軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

テーマパーク爆走完成!しかし客が来なかった。

第2話 テーマパーク爆走完成!しかし客が来なかった。

ヤマタニランドは――完成してしまった。

しかも、予定を大幅に前倒しで。

過剰な労働者によって、建設は想定をはるかに上回る速度で進んだのだ。

「おいおい、予定よりだいぶ早くないか?」

ヤマタニは現場監督のショーンに聞いた。

「はい。ヤマタニランドは当初の規模よりだいぶ縮小されましたからね。それに労働者も有り余るほどいましたから……。」

「それは良いんだが、あぶれた労働者のこの後の仕事なんだが、このテーマパークを維持管理する能力がある奴だけは残したい。」

ショーンは考え込んだ。

「すぐには答えかねますね。しかし最小人数で考えると……20人ほどでしょうか。」

——たった20人。

ソンブレロモネダ博物館、キャンプ場、レストラン、売店、ゲート、電気自動車の乗り物。

それぞれに配置していけば、それくらいが限界だろう。

これでは雇用対策にはならない。

当初は雇用対策と観光目的だったが、どうにもならないほど労働者が余ってしまった。

新たな対策は、また持ち帰って検討するしかない。

さて、オープンセレモニーとして関係者を集め、宣伝を行った。

立食パーティー形式で、各商会や流通業者、関係貴族、従事者や労働者など、多くの人々が訪れた。会場は大いに賑わっている。

しかし——

ヤマタニが案内をしても、どうにも反応が鈍い。

「ここが、遊園地施設予定地、植物園予定地、フードコート予定地、商業施設予定地です。」

「……ずいぶん、空き地が多いのですね。」

記者は苦笑した。

実際、予定地ばかりでスカスカだった。

ヤマタニは気を取り直して、現在ある施設の説明に移る。

「入場チケットを購入し、ゲートをくぐります。中央には広場があり、お弁当を食べたり池で遊べます。」

「園内は、ソンブレロモネダ商会の電気自動車が客車をけん引して一周します。各施設へは停留所で降りて移動できます。」

「こちらがキャンプ場です。給水所やシャワー、トイレも完備していますし、コテージもあるので手ぶらでも宿泊可能です。」

「博物館では当商会の製品を展示しています。主に自動車ですが、見学や体験も可能です。」

「レストランでは、先ほどのパーティーで提供したハンバーガーやホットドッグ、ピザなどが食べられます。」

「最後に売店でお土産を購入し、退場ゲートを出ると馬車駐車場です。シャトルバスで最寄り駅まで移動できます。」

「少しよろしいですか?社長さん。」

「はい、どうぞ。」

「建設予定地が多いのは、なぜですか?」

率直な質問だった。

「そうですね……まだ資金の認可がおりていないのです。うちの経理部長が首を縦に振ってくれなくてね。ははは。」

ヤマタニは苦笑した。

会場にも小さな笑いが起きる。

「多くのお客様に来ていただき、資金の目処が立てば、順次拡張していく予定です。ぜひ応援をお願いいたします。」

拍手が起こった。

レセプション自体は成功だった。記者からの質問も多く、関係者との交流も有意義なものとなった。

最低限ではあるが、キャンプ場で過ごし、博物館を見学し、電気自動車に乗り、レストランで食事をし、お土産を買って帰る——

一通りの娯楽は揃っている。

ヤマタニは、期待に胸を膨らませた。

——だが。

開園初日。

来場者は、わずか数組だった。

……終わった。

これでは大赤字は避けられない。

ヤマタニランドは、初日から崖っぷちに立たされた。

——まるで、失敗する未来が約束されているかのようだった。