜索に向かった。
道中にはロックゴーレムの残骸が転がっている。
すでに魔晶石は回収されていた。
「こうして見ると、ただの岩だな……」
騎士たちと協力し、街道を塞ぐ岩をどかしていく。
その後も進むが、魔物の気配はない。
やがて、例の森が見えてきた。
しかしその手前で、装甲車のバッテリーが切れる。
交換作業のため、一時停止となった。
「昨日の咆哮……あの森の方からでしたね。」
カミルがぽつりと呟く。
「ああ……嫌な感じがした。」
ヤマタニは小さく息を吐いた。
だが――ゴドールたちが気がかりだった。
交換を終え、一行は森へと入る。
しばらく進むと、戦闘の痕跡が現れた。
折れた枝。
木に突き刺さった矢。
えぐられた地面。
「ここで戦っている……。」
ミランドが蹄の跡を見つける。
一行は徒歩で追跡を開始した。
細い森道を進む中――
ヒヒーン!
遠くから馬の鳴き声が響いた。
「いたぞ!」
全員が駆け出す。
辿り着いた先には、無数の魔物の死骸が散乱していた。
狼、トカゲ、コウモリ、蜘蛛――
種族はバラバラだ。
昨夜、激戦があったのは間違いない。
その奥。
開けた場所に、一頭の馬がいた。
駆け寄ると、岩陰に――
ゴドールたち四人が倒れていた。
「生きてます! 気を失っているだけです!」
安堵が広がる。
だが同時に、ヤマタニは判断した。
「……ここは危険だ。撤収する!」
騎士団長たちは蒸気トラックへ運び込まれる。
指示はしていないが、騎士たちは魔物素材も回収していた。
「こんな場所、長居は無用だ。急ぐぞ!」
一行は森を抜け、街道へと戻る。
その先――
開けた岩場に出た瞬間。
ヤマタニは息を呑んだ。
「……何だ、あれは。」
そこには――
魔物の大群が待ち構えていた。
「なんでこんな数が……!?」
次の瞬間。
魔物たちは一斉に襲いかかってくる。
ヤマタニは即座にハッチを開け、叫んだ。
「火力で道をこじ開ける! 突破するぞ!」
「おおおおっ!!」
ロケットランチャーが火を吹く。
バシュン! バシュン! バシュン!
――ドォォォン!!
爆風とともに魔物が吹き飛ぶ。
続いて機関砲。
ババババババッ!!
前方の魔物をなぎ倒しながら、装甲車は突進する。
左右から迫る魔物は、ミランドやカミルが斬り伏せる。
激戦の末――
ヤマタニたちは、ついに包囲を突破した。
だが。
魔物たちはなおも追ってくる。
「全速力だ! 振り切るぞ!」
装甲車は轟音を上げ、街道を駆け抜けていく。
――その様子を。
岩場の上から、じっと見下ろす影があった。
ヤマタニたちが遠ざかるのを確認すると、
「……ちっ」
舌打ちが響く。
その影は――
明確な敵意をもって、ヤマタニを見ていた。