軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

アークガイルの陰謀

第76話 アークガイルの陰謀

アークガイルは死の商人ツバイルを呼び寄せた。

「大盗賊団のシグマがヤマタニを襲いたがっているらしいぞ。」

「ほほぉ。」

ツバイルは目を細め、顎髭を触りながら笑う。

「そしてな。敵対貴族や敵対商会なら金を出してくれるはずだ。これが敵対勢力の名前が書いてあるリストだ。」

ツバイルはアークガイルからリストを受け取る。

「敵対勢力から資金を集め、その資金で武器を大盗賊団に与えれば、勝手に働いてくれるだろうよ。」

「ふむ。それはなかなか面白いですな。」

「しかし何故、あのヤマタニにそこまで?」

アークガイルは鼻で笑った。

「あぁ。俺の商売の邪魔をするからな。始末したいだけですよ。」

一拍置き、低く続ける。

「……あの顔を見るとな。」

「潰したくなるんですよ。跡形もなく。」

「……善人面、ですか。」

「偽善者ほど厄介なものはない。ああいう奴は周りを巻き込んで勢力を広げる。」

「今のうちに潰しておかねぇとな。」

ツバイルはゆっくりと頷いた。

「なるほど。合点がいきました。」

「――戦が起きれば、我々は儲かる。」

「こちらも商売ですからね。」

「では、その様に取り計らいましょう。」

ツバイルが敵対勢力に相談を持ちかけた。

あちこちの貴族や商会から、予想以上の資金を集めることが出来た。アークガイルの言った通りだ。

(さて、この資金で――どれだけ“良い戦”を作れるか……。)

ツバイルは薄く笑う。

(どうせなら、長く苦しむ戦にした方が儲かる。)

シグマに繋がりのある酒場を訪ねた。

カウンターに座り、マスターに話しかける。

「シグマと取り引きしたい。」

ツバイルは小声で告げた。

「何処の回し者だ?」

「武器商人です。――ヤマタニの敵対勢力から“贈り物”を預かってましてね。」

マスターはツバイルを一瞥し、無言で立ち上がる。

「……ついて来い。」

隠し部屋へと案内された。

数日後。

ツバイルからの“贈り物”が、シグマのアジトへと届いた。

木箱の中には、剣、防具、そして様々な武器。

倉庫には同じ箱が山のように積み上げられていた。

「これだけあれば、やつらと互角以上に戦える!」

シグマは一本の剣を取り出し、軽く振る。

次の瞬間――

近くにいた仲間の一人を、何の躊躇もなく斬り裂いた。

「ぎゃああああ!!」

血が飛び散り、男はその場に崩れ落ちる。

ドサリ。

「……なかなかだな。」

シグマは刀身についた血を指でなぞる。

「クク……いい贈り物だ。」

倒れた仲間には目もくれず、口元を歪めた。

「ヤマタニ……楽しませてくれよ」