軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ヤマタニ卿のロックゴーレム討伐

第8話 ヤマタニ卿のロックゴーレム討伐

遠距離輸送は、蒸気トラックに頼っていた。

サンブレロ高原を越え、岩場付近の街道に差し掛かったところで――

数十体ものロックゴーレムが出没し、通行は完全に遮断されていた。

この街道が封鎖されれば、サンブレロ街は大きな打撃を受ける。

食糧の輸送が滞る。

さらに蒸気トラックやバスの納品も止まってしまう。

迂回路はあるが、大幅な遠回りとなり、輸送費は膨れ上がる。

――討伐するしかない。

冒険者ギルドにも依頼は出したが、数の多さに尻込みされ、受け手は現れなかった。

「こうなれば、騎士団で対処するしかありますまい。」

ゴドールが言う。

「だが……あの数を騎士団だけで倒せるのか?」

ヤマタニの問いに、ゴドールは言葉を失った。

「……一体ずつ誘き出し、各個撃破するしかありませんな。」

「そうか……なら俺も出る。」

ヤマタニは、魔物討伐の経験など一度もない。

「ヤマタニ様が……?」

「恐ろしいが……やるしかないだろう。」

逃げたい気持ちはあった。

だが、ここで引けば被害は広がる一方だ。

「俺は装甲車で出る。」

「おお、あれなら岩の装甲も砕けましょう。」

翌日――

ヤマタニ装甲車改と騎士団は、討伐へと向かった。

「ロケットランチャーは静止目標には有効だが、動く相手には当てづらい。」

ヤマタニは冷静に指示を出す。

「俺は後方で待機する。騎士団は誘導して射程内に入れてくれ。」

「了解!」

ゴドールは三部隊に分けた。

ミランド隊、カミル隊、そして本隊。

やがてミランドが一体目を引き連れてくる。

関節には矢が突き刺さり、動きが鈍っていた。

「照準……発射!」

――バシュン!

――ドォォン!!

直撃。ロックゴーレムは粉砕された。

二体、三体と順調に撃破していく――が。

「二体同時です!」

「一体ずつって言っただろ!」

叫びながらも、ヤマタニは引き金を引く。

一体目は撃破。

だがもう一体が装甲車へ突進する。

――外した。

「くそっ!」

再度発射。

――ドカァン!!

至近距離での直撃。破片が装甲車を叩きつける。

「……近すぎるな。」

やがて弾は尽き、再装填を指示する。

だがその隙を突くように――

「三体来ます!」

騎士団は必死に足止めを行い、矢や槍を突き立てる。

「そんなに一度にはやれない!」

機関砲を連射。

――バババババッ!

削り続け、ついに撃破。

だがさらに二体が突進。

――バババババッ!

蜂の巣のように穿たれ、倒れる。

その時――

遠方に立ち上る土煙。

「……来るぞ。」

現れたのは、ロックゴーレムの群れ。

「その数は無理だって!」

ロケットランチャー、連続発射。

――バシュン、バシュン、バシュン!

――ドカドカドカーン!!

爆炎が荒野を覆う。

「やったか……?」

だが煙の中から五体が現れる。

「撃ち漏らしだ!」

機関砲で応戦するも、弾切れ。

「まずい……!」

「トミー、ハンドルを頼む!」

「任せろ!」

ヤマタニはハッチを開け、バズーカを構える。

揺れる車体。定まらない照準。

――撃つしかない。

――バシュン!!

爆発が二体の脚を砕いた。

「止まった!」

再装填――そして確実に撃破。

戦いは終わった。

街道を封鎖していたロックゴーレムは、すべて討伐された。

荒野には、夕日と土煙だけが残る――

「ガォォォン……!」

遠くで、何かの咆哮が響いた。

まだ、何かがいるのか――。

誰にも、それは分からなかった。