作品タイトル不明
ヤマタニ騎士団
第33話 ヤマタニ騎士団
騎士団長 ドゴール 元騎士
副団長 ミランド 元護衛
副団長 カミル 元護衛
セシル 元兵士
レイモンド 元兵士
グランドル 元傭兵
バニム 元冒険者
ロイド 元村警備員
バーナード 元村警備員
ピケ 孤児院卒業
――この十名が、ヤマタニ騎士団の面々である。
寄せ集め。
経歴も、身分も、誇りもバラバラ。
だが――
これからは、一つの旗の下に立つ。
◆
「整列!」
ドゴールの一声で、空気が張り詰めた。
背筋を伸ばし、腕を後ろに組む。
その立ち姿には、戦場を生き抜いてきた者の重みがあった。
「騎士たる我らは、ヤマタニ男爵様に忠誠を誓う。」
低く、腹に響く声。
「裏切り、命令違反――重罰とする。」
誰も口を開かない。
だが、全員が理解していた。
ここはもう、“個人”ではない。
「誇りを持て。――ヤマタニ騎士団のな。」
◆
「行進!」
訓練は単調だった。
歩く。止まる。整列する。
走る。止まる。整列する。
それだけ。
剣も振らない。
戦いもしない。
ただ――命令に従うことだけを叩き込む。
夜は講義だった。
忠誠とは何か。
命令とは何か。
騎士とは何か。
その後、黙々と剣の手入れ。
二日目も。三日目も。
同じことの繰り返し。
五日目。
ようやく剣かと思えば――
「素振り!」
ただ、それだけだった。
◆
(……飽きるんじゃないか?)
ヤマタニは腕を組む。
だが、すぐに考え直した。
(いや――)
これは“統一”だ。
バラバラだった人間を、
同じ動き、同じ思考へと揃える。
戦う以前の問題。
――一つの部隊にするための訓練。
(餅は餅屋、か。)
任せると決めた以上、口は出さない。
◆
十日目。
ようやく“戦い”が始まった。
「次、かかってこい!」
カキン!カキン!
若い騎士が挑む。
だが、ドゴールの体勢は崩れない。
弾かれ、転ばされる。
「次!」
次々と相手を変えるが――
誰一人、届かない。
体力も。技も。気迫も。
すべてが一段上だった。
(……強いな。)
だが。
「――行くぞ。」
ミランドが前に出た。
カキィン!!
今度は違う。
互角。
押し返し、押し返される。
(あいつは別格か。)
賊を退けてきた実力は、本物だった。
◆
数週間後。
その動きは、明らかに変わっていた。
バラつきは消え、動きは揃い、
命令一つで全員が動く。
“部隊”になっている。
ヤマタニは小さく頷いた。
(……正解だな。)
何だか、寄せ集めだったが、ちゃんとした騎士団になってきている。
たのもしい騎士団だ…。