作品タイトル不明
倒産寸前テーマパークを逆転再生経営!
第3話 倒産寸前テーマパークを逆転再生経営!
ヤマタニランドは、ソンブレロモネダ商会の蒸気自動車などを目玉としたテーマパークだ。
しかし、このままでは入場者が少なく、確実に消えてしまう運命だろう……。
何とかケイトを説得し、新たなアトラクションの資金を獲得しなければ、客足は伸びない。
「頼むから、経理予算をテーマパークに回してくれないか?」
ヤマタニはケイトに頭を下げた。
「駄目です。」
即答だった。
「なぁ……どうしてもか?」
「どうしてもです。」
「夜サービスするから……。」
ケイトは顔を赤らめ、ぐらりと心を揺らされる。
「……では、今の入場者を増やして黒字にしたら、その時は出しましょう。」
「ケイト、愛してる!」
ヤマタニは勢いよく抱きしめ、そのまま外へ飛び出していった。
残された経理部長は、完全に女の顔になっていた。
◆
ヤマタニはすぐにショーンを呼び出した。
「金をかけずにテーマパークを立て直したい。」
「自分は作るのが専門でして……そういう相談は苦手です。」
建設特化の男らしい、正直な答えだった。
「そうだな。すまない。」
◆
ヤマタニは一人、ベンチに座って頭を抱える。
そこへヒラリーが静かに寄り添った。
「あなたらしくないですね。」
「一人で悩むより、みんなで考えてみてはどうですか?」
その一言で、視界が開けた。
「……ありがとう。その通りだ。」
ヤマタニはヒラリーを抱きしめた。
すぐに関係者を集め、会議が開かれる。
「金をかけずに客を増やす方法はないか?」
「宣伝を増やしてはどうでしょう!」
若い男が言う。
(確かに……現代でも広告は基本だ。)
「花壇や池、ボートがあれば楽しいと思います!」
「なるほど……多少の投資で雰囲気は変わるな。」
「一日遊べるなら、ゆったりできる場所が欲しいです。」
(温泉や休憩所か……長時間滞在させる導線だな。)
そして――
「お金をかけないなら、みんなで何かやればいいんですよ。」
中年の男の一言に、ヤマタニの目が見開かれた。
「何かって?」
「バザーとか、お客さん参加型のイベントです。」
――それだ。
「それはいいアイデアだ!」
現代で見た“参加型イベント”。
コスプレ、体験型、交流――すべて応用できる。
◆
施策はすぐに実行された。
・汽車やバス、蒸気船にポスターを掲示
・入口に花壇を整備
・池に貸しボートを設置
さらに――
・貸衣装屋で貴族や冒険者体験
・広場でバザー開催
・商会へのテナント貸し出し
洋服屋、小物屋、菓子屋、靴屋。
次々と店が集まってくる。
空き地も期間限定で貸し出すと、酒場や喫茶店が参入。
さらに――
吟遊詩人、大道芸人、芝居小屋。
“人が人を呼ぶ仕組み”ができあがっていった。
(……できることは、こんなにあったのか。)
アトラクションに頼る必要はなかった。
発想を変えれば、金がなくても戦える。
ヤマタニは自分の思い込みを反省した。
あらゆるテコ入れの結果――
ヤマタニランドの来場者は、徐々に増え始めた。
そして――
止まっていた歯車が、再び回り始める。